日韓大ヒット映画『SUNNY』が世界初の舞台化!ミュージカル初出演の馬場園梓「腹式呼吸を練習するため、変な壺を購入」

インタビュー

2011年に韓国で制作され大ヒットを遂げた映画『SUNNY』その後、アジア各地で現地の文化を取り入れたリメイク版映画やドラマが制作され、日本では2018年に『SUNNY 強い気持ち・強い愛』が公開された。この大ヒット映画『SUNNY』が世界で初めて舞台化!1980年代のバブル経済絶頂期の日本と現代を舞台に、学生時代と大人になった「SUNNY」のメンバーが繰り広げる笑いあり、涙ありの青春エンターテイメント。80年代にヒットしたJ-Popsとともに、淡い青春時代と、大人になりさまざまな事情を抱えた彼女たちの今が交錯する。大人になった「SUNNY」のメンバーには花總まり、瀬奈じゅん、小林綾子、馬場園梓、佐藤仁美が顔を揃える。またバブリーダンスで大注目となり、多方面で活躍中のakaneが振り付けを担当。今回、「SUNNY」のメンバー・桜を演じる馬場園梓が取材会に出席。ミュージカルに初出演となる彼女に意気込みや本作の見どころについて語ってもらった。

食いしん坊を活かせる時が来た!

── 初出演のミュージカル。オファーをもらった時の心境は?
馬場園
子どもの頃から生のミュージカルは観たことがなく、ずっと憧れていました。そんなミュージカルに、まさかお笑い芸人が出演できるなんて!オファーをいただいた時はめちゃくちゃ嬉しかったですね。私が演じる役は食いしん坊の役。私も3歳の頃からまん丸な体型で、食いしん坊なので、やっと活かせる時がきました!!
馬場園
まだキャストの皆さんとはお会いしておらず、間もなく稽古がスタートします。なにせ共演する方々が宝塚ご出身など、名だたる大女優ばかり。正直プレッシャーがすごくて……。とにかく足を引っ張らないように、頑張りたいです。

桜役に抜擢された理由は馬場園のビジュアルや雰囲気、歌の上手さとのこと。

腹式、ストレッチ、規則正しい生活を意識。

── 馬場園さんが演じる桜はどんな人ですか?
馬場園
桜はムードメーカーで情に厚い人。それでいて素直で裏表のない性格が素敵です。豪快なキャラクターで、友達思いで優しいところは私と似ています(笑)。そのため、感情移入できるところも沢山あるかと。芸人・馬場園梓として、ありのままで演じられる部分もあるのではないでしょうか。
──お稽古に向けて何かされていることは?
馬場園
共演者の皆さんは、声の出し方からして違うのだろうと思い、まずは基本の腹式呼吸からと意気込み、早速通販で壺を買って鍛えています。プラスチックの壺の口に口を当てて大きな声を出すのですが、全く外に響かない優れものなんですよ!
──ミュージカルは体力を使うと思います。腹式のトレーニング以外にされていることは?
馬場園
1ヶ月前からヒップアップ運動と柔軟体操は行っています。私、学生の頃から筋金入りの帰宅部で(笑)、運動もしたことがなく、体力づくりはきちんとして継続しようと。ストレッチ、シェイプアップ、ヒップアップを行っていますが、今のところヒップは上がらず、ふくらはぎだけがパンパン(笑)。

