金子隆博、20年ぶりにサックスを披露!「年に一回“カムカムファン”が集う定番のコンサートにできたら……!」

インタビュー

連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(NHK)を彩ったジャズナンバーや、クリスマスに聴きたい名曲の数々を楽しむ二夜連続コンサート、「カムカムエヴリバディ」なクリスマスが、12月24日(火)、25日(水) 大阪・新歌舞伎座で開催される。
演出を手がけるのは『カムカムエヴリバディ』の音楽を担当し、米米CLUBやBIG HORNS BEEで活躍する金子隆博さん。金子率いるトップミュージシャン「カムカム”トラッド”ジャズバンド」と、特別ゲストの俳優・歌手の城田優とヴァイオリニスト・石田泰尚が2日間を盛り上げる。公演に先立ち、金子隆博さんにインタビューを実施した。

カムカム“トラッド”ジャズバンドでのライブは毎年のように行ってきているというが、大阪・新歌舞伎座では初めて。
金子は「これまでは劇中のワンシーンを切り取って、演劇を交えながら曲に入っていくという演出をしていました。今回はクリスマスが掛け合わさるので、“あのシーン”も再現したいと思っています。カムカムファンの方達に最高に楽しんでいただける内容にします!」と、意気込んだ。

今回は小編成のバンドのため、金子が新たにアレンジを加えたという。
「ルイ・アームストロングの時代からデューク・エリントンの時代を得意としているミュージシャンが集まっています。“カムカム”で言うなら安子の時代です。コンサートでも懐かしい感じを出せたら……」と、ニッコリ。

ドラマでナレーションを担当した城田優と、最もチケットの入手が困難と言われているヴァイオリニスト・石田泰尚を特別ゲストに迎えるが、2人とは初共演だという。
「再放送では、しょっぱなから城田さんのナレーションで始まりますが、彼の存在の大きさを感じますよね。まさに影の主役!そして、石田くんもカッコいい。弾く姿は激しくもあるけどタッチが繊細で、上手いなぁ」と、2人を称賛。ヴァイオリンでのジャズ曲や映像音楽に絡んだ楽曲にも期待できそうだ。

『カムカムエヴリバディ』のメインテーマ曲を制作し始めたのは、2020年4月。コロナで亡くなった人に向けての鎮魂歌としての意味も含めて制作したという。
「あの期間は自分と向き合うための良い時間でした。それにこのドラマの音楽の制作をしたことによって、自分の新たな引き出しを開けてもらった。こんな曲を作れちゃったんだ、イメージがあれば作れるんだな」と、ドラマの作品が自身の音楽人生において特別であることを語った。

42歳で「職業性ジストニア」を発症し、突然サックスを吹くことができなくなった金子。しかしその後ピアノを猛練習し、キーボード奏者として再生。アーティストや映像作品などへの楽曲提供を数多く行い、指揮者としても活動している。
「楽器半分、作曲半分できていましたが、病気を発症して、楽器を捨てて曲作りに邁進することを決意しました。私にとって一つの大きな転機でした。ただ、楽器を奪われたことで、音楽全体を見れるようになったのかもしれません。あれから20年、医療の進歩もあってか、症状が治る薬もできました。近い将来、完全にジストニアをはじめとする難病が治る世界が来てくれたら……」と、思いを語った。

さらに、今回の公演では金子自身もサックスを披露するという。「薬を飲むと短時間だけサックスが吹けるんです。ただ、20年吹いていなかったので不安もあります。僕の周りは20年間上手くなり続けていたわけだから……。この半年間ずっとリハビリをしています。」と胸中を吐露。
さらに「カムカムエヴリバディなクリスマスを定番にしたい。また新歌舞伎座でやるなら、今度は大阪のミュージシャンを集めて大編成でもお見せできたらと思っています。年に一回カムカムファンが集う日にしていきたいです!」と、抱負を語った。

「カムカムエヴリバディ」なクリスマスは、大阪・新歌舞伎座にて12月24日(火)、25日(水)開催される(24日と25日は一部構成を変更してお届け)。

公演概要・チケット

「カムカムエヴリバディ」なクリスマス
Vol.1(12/24)、Vol.2(12/25)
公演期間 2024年12月24日(火)~25日(水) (両日とも)18時30分開演
料金 (税込)
S席(1・2階) 9,000円
A席(3階) 4,000円

チケット「カムカムエヴリバディ」なクリスマス ○一般発売 | 新歌舞伎座ネットチケット[音楽 J-POP・ROCKのチケット購入・予約]

新歌舞伎座テレホン予約センター:06-7730-2222(午前10時~午後4時)

 

取材・文・撮影:ごとうまき