【ハイヒールインタビュー】「本音」でぶつかり続けた30年。二人が語る、番組への愛

お笑い

毎週金曜深夜、関西の夜を賑わせてきた『真夜中市場+〜ハイヒールの本音でイイすぎます〜』が、2026年2月で放送30周年を迎えます。放送開始は1996年2月2日。台本もリハーサルもない「本音」のスタイルを貫き、消費者の代弁者として走り続けてきたハイヒールのリンゴさん、モモコさんに、これまでの歩みと番組への思いをたっぷりと語っていただきました

「本音」が動かしたメーカーの心。伝説の“泣きながら帰った”ゲストとは?

――30周年おめでとうございます!まずは、これまでの放送の中で特に印象に残っているエピソードを教えてください。

モモコ
印象に残っている人と言えば、やっぱり「通販の神様」と呼ばれているベガス味岡さんかな。あの方、番組の初期に来られた時に、私らにボロカス言われて泣きながら帰りはったんですよ。

リンゴ
(笑)。そうそう、「360度回転する歯ブラシ」を紹介しに来はった時やね。「そんなん売れるかな?自信ないわ」って正直に言うたんですよ。

モモコ
 そしたら、あの方はそれをバネにして頑張りはって、後にご自身の本の中で「初めてあんなこと言われて悔しかった、それをバネにした」って書いてくださったんです。今では笑い話ですけど、当時は私たちも必死でしたから。

リンゴ
 忖度なしでやるっていうのが、この番組の命ですからね。でも、そうやって本音でぶつかることで、メーカーさんも「もっと良いものを作ろう」と思ってくださる。私たちが「パットがチャチや」とか「容器が使いにくい」とか言ったことがきっかけで、実際に商品が改良された例もたくさんあるんです。

時代とともに進化する「成分」と「目線」

――30年の中で、扱う商品や視聴者の反応に変化はありましたか?

リンゴ
 全然違いますね。昔は化粧品と言えば「保湿」っていうザックリした言い方で通用しましたけど、今は「NMN」や「プロテオグリカン」といった特化した成分を、皆さんよく勉強されています。

モモコ
 ほんまに。今は情報の時代やから、インスタとかでみんな調べてはるんですよ。だから私たちも勉強しないとアカン。新しい情報をどんどん取り入れて、それをどう分かりやすく伝えるか。60歳を過ぎてからカタカナの成分名を覚えるのは大変ですけど(笑)、そこはプロとして向き合っています。

リンゴ
 売れる商品っていうのは、やっぱり今の時代に合っていて、視聴者が「今これが欲しい」と思っているもの。売れ行きや欠品状況などのデータも毎回いただきますが、視聴者が何を求めているかを探るのは、スタッフも私たちもやりがいがあります。

モモコ
 以前、知らない方に「餃子と焼売の売上で、ビルが建ったんです」って言われたことがあって(笑)。そんなに儲かってたん!?ってびっくりしましたけど、それだけ番組の影響力があるんやなと実感しました。

「生活のすべてが真夜中市場」――私たちが一番のヘビーユーザー

――お二人は、プライベートでも番組の商品を使われているそうですね。

モモコ
 私の家の中は、『真夜中市場』の商品だらけですよ!実際に手に取って、自分で納得して買っています。「失敗してもいい」と思える値段っていうのは通販の良さやと思うし、その上で「こう使ったらいい」「これができる」というのを番組で伝えています。

リンゴ
大阪の方は気さくやから、街中で「ほんまに使ってるんか見せて」って言われることもあるんです。だから堂々と見せられるように、カバンの中も番組の商品が多いですね。

モモコ
ほぼすべてのものを使い倒しています。たまにお揃いになって、現場で「恥ずかしいな」ってなることもあるくらい(笑)。

リンゴ
最近は、私らの年齢に合うものを自分たちでプロデュースすることも始めています。例えば、私が持っているピンクのバッグ。急なお通夜の時でも、裏返せば黒いバッグとして使える「一度で二度おいしい」デザインにしました。本気で打ち合わせに参加しているから、「あれ、私これのプロデュース料もらってたっけ?」って思うくらい熱が入ります(笑)。

 他の通販番組は「ライバル」ではなく「仲間」

――最近は他にも多くの通販番組がありますが、意識されることはありますか?

モモコ
 「夢グループ」さんとか、気になりますよね(笑)。でも、敵視しているわけじゃないんです。私自身が通販大好きやから、他の番組もチェックしますし、「あっちでやってたあの商品、もっと安く探してきて」ってプロデューサーに言ったりもします。

リンゴ
 今はネットで何でも買える時代ですけど、やっぱり「ハイヒールが本音で言うてるから」と信頼して買ってくださる方がいる。その信頼に応えるために、お家で会話するような感覚で伝えていきたいですね。

モモコ
主婦の皆さんは忙しいし、なかなか買い物に行けない方も多い。私たちが皆さんの目になって、しっかり商品を吟味して伝えていきます。これからの『真夜中市場』も、どうぞよろしくお願いします!

【編集後記】
取材中も、終始漫才のような掛け合いで会場を沸かせてくれたハイヒールのお二人。30年という長い年月を支えてきたのは、二人の仲の良さと、何よりも視聴者に対する「嘘をつかない」という誠実さなのだと感じました。深夜に響く二人の「本音」は、これからも私たちの買い物を楽しく、そして豊かなものにしてくれるはずです。

取材・文・撮影:ごとうまき