思いを言葉にし、ストレートに伝える。この作品の好きな部分です。

── 80年代に日本を席巻したヒット曲も沢山登場します。
馬場園
81年生まれの私にとって、80年代は特に思い入れがある年代です。私の母がカラオケスナックで働いていたこともあり、子どもの頃からテレサ・テンの曲を歌っていました。セットリストで現在公表されている曲は『SWEET MEMORIES』『センチメンタルジャーニー 』『ダンシング・ヒーロー』などですが、その他にも沢山の懐かしい歌が聴けます。様々なナンバーとともに、観てくださる方たちそれぞれの思い出や青春も蘇り、懐かしい気持ちになってもらえるのではないでしょうか。
──映画『SUNNY』はご覧になりましたか?また馬場園さんから見た作品の魅力は?
馬場園
映画『SUNNY』の韓国版も日本版も以前から観ていましたが、自身の映画ベスト5に入るほど好きな作品です。この作品の魅力は人間関係が潔く清々しい。自分の気持ちをきちんと言葉にしていますよね。それってすごく大切なことだと思うのです。それぞれが抱いている感情を真っ直ぐにぶつけ合い、時には喧嘩しながら絆を深めている。今はSNS主流の時代ですが、便利な一方で、陰湿なイジメがあったり、目に見えない人間関係での揉め事が多いですよね。自分の気持ちをきちんと言葉にすることが難しくなってきている現代だからこそ、この作品が響くのではないでしょうか。
──自分の思いをぶつけ合う人間関係……、馬場園さん自身のこれまでの経験とも重なるのでしょうか。
馬場園
子どもの頃、数人に囲まれて意地悪されたこともありました。幼稚園の頃に母が買ってくれた可愛いリボンをつけていくと、友達に取り囲まれ、嫌〜な口調で「おしゃれ〜」って言われ続けました。辛くて悲しくて、おじいちゃんに言ったら、床屋さんに連れていかれて、スポーツ刈りにされました(笑)。でも次の日から、幼稚園の友達からイジワルされなくなったんですよね。「おしゃれやね」って、本来の言い方に変わってるし。
馬場園
また、小学校の頃に、家のポストに酷い言葉で綴られた私への手紙が入っていたんですが、犯人は仲良しの友達。私がその子の好きな男の子と仲良くしていた事への嫉妬だったみたいです。意地悪をされた時も、おじいちゃんに相談しましたし、嫌がらせの手紙を書いてきた友達には直接会って話しました。彼女は泣き崩れて謝ってくれましたが。これまでいろんな嫌な経験もしてきましたが、きちんと向き合ったからこそ、強く生きてこれました。こうした自分の経験やその時の感情が『SUNNY』とも繋がっていて、よりこの作品に惹かれるのかもしれません。

お笑い芸人の舞台も大切にしながら、女優としても歩めたら

──初出演のミュージカル。これを機に今後は女優の道も突きつめていかれるのでしょうか?
馬場園
オファーがあれば、是非出させていただきたいです!コンビを組んでいた時は、相方(隅田美保)に申し訳ないと思いながら、ドラマなどの撮影に行っていました。だけど今は気兼ねなくできます。とはいえ、生のお笑いの舞台の快感を味わうとやめられません。お笑い芸人としての舞台もずっと大事にしていきたいです。
──最後にメッセージをお願いします。
馬場園
若い世代、私たちと同世代、親世代など老若男女楽しんでいただける作品となっています。また、私たちと同年代の方達はあの頃の青春が蘇り、ワクワクするのではないでしょうか。そして、今の時代では味わうことが少なくなった強い絆、濃くて深い人間模様も感じてもらえます。人間の持つ感情をストレートに出す、表現することは、どれだけ時代が変化してもなくしてはいけない大切な事だと思っています。皆さま、劇場でお待ちしています。

ミュージカル『SUNNY』概要

■脚本・演出:西田征史
■振付:akane
■出演:花總まり、瀬奈じゅん、小林綾子、馬場園梓、佐藤仁美/渡邉美穂、須藤茉麻/片桐 仁
川村咲季、横岡沙季、古沢朋恵、伊藤友惠、伊藤彩夏、池田晴香、
飯沼帆乃佳、菊田万琴、浅倉智尋、鈴樹志保、井阪郁巳、寺田彩乃
■公演日程:〔東京〕2023年6月26日(月)~7月5日(水) 東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
〔大阪〕2023年7月9日(日)~13日(木) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
■チケット料金:〔東京〕S席12,500円 A席8,000円 B席5,000円
〔大阪〕全席指定席12,500円
(全席指定・税込)
■一般発売開始:2023年4月22日(土)(東阪共通)
■ 問い合わせ :梅田芸術劇場(10:00~18:00)
〔東京〕0570-077-039 〔大阪〕06-6377-3888
■企画・制作・主催:梅田芸術劇場
■HP:https://www.umegei.com/sunny/
■Twitter:@SUNNY_umegei

取材・文・撮影/ごとうまき