2作目公開から約3年半、待ちに待ったハリーポッターシリーズの前日譚『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』が4月8日から公開中！公開わずか1週間足らずで観客動員数70万近く、興収はすでに10億円を超え、大ヒット上映中。

前作は黒い魔法使い・グリンデルバルドが、純潔の魔法使いの自由を獲得する為に、魔法省やマグル社会へ宣戦布告し、クリーデンスやジェイコブの恋人のクイニ―を連れ去る重々しい展開で締め括られていた。そんな今作も、前回同様、重〜い空気と重圧で始まるのだが、一方でファンタジックな魔法の世界観が作品に染み渡り、我々の冒険心を刺激してくれる。諸事情により、グリンデルバルド役が前作までのジョニー・デップからマッツ・ミケルセンに交代したが、マッツ・ミケルセンも地に足のついた悪役っぷりがたまらなく魅力的だ。そしてダンブルドア（ジュード・ロウ）の相手役にもピッタリだった。

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あらすじ

今作は、史上最悪の黒い魔法使いグリンデルバルドが同志を集めて、魔法界のトップになる為の選挙に出馬する準備を整えていく。それを阻止すべく、魔法動物を愛するシャイでおっちょこちょいな魔法使いニュートが、恩師のアルバス・ダンブルドアや魔法使いの仲間たち、そして人間（マグル）と寄せ集めて凸凹チームを結成、グリンデルバルドに立ち向かうのだが、果たしてグリンデルバルドの暴走を阻止することはできるのだろうかーー。
ストーリーが進むにつれて明らかになるダンブルドアと彼の一族に隠されたある秘密。ホグワーツ城やホグズミード村など、「ハリー・ポッター」シリーズでおなじみの場所も多数登場しファンサービスもたっぷりある。

原作者J・K・ローリングが引き続き自ら脚本を手がけているが、映画「ハリー・ポッター」シリーズで7作品の脚本家を務めたスティーブ・クローヴスが「共同脚本家」として参加することになった効果もあってか、第2弾よりは改良されている。監督には「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」以降の全シリーズ作品を手がけるデビッド・イェーツ氏が。
「ハリー・ポッターシリーズ」より数10年前のアメリカを舞台として描かれた本シリーズは、第1作（2016年11月23日公開）、第2作（2018年11月23日公開）に続く第三弾となる。今作、第一弾、第二弾に比べて魔法動物の登場は激減しているが、登場人物の関係図は前回から引き継いでいるために今作から初めて見ると理解が難しいかもしれない。やはり第一弾、第二弾ともに鑑賞（復習）してから見るのがおすすめ。

冒頭から一気に魔法の世界へ誘う巧みな映像技術にはあっぱれである。ファンタジーな世界観は見劣りすることなく、たっぷりと魔法の世界へ浸ることができた140分であった。
ベルリンやブータンなど、世界を股にかけて飛び越えるダイナミックな演出、登場人物一人一人にフォーカスし、個性と魅力を際立たせて描かれているところにも心が躍る。
個人的に、エディ・レッドメインとカラム・ターナーの超イケメン二人の“蟹さん横歩き”シーンは、かなり貴重だし、つい口元が緩んでしまう。予定されている残り2作への期待膨らむ希望に溢れたラストとなっていた。