カラオケ界のレジェンド・佐々木麻衣がデビュー1周年「歌に深みが出るようになった」

インタビュー
小学6年生の時から「THE カラオケ★バトル」(テレビ東京系列)に何度も出場し、5回優勝するなど、歌うま“U-18”四天王の1人・佐々木麻衣が2023年に「約束岬」でデビューを果たした。今年9月にデビュー2年目を迎えた彼女にインタビューを実施。デビュー曲についてや、プライベートに至るまでたっぷりと語っていただきました。
── 2023年9月に「約束岬」でデビューして1年が経ちました。今の心境を教えてください。
佐々木
“自分の歌を歌う”という自覚が生まれました。それまでは先輩方のカバー曲を歌うことが多かったので。オリジナル曲をお届けし、皆さまも歌ってくださっているのでとっても嬉しいです。ライブやイベントでも“約束”のポーズを皆さん一緒にしてくださるので、一体感が生まれます。
──デビュー時から変化したことはありますか?
佐々木
最初は緊張して肩に力が入っていたように思いますが、いまは力を抜いて、お客さま一人一人の顔を見て歌えるようになりました!最初は低音が出なかったのが、今は出るようになったのも大きな変化です。歌に深みが出るようになったと思います。
── MVについても教えてください。
佐々木
2023年7月に、東京で撮りました。本当は海で撮りたかったのですが、ちょうど熱中症警戒アラートが発表されている時季で行けませんでした。猛暑の中、着物着て汗だくで臨んだことはとても印象的です。キャンペーンなどで全国を回る中で、海の広大さや美しさを再認識し、その経験や思いが歌にも反映されるようになりました。

── ジャケット写真の振袖が印象的ですが、普段はドレスやワンピースで歌われることが多いのですね。
佐々木
まだ自分で着物を着ることができず、練習中で……。着付けって難しいですよね。
── この曲を歌うときのポイントは?
佐々木
キーが高いので、歌いにくいと言う方もおられますが、そこは潔くキーを下げ、素直に歌うのがポイントです。レコーディング時、作曲家の先生に「なるべく素直に、等身大の自分で歌ってほしい」というアドバイスをいただいたので、そこは意識しています。感情も敢えて込めずに、淡々と歌うようにしています。

「二人でお酒を」は100点を採れるお手本のような歌い方

── カップリング「二人でお酒を」についても教えてください。こちらは梓みちよさんのカバー曲ですね。
佐々木
「THE カラオケ★バトル」に出演していた際に100点を採った思い出の曲です。平尾昌晃先生に歌を習っていたので、先生が作曲した歌を収録させていただきました。「約束岬」では初々しく、「二人でお酒を」では大人っぽくを意識して歌っています。ポイントは100点を採れるようなお手本のような歌い方で収録しました。なので、イベントやライブで歌うと「CDとは違うね」と言っていただけることが多いんですよ。
── ちなみに、お酒はお好きですか?
佐々木
全然飲めないんですよ(笑)。真っ赤になって寝てしまう。もし誰かと二人でお酒を飲むとしたら……、母ですね(笑)。
── お母さまの影響で幼い頃から昭和歌謡を歌うように。佐々木さんにとってお母さまの存在は大きいですね。
佐々木
母が演歌・歌謡を聴いていなかったら歌うことはなかったと思います。物心ついた頃から「森雄二とサザンクロス」を聴いていて、2歳ぐらいからステージに立っていました。当時から錦野旦さんの「空に太陽がある限り」や桂銀淑さん浜圭介さんの「北空港」を歌っていました。小さい頃は母に歌を教えてもらっていましたがとても厳格な人で……、そのお陰で根性が鍛えられたと思っています。
── 歌手になられたのは必然ですね。プロになって初めて大阪にいらっしゃったとのこと。大阪の印象は?
佐々木
子どもの頃からずっと描いていた夢だったので、形になって良かったです。12歳で初めて「THE カラオケ★バトル」に出場し、その時に1度だけコンサートで大阪に来ましたが、プロになって初めて大阪を満喫できています!大阪の方って温かいですよね。距離感が近い人が多いと思いきや、適度な距離感を保って接してくださる。もっと近くてもいいのに、と思ったくらいです(笑)。

歌うのではなく“合わせにいく”

──カラオケの採点で100点採れる曲を100曲以上お持ちとのこと。凄いことですよね、なかなかそんな人いないですから。
佐々木
最初は100点が採れず、苦しい時期を過ごしたこともあります。番組では5回優勝させていただきましたが、3回目から次に優勝するまでの3年半は、とても苦しく暗い期間を過ごしました。学校から帰ったらすぐにカラオケに行って、閉店ギリギリまで練習をして、また次の日学校に行く、というような生活を続けて……。そこから得たのは「100点の出し方」。それがいまも仕事に活きていて、現在は「月刊カラオケファン」さんの佐々木麻衣のSHOWTIMEで連載させてもらっています
── CDやライブなどで純粋に歌っている歌と、点数を出すための歌って全く違う。佐々木さん自身も割り切って歌っておられるのですね。
佐々木
歌うのではなく、“合わせにいく”を意識して歌っています。初めて歌う曲でも、バーを見ればその曲の流れがわかるんです。気持ちよく歌うのではなく、採点というゲームを攻略するという気持ちでいかないと点数は出ません(笑)。でも、それって楽しくはないんですよね!100点出す為に歌うと味気なくなる、歌の深みがなくなりますから。
── プライベートについても教えてください。いまハマっていることは?
佐々木
相撲が大好きなんです。本場所の観戦はもちろん、相撲協会のXやYouTubeで画像や動画を見て癒されています。小学校の時から祖母の家で相撲を見ていたので、その頃からずっと好きです。それに演歌と相撲って親和性がある。演歌好きな方って相撲も好きじゃないですか。いい趣味を持ったな、と思っています(笑)。
佐々木
あとは、美容には力を入れています!元々昔すごく太っていて、中学3年ぐらいからダイエットをして、45キロ痩せました。食べ過ぎないように自制し、なるべく歩くようにして体重を落としていきました。痩せてくると、次第に自信がついてきて、メイクなども楽しくなってくるんですよね。
── デビュー1周年を迎えられました。今後の目標を教えてください。
佐々木
ムード歌謡も歌ってみたいですね。これからもっといろんな人に自分を知ってもらいたいし、沢山の方に長く応援していただける、愛される歌手になりたいです。そして、私のデビューのきっかけになった瀬口侑希さんの背中を追いながら、また瀬口姉さんと一緒に番組ができたらいいな♪
インタビュー・文・撮影:ごとうまき