【岡本幸太インタビュー】一つ一つのステージ、心を込めて精一杯歌っていく

アーティスト

“歌謡ポップスの新星″とのキャッチフレーズで2023年4月5日に「あなたに哀愁」でデビューした広島県出身の35歳、岡本幸太。20歳で歌手を目指して上京し、第一興商DAMで初代「DAM☆ともマスコット」や、これまでにカラオケDAMのガイドボーカル(約200曲)やバックコーラス(約3,000曲)を担当。2016年には第32回日本大衆音楽祭にてグランプリにあたる内閣総理大臣賞を受賞するなど、幅広い経験と確かな歌唱力で聴衆を魅了させる。そんな岡本幸太にインタビュー。デビュー曲「あなたに哀愁」やカップリング曲「たそがれシネマ」のほか、猫に囲まれた私生活や、その人柄についても紐解いていく。

親交のある作家陣たちの渾身の曲。

── 今作を手掛けられた作家の先生方とは以前から交流があるとのことですね。

岡本
“歌謡曲シンガーとして歌える曲を”というコンセプトのもと、作家の先生方に作っていただきました。たきのえいじ先生、アレンジの若草恵先生とは、歌の大会やコンテストに出場していた時に知り合い、可愛がっていただいています。同じ徳間ジャパンコミュニケーションズ所属で、作曲家の向井浩二先生には、以前から歌を習っています。3人の先生方にお力を貸していただき、素晴らしい楽曲が出来上がりました。

──「あなたに哀愁」を初めて聴いた時、どのような印象を受けましたか?

岡本
勢いもあって、艶っぽさや大人っぽさもある曲だと思いました。この曲は、今の僕の年齢だからこそ歌える曲。等身大で歌っています。実はこの曲は、今とは全く違う歌詞だったんですよ。ちょっと悲しい楽曲で。そこからブラッシュアップして、直球型求愛ソングに昇華しました。

──メロディーに関してはいかがですか?岡本さんの声は爽やかでいて、色気がありますよね。

岡本
嬉しいです!昔から色気のある歌手が好きで憧れています。例えば沢田研二さんなど。今作は歌謡ポップス、昭和歌謡をイメージして作ってもらいました。サビもキャッチーで、耳に残るメロディーが印象的です。サビまでは艶っぽさを意識して、サビから大胆に、力強く歌っています。

 

「たそがれシネマ」は歌詞が自分の思いとオーバーラップ

──「たそがれシネマ」はどのような曲ですか。

岡本
沢山歩んできた人生を振り返って、ふとあの人に会いたいという思いを描いた曲。はじめ聴いた時の印象も素敵な曲でしたが、詞を読めば読むほど楽曲の素晴らしさが感じられます。

── この曲の詞も素晴らしいですよね。

岡本
僕はアマチュア時代にカラオケ大会やコンテストに沢山出場してきましたが、こういった場に出場されている方は僕より上、なんなら両親よりも上の世代が多くて。そんな方達と出会って、歌で繋がり、固い絆も生まれました。年は離れているけど仲間なんです。だけど年齢が離れているからこそ、別れは避けられなくて……。コロナ禍に入ってからはもちろんのこと、最近ではそれ以外でも亡くなられたという話を聞くことも多く、とても悲しく、寂しい気持ちになります。“みんなみんな どこ行った”“もしももしもが叶うならあなたにも一度逢いたくて…”。

── 岡本さん自身とも重なる。この歌が代弁してくれていますね。

岡本
この詞も刺さりますね。たきの先生は僕の思いを知っているかのように詞を書いてくださいました。みんな僕のことを応援してくださっていたんです。「デビューしたらCD持っておいでよ」って、カラオケ喫茶のマスターやママなど言ってくださっていたのに、デビューの報告をできずにお別れしてしまった人もいる……。天国にいるあの人達に届けばいいなと、心を込めて歌っています。

高校時代は週5でカラオケ!

── ところで歌手を目指されたのはいつからですか?

岡本
20歳になる前ぐらいからです。カラオケがとにかく好きで、高校生の時は学校終わりに週5日カラオケに通っていました。高校では帰宅部だったんですが、カラオケが部活みたいなものですよね(笑)。クラスメイトと5人くらいで連れ添って入店して、その後それぞれ個室に入るんです。お店の人からしたら不思議な光景だったでしょうね(笑)。

── 1人カラオケが流行る前から時代を先取りしていたんですね!ちなみにどんな曲をよく歌っていましたか?

