【古田新太×早乙女太一×久保史緒里×いのうえひでのり会見レポート】古田新太、久保に"おとっつぁん"って呼んで。

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2023年劇団☆︎新感線43周年興行・秋公演 いのうえ歌舞伎『天號星(てんごうせい)』が11月1日(水)〜20日(月)COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール(大阪公演)にて上演される。中島かずき作の今作は、江戸の町で裏稼業に生きる人々の人情劇と奇想天外な“入れ替わり”の物語。主宰で演出の いのうえひでのり が、“池波正太郎風エッセンス”を加えて、これまでとは一味違った、“いのうえ歌舞伎”を展開させる。今回公演に先立ち、劇団☆︎新感線の看板俳優・古田新太、新感線には7回目の出演となる早乙女太一、乃木坂46の久保史緒里、いのうえひでのり の4名が取材会に出席。本公演の見どころや、意気込みを語ってもらった。古田新太 節が炸裂した爆笑取材会の様子をレポートしました。

古田新太×早乙女兄弟が織りなす本格バトル時代劇!

──本作の見どころについて教えてください。
いのうえ
劇団☆︎新感線としては、チャンバラが久方ぶりの見せ所になります。そして今回新感線にしては、池波正太郎テイストを織り交ぜたきちんとした時代劇となっています。そこに引導屋の主人・藤壺屋半兵衛(古田新太)と、彼の命を狙う殺し屋の宵闇銀次(早乙女太一)が入れ替わり、いわゆるSF的なストーリーが展開されます。また久保史緒里さんには、乃木坂46では歌ったことのないような楽曲も歌ってもらいます。今回はチャンバラがメインなので、歌はいつもよりも少なめの2〜3曲に。爽快感のある明るい芝居にしていきたいです。
──古田さんは台本を読まれたとき、どのような感想を持ちましたか?
古田
読みにくい台本だなって思いました(笑)。太一くん演じる宵闇銀次は手練れの殺し屋ですが、私が演じる半兵衛は殺し屋の元締めではあるものの、元大工。銀次が大工のおじさんと入れ替わったところで、まともに戦えないじゃないですか(笑)。で、私は俺で銀次と入れ替わったとしても、中身は大工のおじさんだから戦えないからどちらも弱くなる(笑)。立ち回りの際、無駄な動きが多くなるから、そこが身体的には結構しんどいですね。達人同士の立ち回りの方が無駄がなく楽なんですよ。前に太一とチャンバラやった時はここまでしんどくなかったもんな
早乙女
一昨日の稽古でも2人で汗だくになってやっていましたね。だけど、古田さんと一緒にさせていただける貴重な機会。とても楽しくさせていただいています。
──久保さんは劇団☆︎新感線に初参加とのこと。お話をいただいた時の心境は?
久保
劇団☆︎新感線の舞台は以前から観ていたので、とても嬉しくて、両親やメンバーに報告したらみんな喜んでくれました。私は引っ込み思案で人見知りなところがあるので、最初は不安な部分もありましたが、お稽古が始まると皆さんが温かく迎え入れてくださり、その不安はすぐに掻き消されました。今は座組の皆さんとの距離をもっと縮めたいと思っています。
──古田さん、新感線に初参加される久保さんに何かアドバイスされるとしたら?
 
古田
一緒に飲みに行きゃいいじゃん!(笑)。しーちゃん(久保史緒里)はまだそんなに稽古で一緒にならないけれど、ちーちゃん(山本千尋)とは稽古が一緒になることが多く、その分飲みに行けている。私の役はしーちゃんとちーちゃんの父親で、劇中では2人から“おとっつぁん”と呼ばれる役。しーちゃんも、ちーちゃんのように俺のこと”おとっつぁん”て呼べるように頑張って(笑)。
 
── 早くおとっつぁん”と呼ベるようになるために、久保さんから仕掛けるとしたら?
久保
少しずつ、乃木坂46のグッズをお渡ししようかと(笑)。山本さんと私、2人の顔写真入りのTシャツを作って、いつか古田さんに着てもらえたらと、山本さんとも話していました。それを着てライブに来ていただけたら……。
古田
すみません、私、BiSHのファンなんです。
 
久保
以前、BiSHのアイナさんのTシャツを着ていらしたのを見て、山本さんと2人でちょっとジェラシーを感じていました(笑)。いつか2人のTシャツを着てください!
──早乙女さんは『けむりの軍団』(2019年)以来、劇団☆︎新感線には4年ぶりに出演とのことですが、今回オファーいただいた時の心境は?また今回は、弟の早乙女友貴さんとも兄弟でご出演されますが、注目してもらいたい部分などは?
 
