【お家で観る編集部おススメ映画】「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」

出典=fylmu.com https://fylmu.com/human/demolition
エンタメ

喪失感と破壊の先にあるものとは

ウォール街のエリート金融マンが妻の死により、本当の自分を取り戻すまでの「破壊」と「再生」を描いたストーリー。

あらすじ

出世コースに乗り、地位も名誉もお金も美しい妻も手に入れ順風満帆な生活を送っていたエリート金融マンのデイヴィス(ジェイク・ギレンホール)。

妻が事故で死ぬも、無感覚、無感情、彼は涙ひとつ流さない。「妻を愛していなかった」という言葉まで出るように。「冷蔵庫の水漏れを直して」という生前の妻のメモに対して義父が言った「心の修理も車の修理も同じこと、まず分解しろ」この言葉をきっかけにデイヴィスは狂ったかのように、身の回りのモノ、様々なものを壊しはじめる。
やがて苦情の手紙を書いた会社の苦情係のシングルマザーのカレン(ナオミ・ワッツ)と出逢い、カレンとカレンの息子との交流が始まる。カレンや思春期を迎えたカレンの息子との関わりなどによって少しずつ本来の自分の姿、「生」を取り戻していく。

出典=映画の時間 https://movie.jorudan.co.jp/cinema/32152/

ー「雨の日は会えない、晴れた日は君を思う」のタイトルの意味とは

原題は”Demolition ”、「破壊」あまりにも味気ないタイトル。
デイヴィスは解体、分解する行為によって、自分自身の複雑に絡まった感情や考えを解き、自分自身を解体していった。人はあまりにも突然すぎる不幸に見舞われると感情がストップしてしまうのだろうか。悲しみや無感情さえも破壊することによって、ゼロから再出発できるのかも。

邦題の「雨の日は会えない、晴れた日は君を思う」のタイトルについては終盤に出てくる死んだ妻が残したメモとサンバイザーがその意味を示している。その意味は見る人によって受け取り方もそれぞれ違ってくるはず。

出典=映画の時間 https://movie.jorudan.co.jp/cinema/32152/

監督: ジャン=マルク・バレ
キャスト: ジェイク・ギレンホール、ナオミ・ワッツ、クリス・クーパー、ジュダ・ルイス
配給: ファントムフィルム
製作: 2015年 アメリカ
原題:Demolition

KANSAIPRESS編集部から

はじめの30分ほどは淡々としていて観る人によっては正直つまらないかも。だけど徐々に面白みが増してくる。噛めば噛むほど味のある作品。ちなみに私はタイトルの意味がまだわからなくて、ずっとモヤモヤしています。
男やもめ、他の家族との交流、子育てにより徐々に本当の自分を取り戻していく主人公の姿など、
邦画・本木雅弘さん主演の「永い言い訳」とすごく似ている。「永い言い訳」は実際にモノを壊したりはしないけど、破壊=再生というテーマは同じ。併せてみてみると面白いかも。

文/後藤麻希