岡本
安全地帯さん、浜田省吾さんの曲を歌っていました。初めて買ったCDはCHEMISTRYさんの曲で毎回曲が出るたびに買っていました。僕がカラオケに通い詰めていた頃は、オンラインカラオケの採点ゲームが始まった時で、友達と採点ゲームにハマっていました。曲ごとに順位が出るのですが、その順位を仲間達と競う。こういった経験も今の自分を作ってくれています。

──その後、カラオケ大会に出会った。

岡本
18歳の頃、広島のカラオケ大会に初めて出場しました。当時、思うように力を発揮できなくて悔しい結果に終わってしまったんです。そこからもっと、きちんと歌いたい!勝ちたい!!といった思いが生まれ、カラオケ大会に沢山出場するようになりました。カラオケ大会には10年余り出場していますが、毎週土日がカラオケ大会で埋まってしまうくらいの月もありましたね。

── 高校卒業後は歌手を目指して上京。家族も応援してくれていたんですね。

岡本
僕の叔母がミュージシャンをしていたこともあって、ある程度理解はしてくれていましたが、音楽一本で食べていくことの大変さも知っているので、僕が歌手になることに対して積極的に応援する感じでもありませんでした。僕は幼少期はおとなしいタイプだったので、今こうして歌手になっていることを知らない同級生達が聞くと、驚くことでしょうね。

── これまでに第一興商DAM初代「DAM︎☆ともマスコット」や、アニメソングを担当するなど、いろんな経験を積まれていますが、この経験が岡本さんの強みになっていますよね。

岡本
ガイドボーカルのオーディションで1曲採用されたことを機に、そこからガイドボーカルの仕事をするように。少しずつ曲が増えて、気づけば3000曲のバックコーラスを担当させてもらいました。これまで幅広いジャンルの楽曲を歌わせていただきましたが、どんな歌であれメッセージが込められているので、その歌をしっかりと届けることが大切だと思っています。アニメソングを歌っていた時は、歌に振り付けがあることが多くて、ステージで踊った時に観客の皆さんも一緒に踊ってくださるのが嬉しかったです。あの一体感にはとても感動しましたね。「あなたに哀愁」も、サビの部分に振り付けが付いているので、皆さんと一緒に踊れると嬉しいです。

岡本幸太は5人家族!?

── プライベートについてもお聞きします。趣味がお料理とのこと、上京して1人暮らしが長いからよくお料理されるのでしょうか?

岡本
器用ではないのでレシピを見ながら作る事が多いのですが、料理は好きですね。その時間は無心になれるので。ちなみに僕は1人暮らしではないんです。うちには猫が4匹いるので、5人暮らしみたいなものなんですよ(笑)。困っている子猫を見ると放っておけなくて……、はじめは里親が見つかるまでの期間だけ預かろうと、家に連れて帰るのですが、気づけばそのまま飼っている。そして、いつの間にか1匹から4匹になってしまいました(笑)。

── 4匹も飼っていたら世話など大変じゃないですか?

岡本
1匹よりも2匹以上いた方が、猫たちが勝手に遊んでくれるので楽ですよ。基本あの子達は寝ていることも多く手間がかからないし、存在そのものに癒されてます。なんなら僕は、猫に飼われている立場かもしれません(笑)。

今後の目標や野望

──今後、どのような歌手になっていきたいですか?

岡本
まずは自身のオリジナル曲を増やして、ワンマンライブを開催することが直近の目標です。そして自身のこれまでの経験を活かして、アニメから歌謡曲など、ジャンルや世代の垣根を超えて、幅広く活躍できる歌手になりたいです。

──最後にメッセージを!

岡本
4月にデビューしてから、テレビやラジオ、取材などを通して、僕の名前や「あなたに哀愁」「たそがれシネマ」を知ってもらえる機会が増えました。キャンペーンなどでも声をかけてもらえることもあり、嬉しいですね。一つ一つのステージを精一杯歌って、これからもっともっと僕の名前を知ってもらえるように研鑽しますので、応援してもらえると嬉しいです!!

岡本幸太 | 徳間ジャパン (tkma.co.jp)

インタビュー・文・撮影/ごとうまき