90歳のおじいちゃんがバスを乗り継ぎ英国を横断!『君を想い、バスに乗る』

(C)Last Bus Ltd 2021
ヒューマンドラマ

“バスの英雄”想いを貫く

イギリス発、じんわりと心が温まる優しさに溢れたヒューマンドラマが6月3日から劇場で公開中。

最愛の妻に先立たれた90歳のトム・ハーパーは、妻メアリーとの約束を果たすため、ローカルバスのフリーパスを利用したイギリス縦断の壮大な旅に出る。出発点である50年暮らした家のあるスコットランド最北端の村ジョン・オ・グローツから目的地のイギリス最南端の岬ランズ・エンドを目指して…。

 

90歳の老人が鞄一つでバスを乗り継ぎ、何千キロを横断するということさえ無茶な話なのに、彼は体に“ある問題”も抱えているというから、どれほど大変なことか…。

目的地に辿り着くまでには、数々のトラブルが待ち受けていたが、そんな中でも必ず手を差し伸べてくれる人が現れる。出会っては別れの繰り返し…旅は人生そのものなんだと。
愛する妻のためにという揺るがぬ信念を貫く勇敢なポールに喝采を送りたい。

ストーリーの最後の方で明らかになるポールの悲しい過去(これは見ていて非常に心が痛む)や、なぜポールがランズ・エンドを目指したのか?といった回顧を織り交ぜながらポールの旅と共に紡がれていく。

まず本作の脚本が秀逸。脚本を手がけたジョー・エインズワースが、彼の父と義父の「高齢者向けの無料バス乗車券を使ってどこに旅をするか」という会話から着想を得て作られたとのこと(ちょっと実話であって欲しかった)。
実年齢より30歳近く年上の老人を演じたティモシー・スポールは特殊メイクなし、さすがイギリスを代表する俳優、演技のうまさも光っていた。

(C)Last Bus Ltd 2021

(C)Last Bus Ltd 2021

(C)Last Bus Ltd 2021

(C)Last Bus Ltd 2021

君を想い、バスに乗る

監督:ギリーズ・マッキノン
脚本:ジョージ・キャメロン・ゲッデス
製作:ロイ・ボウルター ソロン・パパドプーロス
キャスト:ティモシー・スポール、フィリス・ローガン
製作:2021年製作/86分/G/イギリス
配給:HIGH BROW CINEMA

文/ごとうまき