【ミシュラン掲載店】珠玉の逸品と四季を味わう 日本料理『老松ひさ乃』

老松ひさ乃 久野正光さん
Gourmet

大阪西天満の飲食店をこれまでに多く取材をしてきた。大阪裁判所の周辺には多くの司法事務所などが集まり、このエリアは「弁護士村」と古くから呼ばれている。また高級な料亭が軒を連ね、ミシュランガイド掲載店も多く点在する街でもある。

そんな西天満のメイン通りである東西にのびる「老松通り」は、大阪天満宮の表参道として栄え、現在も日本三大祭の一つ「天神祭」の陸渡御ルートとなっている。また古美術、ギャラリーなどのアート関係店舗も80前後集積しており、司法とアートと食の街とも言えよう。

そんな由緒正しい通りに店を構える 日本料理『老松ひさ乃』もミシュラン2019、2020と一つ星を獲得している人気店である。 今回なんと同店に取材、撮影にご協力いただいた。秋ハモを使ったお料理、匠の技をご覧あれ。

 

日本料理で感じる”美”

「老松ひさ乃」のオーナーシェフである久野正光さんは大分県出身、子供の頃から料理やお菓子作りが好きで、食い倒れの街大阪に憧れ、料理の道に入った。ミナミ、北新地の割烹で経験を積み、リーガロイヤルホテル大阪の割烹「みおつくし」で料理長を7年務めた後に独立、2017年7月この地に「老松ひさ乃」をオープンし、翌年の2018年にはミシュラン一つ星を獲得。実力・味・ホスピタリティと全て一流だ。

入口は通りに面している。

ひさ乃のコンセプト

“味、美、香、器、優、技、季、室礼”のトータルバランスを大切にしている。目の前で魅せる料理とお客様との対面の会話を大切にし、さらに流れのある料理説明、入店からお見送りまでの心配り、サービスを徹底し意識されているとのこと。

同店はお任せ料理一本のみ。「季節により添う料理」を基本理念とし、その日に入った旬の魚や菜などの食材をコース仕立てに、お料理とお酒の相性(マリアージュ)もとても大切にされている。常に「付加価値を付けること」への意識も高く、日本料理では不足とされがちなサービスやデザートにも強化したいといった久野さんの思いがある。

我が国の伝統的な食文化である日本料理と日本文化である”わびさび”の美意識がかけ合わさって同店のコンセプトの一つである「肩肘のはらない落ち着きながらもどこか緊張感のある空間」が作られている。

ひさ乃の日本料理を通して、あらゆる”美”を感じてもらえるはずだ。

旬を味わうお任せコース

コンセプトにあるように、同店では最初から最後までの流れのある旬の食材をふんだんに取り入れたコース料理が堪能できる。

今回の取材では特別に秋ハモを使用したお料理(撮影時期は2020年10月下旬)を二品作っていただいた。

ハモの良いお出汁が出ています。贅沢に使用したマツタケとハモのマリアージュ。優しく繊細なお味でした。秋を感じる一品(撮影した時期は2020年10月下旬です)

ハモの炭火焼

お料理は12,000円(税・サービス料10%別)から

値段以上のクオリティ、接客、全て兼ね備えた非日常を味わえる特別な空間。

白を基調としたシンプルで洗練された店内はカウンターが7席、個室のテーブル4席と落ち着いた贅沢な時間が堪能できる。

室礼として季節の花を必ず飾っているとのこと。

ミシュラン星シェフの休日の過ごし方

定休日は水曜日のみとのことで、休日はどんな過ごし方をされているのか訊ねた。

久野さん
走って季節を感じて、動き回っています。あとお酒が好きなので、お酒は楽しんでいます

久野さんご自身もお酒が大好きとのことで、お店の信条の一つである「お酒とお料理のマリアージュ」に活かされているのでしょうか。どんなお料理にも合うように日本酒は全国から取り寄せられており、ビールや焼酎も揃っているとのこと。

ーー老松ひさ乃に対する想いをお聞かせください。

久野さん
ひさ乃流の料理を確立して、”老松にひさ乃有り”となる様にありたいですね。そして日本料理をもっと研究し、より多くの人に伝えていきたいです

概要

老松ひさ乃
住所:530-0047 大阪府大阪市北区西天満4-8-3天野ビル1F
電話:06-6314-6202
最寄り駅:御堂筋線 淀屋橋 徒歩10分/JR北新地駅 徒歩10分/京阪中之島線  大江橋 徒歩5分
営業時間:月~日 17:00~21:00(L,O)
定休日:水曜日
席数:カウンター7席、テーブル4席(個室)

KANSAIPRESS編集部から

取材からみえてきた料理人としての姿勢

マキ
撮影した時期が2020年10月末、久野さんの貴重なお休みの時間を頂き、撮影にご協力いただきました。秋ハモが終わる時期になんとか間に合ったのですが、こちら側の手際の悪さからシーズンずれての公開となり、申し訳ありません。

取材や、撮影を通して見えた久野さんの朗らかな人柄。料理人としての厳しさ”職人魂”と”おもてなし”に対するホスピタリティ精神の高さ。 このバランスの良さが人気店、一流店を作っていく上で必須であるということを再認識しました。

非日常な空間、こういう場所はオシャレして、デートで男性に連れて行ってもらいたいですね。または今年結婚する友人へのお祝いとして一緒に行こうかしらん♪

感染対策も万全にされています。 大切な人と、もちろん一人でも。五感を満たす特別な時間を過ごされてみてはいかがでしょうか。

取材・文/ごとうまき

動画:撮影・ディレクション/阿久津健一