広島呉市で認知症の母と老老介護する父の暮らしを、ひとり娘である信友直子監督が撮り2018年に公開されたドキュメンタリー「ぼけますから、よろしくお願いします。」の続編が3月25日から劇場公開されている。200万人を動員し観客を感動の渦に巻きこんだ前作完成後も、信友監督は東京と広島を行き来しながら90代の両親を撮り続けてきた。2018年、母の認知症はさらに進行し、ある日脳梗塞を発症し遂に入院してしまう。入院した母に面会するため、父は毎日1時間かけて病院へ通い、いつか母が帰ってくる時のためにと筋トレを開始。一時は歩けるまでに回復した母だったが、新たな脳梗塞が見つかり、病状は悪化する。そんな最中に訪れた新型コロナウイルスパンデミックによって、病院の面会すら困難な状況に。認知症とともに生きることの家族の苦労や日本が抱える高齢化社会の問題を炙り出しながらも、「生と死」、肩を寄せ合い歩む一組の夫婦と家族の物語が丹念に紡がれている。
高齢化社会、いつか訪れる「老いと死」を浮き彫りにしながらも、溢れ出す家族愛に涙が止まらない
本作は、映画に多くの人が求めるような粋な演出や洒落っ気な映像があるわ
信友直子監督は監督・撮影・語りを担当、監督の「お父さん」「お母さん」とカメラ越しから呼びかけ
本作に映し出されたこの一組の夫婦の姿は他人事ではない。そして今後さらに増える「老々介護」、本作にも出てくる「胃ろう」からも、死生観や終活について考えさせられる。
どれだけ年老いても、どれだけ辛い現実に直面しても、お母さんに
そう、本作は信友家の夫婦の生きた証、信友家の軌跡と愛の物語な
お父さん、120才まで生きてください。直子さん、どんな状況でもカメラを向け続け、素晴らしい作
ぼけますから、よろしくお願いします。 おかえり お母さん
文/ごとうまき