9月5日(日)14:00から 日本橋公会堂にて桂雀々、柳亭小痴楽、玉川太福の3人の「型破り落語会」が開催される。
↑桂雀々師匠、彼の高座には笑いの神が君臨しているのではないかと思うほど、毎会、爆笑をもたらしてくれる。
今会は桂雀々師匠と粋な江戸っ子実力派の柳亭小痴楽、そして浪曲界に新たな命を吹き込む玉川太福の3人が織り成す‟型破りな会”である。上方落語、江戸落語、浪曲を楽しむことができるなんとも贅沢な会だ。
落語ブームが再来して久しいが、そのブームを牽引する一人が柳亭小痴楽だ。落語芸術協会所属の二ツ目の落語家と講談師11人によって2013年に結成されたユニット「成金」で注目を集めた。故・五代目・柳亭痴楽を父に持つ小痴楽は16歳で落語界に入門、2019年9月には真打に昇進した。見るものを引き込む小痴楽さんの痛快な語り口、過去にはいろんな人の高座を聞き録音、どの層に何がウケたかをグラフにしてまとめるなど、自分の分析を徹底的に半年ほど続けたという努力家で“頭脳派”な一面も見られる。“ザ・江戸っ子”といった感じだろうか、彼のトレードマーク「パーマ×眼鏡×着物」が粋で洗練されていて、そして、華がある。公演日の9月5日は愛息子くんのお誕生日とのことだ。
想像を掻き立てる落語と身体全体で楽しむ浪曲
浪曲をご存じでない方のために簡単に説明すると、浪曲とは明治に生まれた芸能で、落語、講談、浪曲の「日本三大話芸」とされ、中でも浪曲は一番歴史が浅い。かつては戦後の娯楽の中の花形だったというが、テレビをはじめとする娯楽の多様化によっていつしか人気は低迷、若手の入門者も絶えかけた。そんな中、浪曲界に新たな息吹をもたらしたのが玉川太福である。浪曲界の新しい風として、ジャンルの垣根をこえて浪曲界を盛り上げている。2020年第37回浅草芸能大賞では新人賞を受賞し(大賞は天海祐希、奨励賞に爆笑問題、特別功労賞に志村けん)その幅広い活動が評価された。とりわけ浪曲は笑いの感度が高い層が注目し、近年では女性を中心とした若い層も足を運んでいるという。
玉川太福さんは大学(法学部)を卒業後、コントの台本を書いたり自ら舞台にも立つなど、放送作家として活動、2007年3月に浪曲師玉川福太郎に入門する。しかし、そのわずか3ヶ月後に福太郎師匠が不慮の事故によって他界、何人かの師匠の元で研鑽を積み2007年11月に浪曲師としてデビューを果たした。本公演の曲師は玉川みね子師匠が務めるが、みね子師匠は福太郎師匠の妻でもある。
そもそも浪曲にはルールがなく自由な演芸だ。その時その場の雰囲気や流れ、時代とともに形を変えてきた。そんな浪曲に上方爆笑王の異名を持つ桂雀々と若手実力派の柳亭小痴楽の落語が重なり、まさに“型破りな落語会”になると期待される。才能溢れる3人の化学反応がどのようにして昇華していくのかーー。楽しみである。
公演概要
日時:9月5日(日)14:00開演
会場:日本橋公会堂
出演者:桂 雀々、柳亭 小痴楽、玉川 太福
チケット:S席(1階) ¥4,000(全席指定・税込)、A席(2階) ¥3,500(全席指定・税込)