ドラマ版のキャスト&スタッフでお届けする劇場版「
よしながふみの人気同名漫画を西島秀俊と内野聖陽の主演でドラマ 化、瞬く間に大人気となり話題を読んだ作品が遂に劇場に登場、11月5日に公開されるや土日の2日間で動員10万人、興行収入1億4500万円をあげ、国内ランキング(11月8日時点)では3位を記録した。
あらすじ
弁護士の筧史朗(シロさん)とその恋人で美容師の矢吹賢二( ケンジ)にとって、 テーブルを挟んで夕食をとる時間が二人にとっての最高のひととき 。ある日、史朗の提案で、 賢二の誕生日プレゼントとして京都旅行に行くことに。シロさんプロデュースの至れり尽くせりな京都旅行に賢二は満喫し ていたが、道中に史朗からショックな話を切り出される。 この京都旅行をきっかけに、 2人はお互いの心の内を明かすことができなくなってしまい……。監督にはドラマ版も手がけた中江和仁、キャストには西島秀俊、内野聖陽、山本耕史、磯村勇斗、マキタスポーツ、 梶芽衣子らドラマ版のキャスト陣に「SixTONES」 の松村北斗が新たに加わる。
主役の二人が役を楽しんで演じている
人気漫画をドラマ化した本作、 ドラマを観てからのファンも多いはず。 ちなみに筆者は本作が世間で話題になっていることは以前から知っ ていたものの、漫画もドラマも全く観ていないため、 劇場版で初めて本作を知ることに。
筆者のような劇場版から入った人にもすんなりとストーリーが理解 でき楽しめる作品となっている。
感想としては、“ 本作がなぜこんなにも多くの人々に愛されるのか” 作品を見て納得した。
まず人間の生きる基本、食べること×誰かを愛すること=「 大切な人と美味しいものを食べる幸せ」 が大きなテーマとして掲げられている。
そこにLGBTQや多様性などのテーマを織り交ぜながら、 様々な問題や困難を乗り越えて行 く。
通常のラブストーリーはある種“結婚” というゴールが決まっていることが多く( 個人的には恋愛の先には様々な形があるため、 こういった刷り込みが好きではないが) ある程度のストーリー展開の想像がつくが、 本作のような同性同士の恋愛となると先が見えない上に本作の内容 にあるようなさまざまな問題が絡んでくる。 こういった問題を一つずつ乗り越えることに視聴者も共に喜びを感 じているのではないだろうか。同時に本作のテーマの一つ“ 多様性”が時代に沿ったテーマでもあるから人々の共感も大きいのだ。
適役な主役二人の絶妙なコンビネーションが本作の良さを引き立て ている。
またなんと言っても主役の二人が作品を、 そして役を愛して楽しんで演じているのが伝わってくるから観てる 私たちも楽しくなっちゃう。
西島さんの無邪気な笑顔にキュンキュンしながら、 内野さんの演技力に圧倒される。 しかし内野さんの演技の幅の広さよ、天才か!
主役の二人の掛け合い、アドリブかな? と思わせるようなシーンも所々見られて、 コミカルなシーンも盛り込みながらあったか〜 い気持ちにさせてくれる「お腹が空いちゃう優しい映画」
料理のレシピを説明してくれるところも嬉しいところ! 寒くなってきたからこそ、より本作の良さが体に染み渡ります。
劇場版 きのう何食べた?
監督:中江和仁
脚本:安達奈緒子
原作:よしながふみ
キャスト:西島秀俊、内野聖陽、山本耕史、磯村勇斗、マキタスポーツ、田中美佐子
製作:2021年製作/120分/G/日本
配給:東宝
文/ごとうまき