【インタビュー】ドラマ『夫に間違いありません』宮沢氷魚が語る、記者・天童弥生の「譲れない信念」と加速するサスペンスの行方

インタビュー

2026年1月、日本中の月曜夜をザワつかせているヒューマンサスペンス『夫に間違いありません』(カンテレ・フジテレビ系)。死んだはずの夫が1年後に現れるという衝撃の展開から始まった本作は、回を追うごとにその謎を深めています。
今回は、事件の真相を執拗に追う記者・天童弥生(てんどう・やよい)役を演じる宮沢氷魚さんが取材会に出席。撮影現場の裏側から、自身のモデル経験を活かした役作り、そして物語が大きく動く今後の見どころまで、たっぷりとお話を伺いました。

一瞬たりとも隙のない「ジェットコースターのような展開」

――撮影真っ只中とお聞きしていますが、第4話の放送を迎えた今、率直な心境を教えてください。

宮沢
正直なところ、「もう第4話なんだ」という驚きが大きいです。今年の1月に初回を迎えてから、僕たちも絶賛撮影中なのですが、昨日も現場にいて、今日もこうして取材を受け、明日もまた撮影……という日々を送っています。このドラマはとにかく展開が早いんですよね。特に第2話以降の動きが激しくて、視聴者の方に一瞬たりとも隙を与えない、すごくテンポ感の良い作品になっているなと実感しています。僕自身、演じていて「次はどうなるんだ!?」と台本をめくる手が止まらないくらいですから。

――第3話のラストでは衝撃的な事件が起きました。第4話からはまた空気が変わりそうですね。

宮沢
そうですね、ガラッと変わります。第3話のラストで起きた「藤谷瑠美子」にまつわるあの出来事をどう乗り越えていくのか。そこから物語がどう変化していくのかが第4話の大きなポイントになります。
僕が演じている天童という男にとっても、ここからが正念場です。今まで調べていたバラバラの点がつながり始めて、「これも関係しているんじゃないか」といろんなことに気づき始める。10番(結末)に向けて5番(中盤)あたりまで一気に加速していくような感覚ですね。

モデル時代の経験が活きた「記者」という役作り

――今回、記者という役を演じるにあたって、宮沢さんご自身と重なる部分、あるいは共感できる部分はありますか?

宮沢
「何かを発信する」という点、そして「自分の伝えたい真実や、まだ世の中が知らないことを伝える」という使命感のようなものは、僕自身ともすごく共感できる部分ですね。表現の形は違えど、誰かに何かを届けるという根底の思いは共通しているなと感じます

――記者という職業についても、何か身近に感じる部分はあったのでしょうか。

宮沢
実は、以前『non-no』のモデルをしていた時、よく編集部にお邪魔していたんです。編集部の独特の空気感や、デスクに資料が山積みになっている様子、そして一つの記事がどういう過程を経て形になっていくのか……。その光景を間近で見ていた経験は、今回の役作りにすごく活きています。「記者・天童」としてカメラの前に立った時、自然とその場の空気に馴染むことができたのは、あのモデル時代の経験があったからこそだと思います。

――逆に、天童というキャラクターで「ここは自分とは違うな」と共感できない部分は?

宮沢
うーん、やっぱり彼の「荒っぽさ」でしょうか(笑)。天童は目的のためならかなり強引な手段も使いますし、言動も荒い。そこは僕自身の性格とはかなりかけ離れています。でも、彼を演じる上ではそこが一番大事なポイントなんです。その荒々しさが、彼の執念や焦りを表現する鍵になっているので、そこは振り切って演じています。

天童弥生が抱く「違和感」と「譲れない一線」

――天童は事件に対して非常に鋭い嗅覚を持っていますが、第4話以降、彼の追い込み方は変わるのでしょうか?

宮沢
天童は、最初はあくまで「一つの殺人事件」として捉えているんです。でも、第1話から彼がずっと抱いている「違和感」が、第4話でどんどん大きな確信に変わっていく。天童はその違和感に対して非常に敏感な男なので、「これはただの殺人事件じゃない、もっと根深い何かが裏にある」と反応し始めます。そこからは、獲物を狙う目つきがより鋭くなっていくと思いますよ。

――主演の松下奈緒さん(朝比聖子役)と対峙するシーンも増えてきます。現場での雰囲気はいかがですか?

宮沢
松下さんは本当に素敵な方です! ドラマの内容はシリアスですが、現場は松下さんを中心にすごく明るいんですよ。松下さんの「ツッコミ」が冴え渡っていて(笑)、みんなでそれを楽しんでいるような、和気あいあいとした雰囲気です。ただ、カメラが回るとその空気は一変します。松下さん演じる聖子は、とにかくガードが固い。隙を見せないんです。天童としては、グイグイ攻めて少しでも隙があればそこに付け込みたい、証拠を掴みたいと思っているのですが、なかなか本性を現してくれない。記者として演じていても「この人、本当にやりづらいな」と感じるほど、鉄壁の守りです。

――その「やりづらさ」が、天童の焦りにつながっていくと。

宮沢
そうですね。彼は記事を書きたいけれど、確固たる証拠がない。実は天童には一つ強い信念があって、劇中でいろんな嘘をついたり、人を騙すような真似もしたりしますけど、「確証がないものに関しては絶対に記事にしない」という一線は守っているんです。どれだけ強引でも、嘘を書いて誰かを傷つけることはしない。それが彼のプライドなんですよね。

役作りのヒントは、ある「音圧」から

――天童が放つ言葉の鋭さも印象的ですが、発声などで意識していることはありますか?

宮沢
天童が「今日はこれを伝えに来たんだ」という思いの時や、相手を追い詰めたい時には、その「音圧」を意識して、言葉にプレッシャーを乗せるようにしています。声のトーンを変えるのではなく、言葉そのものの密度を上げる感覚ですね。これは大河ドラマ「べらぼう」でご一緒した渡辺謙さんの演技から学びました。渡辺さんも声のボリュームが大きいということではなくて、一言ひとことに重み、圧があるんです。

――天童の「目」の力も、視聴者の間で話題になっています。

宮沢
ありがとうございます。カメラマンさんには苦労をかけているかもしれませんが(笑)、相手に油断をさせない、視線を逸らさないという意識は常に持っています。聖子さんたちは隠し事が多いので、追い詰めると自然と目を逸らそうとする。でも天童はそこを逃さず、最後まで見つめ続ける。その視線のプロレスのような駆け引きも、ぜひ注目してほしいですね。

――最後に、今後のドラマの見どころと、ファンの皆さんへのメッセージをお願いします。

宮沢
この作品は、脚本を読んだ時から「こんなに面白いものが作れるんだ!」という驚きがありました。現場のキャストもスタッフも、全員がこの物語の面白さに魅了されていて、「最高のものを届けたい」という絆と信頼感の中で撮影が進んでいます。
視聴者の皆さんもいろいろと考察してくださっていると思いますが、おそらくその予想はことごとく裏切られるはずです(笑)。それくらい後半の展開はさらに加速し、面白くなっていきます。
第1話を見逃すと、次の回では全然違う話に展開しているようなスピード感です。ぜひ、天童と一緒に「真実」のその先を見届けてください。最後までよろしくお願いします!

【番組情報】
月10ドラマ『夫に間違いありません』
2026年1月5日(月)スタート 毎週月曜よる10時〜
(カンテレ・フジテレビ系全国ネット)
出演:松下奈緒、桜井ユキ、宮沢氷魚、中村海人、安田顕 ほか

 

取材・文・撮影:ごとうまき