古澤巌、ストラディバリウス「サン・ロレンツォ」をベルリン・フィル ハーモニックストリングスと共に奏でる!

最高峰のストラディバリウス「サン・ロレンツォ」と共に
インタビュー

古澤巖×ベルリン・フィルハーモニック ストリングス「愛のクリスマス 2024」が12月11日(水) ザ・シンフォニーホールで開催される。マリー・アントワネットも聞き惚れたと言われる、ストラディバリウス伝説の銘器「サン・ロレンツォ」で、古澤の盟友でもあるロベルト・ディ・マリーノの新作コンチェルトからクラシックの名曲まで聴き応えたっぷりの内容となっている。公演に先立ち、古澤が座談会に出席。コンサートや新作アルバム「サン・ロレンツォのヴァイオリン~月の光」についてお話を伺いました。

新作アルバム「サン・ロレンツォのヴァイオリン~月の光」は、全曲(ボーナストラック以外)ストラディバリウス伝説の銘器「サン・ロレンツォ」でレコーディング。 今回はその銘器にまつわるフランスの曲が多数、コンチェルトからクラシックまで幅広く収録されている。
「マリーノさんのような現存の作曲家に出会うのはとても大事。僕は葉加瀬太郎くんに出会うまで、ヨーロッパやアメリカで古典クラシックだけをしてきました。その訓練がいまになって生きてきているような気がします。そしていま、音楽もジャンルの垣根を越えてきている。僕自身、ジャンルを問わずいろんな曲を弾いています。」古澤の培ってきた経験や様々な人との出逢いによる集大成とも言えるのだろう。

収録曲の一つで、平原綾香さんのお父さんの名曲「手紙」は、サックスでジャズベースの曲だが、今回はクラシカルなアレンジとなっている。
「平原綾香さんとラジオで共演した時に初めて聴いて、平原さんに録音したいと伝えました。平原さんのお父さんは、次の世代へのメッセージとして、いろんな思いでこの曲を作られたのだと思うので、敬意を表して弾きました。コンサートでも一年近く弾かせてもらっていますが、皆さんに好評をいただいています!」と、ニッコリ。
「荒城の月」を収録した背景もなかなか興味深い。「滝廉太郎さんは若い頃、数ヶ月ヨーロッパに留学するつもりが病気になって行けなかった。その時に洋楽としてヨーロッパで発表していたので、ヨーロッパとも縁があると思い選びました」と、語った。

ベルリン・フィルハーモニックストリングスとの共演については「“新星ベルリン・フィル”なんです。彼らは僕とは世代が違うし、昔のトラディショナルな感じではなく体制もフレキシブル。とはいえ、厳しいオーディションを突破した凄い人ばかり。チェリストのDAVIDはベルリン・フィル12人のチェリストたちの作曲とアレンジを担当しているんです。なので今回も彼が作った曲を弾く予定です!」と、目を輝かす。
コンサート当日は、DAVIDが古澤のために作曲した楽曲のほか、ロベルト・ディ・マリーノなどセットリストの内容も魅力的。休憩後のベルリン・フィルだけのコーナーも見どころの一つ。タンゴやバッハなど盛り沢山の内容となっている。古澤は「コンチェルトという協奏曲ができる。まさに皆で“競争”しながらできたら」と胸を弾ませた。

「愛のクリスマス 2024」は、12月11日(水) 19:00〜ザ・シンフォニーホールにて開催!

取材・文・撮影:ごとうまき