【COME&GO カムアンドゴー】渡辺真起子さん×リム・カーワイ監督 大阪 舞台挨拶レポート

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映画『COME&GOカムアンドゴー』が12月3日(金)からテアトル梅田で公開、大阪公開記念として上映前に舞台挨拶が行われ、主演の渡辺真起子さん、リム・カーワイ監督が登壇した。大阪キタを舞台にした本作がロケ地となった中崎町から徒歩数分のテアトル梅田で上映されることも感慨深い。大阪公演初日、金曜の夜にも関わらず多くの観客が本上映に駆けつけた。舞台挨拶筆者の私マキが司会を担当し、二人に幾つかの質問をした

渡辺さんは年上好き?

ーー渡辺さん演じる佳子は日本人学校の先生をしていてそこで出会ったネパール人の男性モウサンと深い関係になりますが…
実際には渡辺さんはモウサンのような母性本能くすぐる年下の男性はどうですか?

渡辺さん
私は年下より年上派。今でも歳上が好きですよ!

リム監督
だったら僕には出番がないですね(笑)

渡辺さん
そうだね、ないね笑

冗談交じりの二人の掛け合いに会場が沸いた。ここからも二人のリスペクトし信頼しあう関係が垣間見られた。

あきんど 大阪人の印象

ーー東京ご出身の渡辺さん、大阪の人の印象は?

渡辺さん
デリケートな人が多いですよね。話のテンポは関西弁でうねりがあって出来上がっている。だけど私が今まで出会った方々は細やかでよく気がつきデリケートな方が多いなというイメージがあります。

即興演出の魅力

ーーリム監督の作品ではこれまでにも即興演出でのスタイルが用いられることが多く、今作も脚本のない演出だった。数多くの作品に出演され様々な監督の演出スタイルをご覧になった渡辺さんが思う即興演出の魅力とは?

渡辺さん
緊張感が高いところです。セリフを一言一句間違えないで正確に伝える作業はとても大切ですが、何が繰り出されるのか読めないので、物語を運んでいきたい方向を見誤りたくないんです。もちろん正解は監督の中にありますが・・・・。どれぐらいの飛距離でたどり着けるか、良い意味でのプレッシャーはありますね。画が強くなり表現が強くなります。

ーーそんな渡辺さんの演技について監督は?

リム監督
もう、素晴らしいですよ。渡辺さんのこれでの出演作も沢山見ましたが、映画によって演じるキャラも全く異なる。今回お願いして本当に良かった。出演して頂き感謝しています。

そんな二人は8~9年前に東京国際映画祭で知り合い飲みに行ったりする仲だという。リム監督はいつか自身の作品に渡辺さんに出演してもらおうと目論んでいた中での念願叶っての出演となった。

数年後は韓国で映画製作?!

ーーコロナ禍で長らく海外に行けていない状況ですがコロナが終息し自由に外国に“GO”できるようになれば行きたい国は?

渡辺さん
私はリム君の故郷のマレーシアに行きたいですね〜。マレーシアのお正月に食べる担々麺や餃子を食べたい!

リム監督
僕は韓国ですね。ここ数年韓国に行けてなく、コロナによってさらに行けなくなりました。

渡辺さん
リムくんがそこに行きたいってことは、そこで映画を撮るってことになりますよね?

リム監督
可能性はありますよね。よく分かっていますよね(笑)

リム監督の韓国を舞台にした映画がそんな遠くない未来に見れるかもしれない。リム監督の長編二作目となる『マジック&ロス(2010)』は韓国人の俳優のキム・コッピ、ヤン・イクチュンが出演し本作にもイ・グァンスが出演している。

観客に向けてのメッセージ

渡辺さん
本日はありがとうございました。ちょっと長い映画ですが、ゆっくりと、半分上の空でいるくらいがもしかしたら心地良いかもしれません。それでもきっと、心に残るものがあると思います。また今日も「ミニシアターパーク」(コロナ禍で疲弊した映画館に俳優の立場から映画に恩返しをしたいと、井浦新さん、斎藤工さんらと共に立ち上げた映画館を応援する活動)のTシャツを着てご来場くださった方々がいらっしゃることにも感激しております。
日本全国のミニシアターの名前を252人の俳優たちが呼びかけております。ささやかなYou Tubeの動画ですが、劇場の名前を思い出してくださればいいなと思っております。どうぞお楽しみください。

リム監督
(渡辺さんの言葉に対して)この映画は158分ですがら決して長くないですよ(笑)アジア9カ国の人々の話ですが実は7つの物語になるんです。1本の映画を観て7本の映画を見たことになるからめっちゃお得感あります。決して長くはないですね。これからもっと多くの人に見て頂いたら嬉しいし、沢山の人が興味を持ってくれるような作品です。その面白さをぜひ多くの人に拡散をして宣伝してくださいね!

いつもスクリーン越しで見ていた憧れの女優 渡辺真起子さんにインタビューすることになり少し緊張、いや、だいぶ興奮していた筆者。舞台挨拶が終わった後もしばらくその昂揚感からしばらく抜け出せずにいた。軽妙でユーモラスな語り口の渡辺さんから溢れ出す女優としての気高さと覚悟。そんな彼女の姿勢を身近で感じることができ渡辺さんのことがますます好きになった。
渡辺さん演じる佳子と千原せいじさん演じる富岡、二人の夫婦の掛け合いは爆笑すること間違いなしだ。

(C)cinemadrifters

『COME&GOカムアンドゴー』は全国拡大、絶賛上映中(詳しくはこちらhttps://www.reallylikefilms.com/come-go-theaters)。舞台挨拶が行われたテアトル梅田での上映期間は当初は12月3日〜12月16日までだったが、好評のため12月23日まで上映期間が延長された。
17日に公開された『マトリックス レザレクションズ』より尺が長いし、マーベル・スタジオが送り出すヒーローアクション大作『エターナルズ』156分と同じくらいだけど、本作は全く長く感じない。そこが魅力の一つでもある。それは7つの物語と14人の人生が詰まっているから。もしかして本作に描かれている誰かの人生があなたの人生と重なり合うかもしれない・・・。是非この目で確かめてみてほしい。

『COME&GOカムアンドゴー』公式サイト:カム・アンド・ゴー | Come & Go | reallylikefilms

取材・文/ごとうまき