【お家で観れる編集部おススメ映画】世界が終わるときあなたは誰と何をして過ごしますか?「火口の二人」

アイキャッチ画像=『火口のふたり』 (C)2019「火口のふたり」製作委員会
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ただ寝て、食べて、セックスをする。人間の本質的なことが描かれた愛おしい作品

アマゾンプライムビデオで視聴可能。

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20198月に公開された「火口のふたり」監督・脚本は荒井晴彦さん、キャストは柄本佑さんと瀧内公美の二人だけの出演の映画だ。

2011年の東日本大震災をきっかけに直木賞作家・白石一文さんによって書かれた小説を映画化した作品で、生と性についてリアルに描かれた作品である。

画像=『火口のふたり』(C)2019「火口のふたり」製作委員会

賢治と直子、かつて恋人だった二人は実は従兄弟という関係でもある。数年ぶりに直子の結婚式に出席するために再会した二人だが、「もう一度あの頃に戻ってみない?」という直子の提案で一晩を共にするが、そこから婚約者が帰ってくるまでの数日間二人はむさぼり合う。

セックスだけではない、食べて寝て、といった羨ましいくらいに人間の本質的な図がそこにはある。男と女、いや、まるでアダムとイヴのような・・・誰もが持っている奥深いもの。理性と本能の狭間で揺れる二人の関係を通して「自分の身体の言い分に正直になりなさい」というメッセージが込められている。

こんな時だからこそ、自分を見つめなおす時

R18指定だけあって、とにかくセックスのシーンが多い(笑)だけど「エロス」という言葉一つでは片付けられないものがある。

身体の言い分に耳を傾ける」

この映画はセックスシーンが多いけれど、セックスだけではなくて、今カラダが欲してるコト、例えば食べたいものを食べたり、寝たい時に寝る、疲れた時には休んだりマッサージに行ったりといったような、もっと自分の身体の声、頭と心の声に耳を傾けてあげることが大切なんだと。もっと言うと男だからとか女だからとか、パパだからママだから、年齢などといった世間体や誰かが決めた「普通」っていうものなどは考えずに自分の感情や身体、さらには生き方にも正直になろうよ というメッセージではないだろうか。

いま、世界はとんでもない状況だ。自分のしたい事ができない、思うように行かない、会いたい人に会えない、それどころか明日の生活さえままならない人もいる。といったそんな中、今一度自分の身体と心の言い分に耳を傾けてほしい。きっとこの期間が自分を見つめ直す時間になるから。

像=『火口のふたり』(C)2019「火口のふたり」製作委員会

原作: 白石一文
脚本・監督:荒井晴彦
キャスト:柄本佑・瀧内公美
音楽:下田逸郎
配給:ファントム・フィルム

KANSAIPRESS編集部から

Amazonprime,Netflix,huluなどで様々なコンテンツが観れても、私は劇場で最新の映画を観たい派だ。さすがに3月から徐々に映画館に行けなくなりお家で観ることに・・。でもこれはこれで楽しい。「火口の二人」2019年ザッと数えて50本ほどの映画を劇場で観たけど、個人的には2019年度のベスト3に入る映画だ。なぜこんなにも自分の琴線に触れたのか、そこを掘り下げると単純に青春時代に過ごした元恋人の存在が心のどこかにあるからかもしれない。

女目線からーーー直子の発する言葉などにウンウンと頷いてしまう。白石一文さんの小説はこの作品以外にも何作品か読んだことがある。毎回思うのは白石さんは女というものをよく分かっている。ラストは思わぬ展開で、思わず笑ってしまった。もう一度言うがこの映画は決して「エロ」ではない!今こそ観て欲しい、わたしの推し映画。

文/後藤麻希

アイキャッチ画像= 火口の二人製作委員会