セカンドチャンスは誰にでも訪れる。猫との友情を描いた本当にあった物語
あらすじ
ドラッグによってまともな人生を歩めず、ホームレス同然の生活をしていたドラッグ更生中のジェームズ(ルーク・トレッダウェイ)は運良く更生施設の担当者の手助けによって住居を与えられる。新居先に、迷い込んだ茶トラの猫 ボブとの生活が始まる。ボブの存在によってどん底の人生から立ち直っていくまでのジェームズとボブの生活を描いたハートウォーミングストーリー。
Netflixをはじめ多くの動画配信サイトで配信中
家族にも運にも見放され天涯孤独だったジェームズにボブというパートナーがやってきた。ボブには不思議なパワーがあるのだろうか、ボブを拾ってから散々だったジェームズの人生は好転していく。ストリートミュージシャンをしていたジェームズはボブを連れて演奏すると、瞬く間に人気者に、ボブを肩に乗せてビッグイシューを販売してもそこでも大人気。ボブはジェームズにさらに幸運をもたらすことに・・・
イギリスで150万部のベストセラーとなった「ボブという名のストリートキャット」を「シックス・デイ」「007/トゥモロー・ネバ―ダイ」のロジャー・スポティスウッド監督が手掛けた。ボブ役にはなんと本物のボブが参加、また猫目線のカメラワークもところどころあり、特別な世界に浸れます。劇中で映し出されるロンドンバスやロンドンの美しい観光名所、華やかな繁華街とは対照にジェームズの貧困層が暮らす危うい雰囲気の地域も偽りなく映し出され、また深刻な問題となっている薬物依存者の絶望や現実をリアルに描いている。
KANSAIPRESS編集部から
日本昔話の「ぶんぶくちゃがま」がある。ある男が罠にかかったタヌキを助けて、そのタヌキが男に恩返しをするという物語なんだけど、この映画を観たときにイギリス版・ぶんぶくちゃがまを彷彿とさせた。いや、「猫の恩返し」のほうがしっくりくるかな?ボブが可愛くて可愛くてただひたすら癒される。ジェームズに関わる隣人の女性や、更生施設の担当者、出版社の女性など、周りの人たちにも恵まれていたジェームズ、みんなハッピーになる映画なので、とにかく癒されたい、穏やかな気持ちになりたい時にはこの映画がおすすめです。きっと観終わった後、温かい気持ちになっているはず。
文/後藤麻希