2020高校野球甲子園大会、開催に向けて動き出す

アイキャッチ画像=2019年全国高等学校野球選手権大会より 保護者提供
News
5月20日に正式に高校野球の甲子園大会の中止が発表され、これをきっかけに全国で様々な呼びかけがありました。各都道府県の高野連も動き出しています。そして今回実際に行動した人々の力によって再び開催への気運が高まってきました。
そこにはかつて甲子園を夢見た人、青春を野球をはじめとしたスポーツなどに捧げてきた人や、実際に高校球児、部活を頑張っている子を持つ親たちの「なんとか開催させてほしい」といった強い想いと信念により同じような思いを持つ多くの人がこの活動に賛同しています。今回この活動を行っている『(仮称)2020年高校野球甲子園大会』発起人 代表の中崎洋一さんにお話を聞くことができました。
全ての高校生のために!2020高校野球甲子園大会 企画開催グループ
https://www.facebook.com/groups/677068926196538/?ref=share
まき
今回の全国高校野球選手権大会が中止になったことに対して、中崎さんの想いや伝えたいことなどをお聞かせください。
中崎さん
全国高校野球選手権大会中止発表の前日5月19日、高校球児を持つ父親のFacebook投稿を読みました。
投稿を読んだ時は「私に何ができるだろうか」と漠然と考えているだけでしたが、5月20日中止決定を知り、直感的に「これは野球だけの問題でなく、全ての高校生に関わること。すぐに動き始めなくては」とその日のうちに代替大会を想定したFacebookグループを作成、賛同メンバーの募集を始めました。
悔しい思いをしているのは野球部だけでなく、先に中止を発表された高校総体に関わる全ての部活の生徒です。甲子園代替大会に向け大人が行動を見せることで高校生が希望を持ち後に続けばと。さらには高校生自身が行動を起こし、自ら未来を作っていく。そのような真の主体性を持つ高校生こそが日本の未来に必要だと思っています。

 

開催を夢見て自主トレに励む九州福岡県の球児

まき
現在、facebookのグループ内のスレで何かできることはないかとメンバーで提案したり模索している状況ですが、進捗や手応えはどうですか?
中崎さん
第1フェーズ:賛同者を集める
第2フェーズ:計画案作成
第3フェーズ:計画案に基づき関係者との調整
第4フェーズ:日本高野連へ私たちの活動と代替案の伝達
第5フェーズ:各地方大会との日程調整、会場確保
第6フェーズ:開催に向けた手続き

今は第2フェーズですが、各都道府県大会の日程調査など一部は先行して行動を始めています。賛同メンバーは5月25日時点で550名を超え、Facebookグループ内の議論も活発になってきました。高校生も意見を述べるようになり嬉しく思っています。

 

2019年全国高等学校野球選手権大会より 保護者提供

 

まき
今回の日本高野連の判断に対してどのような思いをお持ちでしょうか?
中崎さん
本当に苦渋の決断だったと思います。どれだけ入念な対策をしてもゼロリスクはありません。緊急事態宣言中の開催可否の判断は、当時の過度な自粛ムードを考えると仕方なかったと私も思います。
しかし徐々に経済活動が再開され、状況も変わってまいりました。その中で私は仲間に呼びかけ、再び開催へという機運を高めたいと考えたのです。私たちの目標は野球において今年の頂点を決める舞台を用意すること。そして選手が堂々とプレーできる環境を作りたいと思います。

5月28日のNHKクローズアップ現代+で日本高野連の八田英二会長が「開催中止は痛恨の極み」「決断した限り球児に対する支援をしてあげたい」と話されていました。ぜひ、日本高野連に再考いただき、甲子園に準ずる大会を実現させたいと思っています。

 

まき
そうですね、苦渋の決断だったでしょう。一方で大会を夢見て一生懸命に頑張ってきた高校生やそのご家族にとっては絶望でしかない。ただこういったきっかけを大人が作ることによって、行動することの大切さ、絶望の中にも必ず光があることを感じてもらえるのではないでしょうか。

 

中崎さん

この活動は決して甲子園を特別視するものでなく、開催がゴールではありません。その取り組みプロセス自体が他の部活の希望となること。そして高校生自身が最後の戦いの場、努力の成果を披露する場を作ろうと声を上げ、行動して未来を自分たちで作ってほしいと願っています。

 

2019年全国高等学校野球選手権大会より 保護者提供

現段階の開催計画案

中崎さんが先ほども伝えていたが、目標は全国高校野球選手権大会に準ずる大会の開催である。日本高野連のご協力をいただくことを前提とするが、仮に協力を得られない場合でも有志を集め必ず最後の舞台を作る。そしてその先の目的は部活動やその他の活動に情熱を燃やす全ての生徒に「希望と勇気」を届けることである。

開催方法

土日祝のみ、短期間で大会を開催するには16校が最大だと判断、また秋の神宮大会を参考に、5府県以上の地区は2枠としている。

北海道 1 東京 1 四国(4県) 1
東北(6県) 2 東海(4県) 1 九州(8県) 2
北信越(5県) 2 近畿(6府県) 2
関東(8都県) 2 中国(5県) 2 16校

日程案

第一案(大会6日間+予備日3日)8/29、8/30、9/5、9/6、9/12、9/13

第二案(大会5日間+予備日2日)9/12、9/13、9/19、9/20、9/21

第三案(大会7日間+予備日3日)9/19、9/20、9/21、9/26、9/27、10/3、10/4

地方大会スケジュールを考慮して決定とのこと。

今後の動き

・開催スケジュールの調整及び決定

・甲子園球場の使用許可申請、日程調整

・適切な感染症対策を行い、8、9月の状況に合わせた柔軟な運営体制を作る

・審判、ボランティアスタッフの募集

・試合中継計画、準備

開催に向けての手続きについて

「(仮称)2020高校野球甲子園大会」参加を目指す高校は7月12日(日)18:00までに専用フォームより申請とのこと。

各都道府県高野連の代替大会の開催決定状況を踏まえて、6月5日頃を目処に改めて発表するとのことです。

全ての高校生のために!2020高校野球甲子園大会 企画開催グループ
https://www.facebook.com/groups/677068926196538/?ref=share

お問い合わせ先
実行委員会事務局

 

2019年全国高等学校野球選手権大会より 保護者提供

KANSAIPRESS編集部から

画像などはFacebookグループのメンバーの方からご提供いただきました。特にアイキャッチ画像の写真が好きです。球児たち試合に勝った後でしょうか、キラキラした清々しい笑顔、今年もこの笑顔が見たい。中崎さんが言った言葉「未来を自ら作る力」私たちはただじっと待っているだけではダメだってこと。自ら動くことによりチャンスや夢が掴める。子ども達にも伝わりますように。改めてまた状況をお伝えできたらと思います。

取材・文/ごとうまき