【青山新ロングインタビュー】「女のはじまり」で魅せる新たな世界観!葛藤した修行時代も回顧。

アーティスト

“演歌第七世代”を代表する1人で、今をときめく青山新が、2月8日に4枚目のシングル「女のはじまり」をリリースした。今回“おんな歌”に初挑戦し、これまでの哀愁演歌から、ブルース調の歌謡曲を歌う青山新にインタビュー。新曲のことからデビューするまでのこと、さらにはプライベートについて幅広く語ってもらった。

この曲は絶対に歌いたい!素晴らしい曲に巡り合えました。

——4作目で、初めてのおんな歌に挑戦された青山さん、この曲を初めて聴かれた時の心境は?

青山
絶対に歌いたい!!と思いました。ど演歌というよりも、ムード歌謡の雰囲気がある3連のおんな歌は元々大好きで、先輩の八代亜紀さんや青江三奈さんのような雰囲気のある楽曲をいただき、嬉しかったですね。この曲の一番の聴きどころでもある“やめてやめてやめてよ 倖せよりも”の部分、最初は水森先生のデモテープで聴きましたが、素敵なフレーズでずっと頭から離れませんでした。

——歌詞もストレート、一途で切ない女心が描かれていますね。

青山
この歌を果たして僕はどのように表現すべきかと考えた時に、思い切って主人公の心情に寄り添いました。自分の中で想像し感情込めて歌ってみたら、意外と重さや、くどさがないと言っていただいたんです。きっと、子どもの頃から沢山おんな歌を聴いてきたこともあって、もともと女性の気持ちもイメージしやすかったのかもしれませんね。思い切って、むしろ大袈裟な感じで気持ちを込めて歌っています。

——今回のおんな歌を歌うことになったきっかけは?

青山
以前、歌番組で西田佐知子さんの 『女の意地』をカバーさせていただいたんですが、その際、西田さんよりもより重さを出して歌ったんです。その放送を水森先生がご覧になって、青山はこういったおんな歌もいいのではないかと、今回の歌を出すことになったんです。

——発売されていろんなところで歌われていますが、手応えは感じていますか?

青山
まだ手応えらしい手応えは感じていません(笑)。ただ周りからは、“いい意味で裏切られた”とか、“驚いた”といった声をいただいているので、そこでは手応えを感じていますね。というのも、驚きや意外性を感じてもらうのも僕の中では一つの狙い。曲を聴いた人がそれぞれ歌に思いを巡らせてもらえることは嬉しいことです。

——レコーディングはいつもより苦戦されたとのことですが。

青山
レコーディングの前にも水森先生にレッスンをしていただくのですが、いざレコーディングとなると、歌い方や聴こえ方が変わってくるので、レッスンでOKだった部分が要求されたりしました。例えば、強弱や表現の部分も意識しましたね。“ああ 女の 女のはじまり”の部分はより表現を大きく、“やめてやめてやめてよ 倖せよりも”の部分は歌い回しを変えて工夫しました。いつもより苦戦しました。この曲は、サラリと歌えるような曲でもあるのですが、聴けば聴くほど良いものにしたいといった欲が出てくるんです。やりすぎても重くなってしまいます。その加減が難しいですね。時間をかけてこの曲をさらに良くしていきたいし、今後はおんな歌シリーズの第二弾、第三弾と出していけたらいいな、なんて思っています。

ロングトーンを活かした股旅のメロディー「どうにもならない恋だもの」

——カップリング曲「どうにもならない恋だもの」はどんな曲ですか?

青山
どうせ叶わない恋なら思い切ってアタックしちゃえ!といった開き直った歌です。そしてラストのフレーズは聴く人、歌う人の解釈に委ねられる。果たして、最後はこの恋は実ったのだろうか?と皆さんに問いかけたい。演歌って正解がないからこそ魅力的なんですよね。

——「女のはじまり」とはガラリと雰囲気が変わり、軽快で明るい曲ですよね。

青山
それぞれ歌い方もガラリと変えているので、どちらの曲も青山新の持ち味が対極的に現れている作品ではないでしょうか。「女のはじまり」は、水森先生の歌唱法の一つでもある母音のみが使われています。一方で「どうにもならない恋だもの」は、股旅演歌なので、僕の独特な小節を多用しています。特に、詞の中の“恋なのに”、“したくって”の部分はロングトーンが要求される。14歳の時から水森先生に教えていただいている発声練習のロングトーンを最大限に活かせた曲ではないかと自負しています。ディレクターさんや先生の要求にもすんなりお応えできたのではないでしょうか。

ファーストコンサートでは感激のあまりオープニングで涙腺が緩む

——そして4月2日には日本橋三井ホールで、デビューしてから3度目のソロコンサート「青山新コンサート2023〜飛翔〜」が開催されますね。昨年5月も同じ場所でファーストコンサートを開催されましたが、楽しみですね。

