ミュージカル界にまた新たな風が吹いた。韓国のウェブコミック・WEBTOON(ウェブ トゥーン)で大ヒットした漫画を初めて舞台化した新作ミュージカル『ミセン』が、2025年1月14日(火)まで大阪・新歌舞伎座にて上演中だ。その後も、2月1日(土)〜2日(日)愛知公演、2月6日(木)〜11日(火・祝)東京公演が予定されており、多くの観客を魅了することだろう。
コミック版は累計300万部を突破。ドラマ化されるや否やドラマ賞を総なめし、韓国では“ミセンシンドローム”という社会現象まで巻き起こした。
囲碁とサラリーマンをテーマに、社会や人生における葛藤や困難を乗り越え、自ら人生を選んで生きる、というメッセージが込められた本作は、多くの人々の共感を呼び、日本でもリメイクドラマが放送された。
物語はプロ囲碁棋士になれなかったチャン・グレが、後援者の紹介で大手貿易商社にインターンシップとして入社。熾烈な試験を勝ち抜き入社した同期たちとの絆や、登場人物それぞれの葛藤と成長が描かれている。
さらに物語の背景には、学歴社会やいまだ根強く残る男尊女卑思想、子育てと仕事との両立の難しさ……などといった韓国の社会問題も随所に織り交ぜながらの、観客を引き込むリアリティが魅力となっている。
前田公輝
「ミセン(未生)」とは、韓国の囲碁用語で「生きるか死ぬか、どちらに転ぶかわからない弱い石」という意味を持つ。しかし、完全に使えなくなった石とは異なり、勝負の進め方次第で「ワンセン(完生)」になる可能性を秘めている。
主演のチャン・グレを演じる前田公輝をはじめ、橋本じゅん、清水くるみ、内海啓貴、糸川耀士郎、中井智彦、あべこうじ、東山光明、石川禅、安蘭けい など、出演者も実力派揃い。
骨太な脚本とスマートな演出、スタイリッシュで革新的な舞台美術にも目が離せない。
そしてなんといっても、物語とともに奏でられる音楽によって、より心が大きく揺さぶられる。
特筆すべき点として、歌詞に大切なメッセージ、名言が散りばめられている。
「♪人生未完成でも、一手ずつ一手ずつ勝負しよう、ミセンからワンセンまで── ♪」
そう、私たち一人ひとりがミセンであり、未完成でも可能性に満ちた存在である。そしてワンセンに向かって、それぞれの人生を一手一手進めていこう!という、優しく温かなメッセージが伝わってくる。働くことの意味を問いかけ、生きる希望と勇気を与えてくれる作品だ。
左から:清水くるみ/前田公輝/内海啓貴/糸川耀士郎
左から:あべこうじ/前田公輝/橋本じゅん
公演概要・チケット
新作ミュージカル『ミセン』大阪・新歌舞伎座公演 |
公演期間 |
2025年1月10日(金)~1月14日(火) |
料金 |
(税込)
S席(1・2階中央) 14,000円
A席(2階左右) 13,000円
B席(3階) 9,000円
特別席 15,000円 |
※大阪公演は明日1月14日(火)まで。当日券は10:00より劇場チケット売場で販売
※2月1日(土)~2日(日)愛知・愛知県芸術劇場大ホール、2月6日(木)~11日(火祝)東京・めぐろパーシモンホール 大ホールにて上演。
本日大阪にて開幕!新作ミュージカル『ミセン』【主演:前田公輝】
撮影:河上 良
取材・文:ごとうまき