早乙女
お話をいただいた時はとても喜びましたし、何より古田さんとご一緒できることが嬉しかったです。僕は新感線に憧れ、殺陣を始めました。それこそ古田さんの映像を見て、練習して、それを弟に伝え、弟も新感線が好きに。なのでこうして僕たち2人が一緒に出演できるのは夢でした。僕から見ると、今の弟は年齢的にも立ち回りの動きが抜群に良い。きっと僕は年齢的に落ちていく一方なのかと(笑)。なので、今、兄弟としてはベストなタイミングで出ているのかもしれません。
 
──今回、早乙女兄弟との共演は初めてとのこと。古田さんから見た早乙女兄弟の印象は?
 
古田
2人が若い頃から知っているし、これまでにも新感線に出てくれている。俺との共演はそれぞれ一回ずつだけど、すごく楽しかったし、今回2人と一緒にやれるのも楽しみです。太一と友貴は似ているけれど、微妙にキャラが違っていて。それはそれで役者としては面白いよね。
 
──チャンバラについても教えてください。中でも注目してほしいポイントは?
 
早乙女
山本千尋さんが奮闘しています。中国武術を駆使した、アクロバティックで派手な立ち回りは必見です。
 
古田
太一と友貴の兄弟の殺し合いみたいなものも面白いはず。そこにおじさんが絡んでくるので、いろんなパターンのチャンバラが楽しめるんじゃないでしょうか。それぞれの戦い方のスタイルも違うし、後半になるにつれて、より盛り上がりを見せます。今回は殺し合い達の戦いだから、卑怯な手を使ったりもするし。そういった部分も見せ場。というか、見せ場はそこしかない(笑)。
 
──久保さんは巫女という役で、歌を歌うとのことですが、ご自身の役についてどう思っていますか?
 
久保
山本千尋さんとのシーンは愛情深い会話が繰り広げられたりするので、チャンバラなどの勢いとは違った速度の存在になれたらと思っています。癒しという役割を担えたら……。
 
 ──古田さんと早乙女さんにとって”チャンバラ”は、作品にどのような魅力をもたらせてくれますか?また2人の理想とするチャンバラや憧れの人は?
 
古田
私が最も愛するチャンバリストは近衛十四郎。もともと僕はチャンバラオタクで。昔はよくドラマ見て、チャンバラを真似していました。ドラマにおけるチャンバラとは”彩り”だと思っています。歌や踊りと同じカテゴリーなんですよね。
 
早乙女
僕は新感線をきっかけにチャンバラに興味を持ったので、やはり理想とする人は古田さんです。華やかさとストーリーが見える新感線独特の立ち回りの魅せ方があって。そこはすごく勉強しました。
 
 ──最後に、大阪公演に向けてメッセージをお願いします。
 
いのうえ
今回、新感線にしては久々にライブ感があり、客席を多用したステージとなっています。お客さんと演者の距離も近い舞台になるから、より楽しんでいけるかと思います。
 
古田
東京・新宿歌舞伎町の素敵な劇場で上演した後の大阪公演。私たちもこの舞台の面白さを知って、大阪に持ってきますので、大阪のお客さまはご安心して観ていただけるかと。
早乙女
新感線は本番が始まってからもどんどん進化していきます。作品がしっかりと温まった上で、僕たち大阪に乗り込んで参りますので、楽しみにしていてください!
 
久保
皆さんとの距離を縮めて、そして古田さんのことを”おとっつぁん”と呼べるようになった状態で大阪に来れるかと。また、個人的には、まだ一度もユニバに行ったことがないので、休演中に行ってみたいなとも思っています。大阪の皆さんに喜んでもらえるよう、パワーアップして来れるように頑張ります!
取材・文・撮影/ごとうまき