【明日海りお 20周年への思いを語る】「まだ下級生の気分。この先もずっと忙しくしていたい!」

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元宝塚歌劇団花組トップスターで、現在は舞台・映像などで幅広く活躍する明日海りおの芸歴20周年を記念したアニバーサリーコンサート『ヴォイス・イン・ブルー』が9月22日(金)〜24日(日)梅田芸術劇場メインホールにて開催される。今回は東京公演(9月15日〜9月19日)、大阪公演に豪華ミュージカルスターのゲスト出演が実現!大阪公演には山崎育三郎(22日)、古川雄大(23日夜)、凪七瑠海(宝塚歌劇団/24 日)が明日海の20周年を祝うべく駆けつける。今回公演に先立ち、明日海りおさんが取材会に出席。本公演への意気込みやゲストについて、さらには芸歴20周年への思いも語ってもらいました。
 
── 20thコンサート開催に向けて、改めてこの20年を振り返っていかがでしょうか?
明日海
宝塚を卒業したのが芸歴17年目、それからの活動は初めて取り組むことばかりで、まるで新たな生活が始まったような感覚でした。気付けば今年で20周年なのか!と、あっという間でした。自分は宝塚、舞台が好き。20年間、健康で元気に続けてこられたことが何よりも幸せなことだと、実感しています。

── 今回はどのようなステージが期待されますか?

明日海
まだ細かい楽曲などは決まっておらず、それぞれのゲストさんと協議している最中ですが、ステージでは一人一人とお話したり、二人で歌ったことのあるナンバーをデュエットしたり、私が宝塚時代に歌っていた楽曲にもゲストの方にご一緒してもらおうと考えています。もちろんゲストさんにもソロで歌ってもらいます。日々変化するステージと楽曲。何回でも通ってもらえる楽しい内容となっています。

── 大阪公演大千秋楽には、宝塚歌劇団専科として活躍される凪七瑠海さんがゲスト出演されます。同歌劇団の現役スターがOGのソロコンサートに出演するのは史上初とのこと!凪七さんへの思いもお聞かせください。

明日海
私は凪七さんのことを“カチャ”と呼んでいます。カチャは外部出演は初めてとのこと。ダメもとでオファーをしたところ快諾してくれました。カチャとは同期生なので、彼女も今年で20周年を迎えます。彼女とは音楽学校の2年間を共に過ごし、その後は組が別れて、それぞれ別々の道を歩んでいます。だけど私にとって彼女は、自分の10代、青春時代を共に過ごした戦友でもあり、本当の自分で居られる存在。カチャと初めて宝塚以外の舞台でセッションできることがとても楽しみです。

──在団中から退団後、そして現在とステージへの思いはどのように変化しましたか?

明日海
ステージへの思いはどんどん増しているように思います。宝塚時代は一つの作品に対しての公演数が多く、いろんな役に沢山出会うことができました。退団後は、映像などといったいろんな種類のお仕事をさせていただくようになり、舞台に立つ機会も宝塚時代に比べると減りました。だからこそ、舞台に立てた時の自分の集中力や高揚感、喜びは大きいです。生きてる!!という感じがする。また宝塚を退団してすぐにコロナ禍に突入したこともあって、お客さまと同じ空間で作品を届けられることが貴重で有り難いと実感しています。

──本公演のタイトル『ヴォイス・イン・ブルー』に込めた思いは?

明日海
宝塚時代は在籍している組のイメージカラーがあって、卒業すると、今度は役柄にイメージカラーがあったりと、その時々で演じる役柄によってカラーが変わるのですが、ふと、本来自分の好きな色、自分らしい色について考えた時に浮かんだ色が淡いブルー。主張が強くないブルーが子どもの頃から好きなんです。私は静岡の自然豊かな場所で育ったので、海や空が好き。学校の登下校では川沿いを歩いたりした思い出も。本来の自分に戻れるからブルーが好きなんだと思います。

── 20周年を富士山に例えると、今は何号目ですか?

明日海
登山歴は20年だけど、違う山に登り始めたばかりといった感じでしょうか。気持ちはまだまだ下級生だと思っていて(笑)。宝塚では1年目が最下級生、3年目までは下級生、ようやく今下級生を抜けようとしているところだと思っています。
── 20周年の先の夢や目標を教えてください。
明日海
この先もずっとずっと忙しくしていたいと思っています。そして何をするにも場数を踏んで、継続して、経験を積むことが大切だと思っています。その中でいろんな気持ちの発見や変化も起きる。これまで出来なかったことが少しずつできるようになることも楽しくてやり甲斐を感じます。役のためにカラダを作って、声や肌を整えて、楽屋でメイクをして、幕が開いて、客席の皆さまと絆を育んでいく。こうした生活、劇場の空間が大好きなんです。そして私自身も進化し続けていきたいです。梅田芸術劇場メインホールでお待ちしています!

取材・執筆・撮影/ごとうまき