そこにはかつて甲子園を夢見た人、青春を野球をはじめとしたスポーツなどに捧げてきた人や、実際に高校球児、部活を頑張っている子を持つ親たちの「なんとか開催させてほしい」といった強い想いと信念により同じような思いを持つ多くの人がこの活動に賛同しています。今回この活動を行っている『(仮称)2020年高校野球甲子園大会』発起人 代表の中崎洋一さんにお話を聞くことができました。
悔しい思いをしているのは野球部だけでなく、先に中止を発表された高校総体に関わる全ての部活の生徒です。甲子園代替大会に向け大人が行動を見せることで高校生が希望を持ち後に続けばと。さらには高校生自身が行動を起こし、自ら未来を作っていく。そのような真の主体性を持つ高校生こそが日本の未来に必要だと思っています。
第2フェーズ:計画案作成
第3フェーズ:計画案に基づき関係者との調整
第4フェーズ:日本高野連へ私たちの活動と代替案の伝達
第5フェーズ:各地方大会との日程調整、会場確保
第6フェーズ:開催に向けた手続き
今は第2フェーズですが、各都道府県大会の日程調査など一部は先行して行動を始めています。賛同メンバーは5月25日時点で550名を超え、Facebookグループ内の議論も活発になってきました。高校生も意見を述べるようになり嬉しく思っています。
しかし徐々に経済活動が再開され、状況も変わってまいりました。その中で私は仲間に呼びかけ、再び開催へという機運を高めたいと考えたのです。私たちの目標は野球において今年の頂点を決める舞台を用意すること。そして選手が堂々とプレーできる環境を作りたいと思います。
5月28日のNHKクローズアップ現代+で日本高野連の八田英二会長が「開催中止は痛恨の極み」「決断した限り球児に対する支援をしてあげたい」と話されていました。ぜひ、日本高野連に再考いただき、甲子園に準ずる大会を実現させたいと思っています。
この活動は決して甲子園を特別視するものでなく、開催がゴールではありません。その取り組みプロセス自体が他の部活の希望となること。そして高校生自身が最後の戦いの場、努力の成果を披露する場を作ろうと声を上げ、行動して未来を自分たちで作ってほしいと願っています。
現段階の開催計画案
中崎さんが先ほども伝えていたが、目標は全国高校野球選手権大会に準ずる大会の開催である。日本高野連のご協力をいただくことを前提とするが、仮に協力を得られない場合でも有志を集め必ず最後の舞台を作る。そしてその先の目的は部活動やその他の活動に情熱を燃やす全ての生徒に「希望と勇気」を届けることである。
開催方法
土日祝のみ、短期間で大会を開催するには16校が最大だと判断、また秋の神宮大会を参考に、5府県以上の地区は2枠としている。
北海道 | 1 | 東京 | 1 | 四国(4県) | 1 |
東北(6県) | 2 | 東海(4県) | 1 | 九州(8県) | 2 |
北信越(5県) | 2 | 近畿(6府県) | 2 | ||
関東(8都県) | 2 | 中国(5県) | 2 | 計 | 16校 |
日程案
第一案(大会6日間+予備日3日)8/29、8/30、9/5、9/6、9/12、9/13
第二案(大会5日間+予備日2日)9/12、9/13、9/19、9/20、9/21
第三案(大会7日間+予備日3日)9/19、9/20、9/21、9/26、9/27、10/3、10/4
地方大会スケジュールを考慮して決定とのこと。
今後の動き
・開催スケジュールの調整及び決定
・甲子園球場の使用許可申請、日程調整
・適切な感染症対策を行い、8、9月の状況に合わせた柔軟な運営体制を作る
・審判、ボランティアスタッフの募集
・試合中継計画、準備
開催に向けての手続きについて
「(仮称)2020高校野球甲子園大会」参加を目指す高校は7月12日(日)18:00までに専用フォームより申請とのこと。
各都道府県高野連の代替大会の開催決定状況を踏まえて、6月5日頃を目処に改めて発表するとのことです。
KANSAIPRESS編集部から
画像などはFacebookグループのメンバーの方からご提供いただきました。特にアイキャッチ画像の写真が好きです。球児たち試合に勝った後でしょうか、キラキラした清々しい笑顔、今年もこの笑顔が見たい。中崎さんが言った言葉「未来を自ら作る力」私たちはただじっと待っているだけではダメだってこと。自ら動くことによりチャンスや夢が掴める。子ども達にも伝わりますように。改めてまた状況をお伝えできたらと思います。
取材・文/ごとうまき