青山
昨年5月のファーストコンサートでは、ステージに立つまでは緊張と不安が入り混じっていましたが、いざステージに立つと緊張している場合じゃないぞという不思議な心境に。オープニングではファンの皆さんの顔を見た瞬間涙が溢れそうになり、エンディングでは感情が爆発して号泣でした。本当に楽しいステージで終わった後の高揚感、達成感は格別でしたね。自分の中でもステップアップできましたし、ファンの皆さま、スタッフの皆さまへの感謝の気持ちがより強くなりました。4月2日のコンサートも皆さんと一緒に楽しみたいですね。

 

青春時代を歌に捧げた日々、先生の思いに応えられない自分に悔しさが…

——水森英夫先生の元で14歳から5年余りレッスンを受けてきた青山さん、どんな日々でしたか?

青山
あっという間の5年間でした。当時は理想とするパフォーマンスに全く追いつけない自分に対し、葛藤や苦悩もありました。自分には向いていないのではないか、このまま続けてもいいのかな、という不安があり自信が無かった。その度に先輩方に相談、“先生が認めてくださりレッスンをつけてもらっている以上、先生を信じるべき”“向いていなかったらレッスンしてもらっていないよ”という温かい言葉をかけてもらい、その言葉に支えられました。自分を信じることができなかったのが当時の僕の弱さだったのかもしれません。いざデビューしてしまえば、もっと先生にレッスンをして貰えば良かったと思っています。

ーー苦悩や葛藤があった修行時代、当時まだ高校生ですよね。

青山
周りが大学に進学していくタイミング、僕は歌の道に進もうと心に決めていましたが、それでもどこか1人取り残されたような孤独感や焦燥感もありましたね。それでも絶対にやり抜くという信念があったのかもしれません。

——その信念、青山さんを奮い立たせていたものは何でしょうね。

青山
僕は男3人兄弟の末っ子なんで、負けず嫌いなんですよ(笑)。年齢も近いので子どもの頃は些細なことで喧嘩ばかりしていました(笑)。あと、10年間サッカーをしていた影響も大きいのかもしれません。ネガティブな性格ではありますが、どこかで“負けてたまるか!”という気持ちはあります。

弟子入りして8年、一番の味方であって、一番怖い人

——水森先生は青山さんにとってどんな存在ですか?

青山
僕の一番の味方であって、世界で一番怖い人です(笑)。性格は穏やかですが、歌のことになると厳しい先生で、弟子入りして8年、大変尊敬している方だからこそ、今でも先生のお宅にお邪魔したりご一緒させて頂いても落ち着かずに緊張している自分がいます。

プライベートではゴルフに夢中!

——最近はゴルフを始められたとか。

青山
ショートコースは何度も周りましたが、本コースデビューはこれから。昨年の8月に始めたんですが、ゴルフへの熱が冷めるどころか、練習すればするほど楽しくなってきています。この先50年は楽しめそうなので、まずは10年後の自分に期待(笑)、暖かくなってきたら事務所のスタッフの皆さんと一緒にコースを周りたいです。地元の千葉にも良いゴルフ場が沢山あるみたいだし、いろいろ行ってみたいです。あと、今年の目標はジムに通って筋トレをすること。「女のはじまり」に合わせて何かを始めようと、キャンペーンのステージで腕立て伏せをして、皆さまに盛り上げてもらっています。身体を鍛えて大きくして、スーツをピシッと着こなせるように、頑張ります!

幸運が重なりデビューできた。胸を張って歩んでいきたい。

テイチクエンタテイメント創立85周年・芸映創立60周年記念アーティストとして2020年2月5日にデビューして今年で3年。改めてこの3年を振り返ってもらった。

——大看板を背負ってのデビュー、当時はプレッシャーもあったのでは?

青山
もちろんありましたよ。ただ、看板が一つ付くだけでも有難いのに、二つも付けて頂けるなんて光栄ですよ。今では誇りに思っています。そう言った意味では、僕はとても運が良いんです。これまでの人生を振り返っても運に恵まれているとしみじみと感じます。幸運が重なり、こうしてデビューできました。今後も胸を張って、看板の名に恥じないように活動していきたいです。

——応援してくださる皆さまへメッセージを!

青山
皆さまの熱い応援のおかげで今年でデビュー4年目を迎えることができました。今年は「女のはじまり」というインパクト抜群な楽曲をいただき、青山新の新たな世界観をお届けできるのではないかと楽しみにしています。全国の皆さまに聴いていただけるように頑張りますね!

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青山 新 / TEICHIKU RECORDS

インタビュー・文・撮影/ごとうまき