【高橋大輔 スケート靴脱ぎ捨て 舞台でダンス披露!】「40歳まではインプット期間、全力でいろんなことに挑戦したい!!」

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世界のトップスケーター達が集結した真夏のアイスショー『The Ice2023』大阪公演が7月29日、30日に丸善インテックアリーナ大阪で開催される。開催に先立ち、フィギュアスケートの高橋大輔さんが取材会に出席。ショーの魅力や意気込み、さらに5月1日に現役引退を表明してから1ヶ月余りとなる今の心境や今後について語ってもらった。
 今回は昨年の四大陸選手権で銀メダルを獲得した村元哉中さんとのアイスダンスのペア“かなだい”で出場!さらには特別パフォーマンスとして、仏のケヴィン・エモズと組み(ユニットA)、スケート靴を脱ぎ捨て、本気のダンスを魅せてくれる。

エネルギッシュな真夏のアイスショーに期待

──現役引退を発表された時の心境、そして発表から1ヶ月余り経っての今のお気持ちを教えてください。
高橋
一度引退をした時は、目標がなく先の見えない中、しんどい部分もありました。今回は現役復帰する際にも“エンターテイメントに関わる”という目標を持っていたので、“次なるステージへの第一歩”として、前向きな気持ちで引退することができ、清々しい気持ちです。この後またアメリカに戻って家の整理をしたりして、アイスショーに臨みます。アイスダンスを練習する時間は減ったものの、筋トレは継続しています。今後は体を鍛えながらジャンプも跳べるような体を作っていきたいです。
──『The Ice2023』への出演が決まった時の心境や、本公演の見どころは?
高橋
2017年以来の出演。今回の出演者たちは、宇野昌磨くんをはじめとするエネルギッシュで、今をときめく若い方達ばかりです。その勢いに負けないように、自分自身も学びながら表現したいと思っています。見どころとしては、今トップで活躍する人たちのエネルギーを間近で感じていただけること。ファンの方だけでなく、初めてショーを観る方にも楽しんでいただけるエンターテインメントとなっています。さらに、今回はユニットA、ユニットBからなるチームがスケート靴を脱いで、本気のダンスを披露します。キャスト同士の珍しい組み合わせや、スケート靴を脱いで踊ることもチャレンジとなります。
── 今回はユニットAとして、高橋大輔&ケヴィン・エモズでダンスを披露されます。二人が組むことでどのような相乗効果が期待されますか?
高橋
氷の上で見る彼の動きは、緩急の振り幅が大きく、魅せる事が上手なスケーターという印象があります。ただ、陸での彼は全く想像がつかないので、僕自身もとても楽しみですね。背丈も僕と同じくらいなので、すごく良いものをお見せできるのではないかと期待しています。身体のポテンシャルは彼の方が高そうなので、負けないようにしないと。おじさん頑張ります(笑)。以前も一度、スケート靴を脱いでダンスを披露しましたが、スケートと陸では足の使い方が違ったりと苦労しました。今回は心構えができているのでいろんな準備をして臨みたいと思います。
──シングルとアイスダンス、それぞれの表現の違いと、今後アイスショーをはじめ、“かなだい”ペアでどのようなパフォーマンスを見せていかれますか?
高橋
シングルではストーリー性や想像性を大切に演じ、お客さんとの繋がりもダイレクト。一方でアイスダンスはパートナーがいて、二人の世界観を外に出す。実際の僕は、シングルの時はダンスをしている!という感じでしたが、アイスダンスになってからは役を演じているという違いがあります。かなだいとして僕たちは3シーズンしか試合をしていません。今後は全く違ったジャンルのものを披露していけたら。

エンターテイメントの場で活動を広げて行きたい。

──今後、具体的にどのような活動をしていこうと考えておられますか?
高橋
今後はスケートを軸に、プロデュースなどにも携わって、作る側にも立ちたいと思っています。自分が出る側に立っても、スケート靴を脱いで、違うこともやってみたい。僕はファッションや不動産にも興味があるので、あまり決め込まずに幅広く自分がやりたいことを全力で、まずは40歳まではやっていきたいですね。
──プロデュースもやっていきたいとのこと。振り付けなどにも興味はお持ちですか?
高橋
振り付けにはあまり興味がない……、というか向いていないと思っていて(笑)。ベースがある上でアレンジするとなると、アイディアが沢山出てくるのですが、ゼロから作るとなると全く考えが出てこなくて動けませんでした。だけどスケーターを選んだり、演出を考えたりするのは好きで、自分に向いていると思っています。

3日前にピンクのメッシュを入れたばかりの新しいヘアスタイルで登場した高橋。膝の調子はまだ変わらないとのことで、「ドクターにジャンプすると伝えたところ、“ジャンプか~”と頭を抱えられました」と苦笑い。

スケーターが長く活躍できる場所を増やせたら。

──40歳までは全力でやっていきたいとおっしゃっていますが、これだけはやりたい!ということや、今後子ども達への指導なども視野に入れていますか?
 
高橋
40歳までは挑戦も含めていろんなことをインプットしていく期間だと思っていて、何かを成し遂げるのは40歳以降になると思います。子ども達に何かを教えるというのはとても難しいんです。全てを投げ出して向き合わないといけないから。それよりも、スケーター達がより長く、スケーターとして活動できる場や環境を作っていきたいと思っています。ジャンプが何回転できるとかではなく、スケートをエンターティメントとしてどう魅せるか。そんな場が沢山広がると、長く続けてくれる方が増えるし、フィギュアスケートがもっと身近なエンターティメントになるのではないでしょうか。
 
──高橋さんが思うアイスショーの魅力とは?
 
高橋
アイスショーはまだまだ可能性に満ち溢れています。アイスショーは、一つのショーとしてどれだけお客さまに楽しんでもらえるか、に重きを置いてます。定番のアイスショーに加えて、もっといろんなものと融合して進化していける。アイスショーという感覚ではなく、一つのエンターティメントとして魅せられるように更なる高みを目指していきます。
──最後に、大阪公演に向けての意気込みをお願いします。
高橋
老若男女を問わず、幅広い世代の人が楽しんでくれるショーになっています。夏休み期間中でもあるので子ども達にもこのショーを見て、スケートの魅力も知ってもらいたいですし、これを機にスケートをやってくれる人が増えたら嬉しいですよね。大阪は僕の第二の故郷なので、この地で披露できるのも楽しみです。エネルギッシュなアイスショーになると思うので是非、足を運んでください。
取材・文・撮影/ごとうまき