大阪・兵庫・京都の緊急事態宣言が解除されました。週明けにも東京を始めとする残りの地域も解除される方向とのことでSTAY HOMEもあと少しの我慢です!今回は2018年に公開され、アカデミー賞・脚色賞を受賞した映画「君の名前で僕を呼んで」をご紹介します。
絵画のような美しいロケーションと青年の切ないラブストーリー
1980年代の北イタリアの避暑地を舞台に、17歳と24歳の青年のひと夏の切ない恋の物語。
現在、Amazon prime、FODで配信中
1983年夏、大学教授の父と母とともに北イタリアの避暑地にやってきた17歳の少年エリオは父が招いた24歳の大学院生のオリヴァーと出逢う、美青年オリヴァーは周りからもモテモテ、一緒に自転車で旅したり、楽器を奏でたり読書をしたり同じ時を過ごすうちにエリオも次第にオリヴァーに心惹かれていく。やがて二人は激しい恋に落ちるが夏は終わり別れの日がやってくる・・・
この作品は『アンドレ・アシマン』の同名小説を原作に、『日の名の残り』『眺めの良い部屋』のジェームス・アイボリーが脚本、ルカ・グァダニーノ監督がメガホンをとった。
主演は今大活躍中のティモシー・シャラメ、この作品は彼の大出世作でもある。今夏公開予定の「レイニデイ・イン・ニューヨーク」「わたしの若草物語」や2019年公開された「ビューティフルボーイ」「マイ・ビューティフル・デイズ」など数々の作品に出演、24歳のイケメン青年役には「ソーシャルネットワーク」「コードネーム U.N.C.L.E.」などのアーミー・ハマーが演じている。
北イタリアの美しい風景とそこに流れる音楽、川のせせらぎ、鳥の鳴き声、建築物やファッション、哲学、詩・・・全てにおいて美しい。
10代の少年少女が年上の人に恋をして大人になっていく姿を描いた物語は多くある。しかしこの物語は多くの大人たちが主人公に対して寛容で主人公を丁寧に繊細に扱っている。
例えば自分の息子がオリヴァーに恋をし、同性同士深い関係を持つことさえも温かく見守る両親、物語終盤の父親のエリオに話す言葉はこの物語の中で最も大切で伝えたいことだと思う。詩的でありながら、深く、今の私たちに語り掛けるような言葉の数々には感動する。
この作品はボーイズラブものなので特に男性はボーイズラブ作品は苦手な人も多く、どちらかというと女性のほうが好きかもしれない。だけど、内容は男女の恋愛とたいして変わらない。性別関係なく人を愛することや、叶わぬ恋の切なさ、人生における二度と戻ることのない青春の儚さを描いている。そしてなんといっても絵画のような美しい北イタリアの風景も魅力的。
子育て中の人(特にティーンエイジャーの子を持つ)にはエリオの両親の対応は大変参考になるかと思います。是非観てほしい作品です。
KANSAIPRESS編集部から
文/後藤麻希