【水森かおりインタビュー】思い入れがある大阪で歌声届ける!

水森かおり
アーティスト

7月9日(土)大阪・新歌舞伎座にて「水森かおりコンサート〜歌謡紀行〜」が開催される。昨年の新歌舞伎座の座長公演から1年ぶり、コンサートは2年ぶりとなり、今回も数々のヒット曲と楽しいトークで魅力あふれるステージをお届け!コンサートに先駆け水森かおりをインタビュー!!

昨年の紅白歌合戦で着たドレスを披露!

本公演のタイトル“歌謡紀行”、コンサートツアーのコンセプトとして、まだまだ開放的に旅ができないこんな時こそ、旅の気分を味わってもらえたら、といった思いが込められている。水森かおりといえば“ご当地ソングの女王”、今回も関西のご当地ソングを織り混ぜながら水森かおりワールドが展開される。また昨年の大晦日に行われた第72回NHK紅白歌合戦にて雪が舞う“清水の舞台”で着用した白いドレス姿も披露され、豪華なステージに期待が膨らむ。

ーー新歌舞伎座でのコンサート、新歌舞伎座への印象は?

水森
私にとっても、歴史のある場所。新歌舞伎座さんの舞台に立ったのが、まだ難波にあった頃で、五木ひろしさんの公演に参加させていただきました。とても良い思い出として残っています。時を経て、今は自分が座長として立たせていただき、新歌舞伎座の舞台には特別な思いがあります。

水森かおりは大阪生まれ?

ーー関西のお客さまの印象は?

水森
私、デビューを大阪で迎えているんです。応援してくださる人や支えてくださるレコード店の皆さま、水森かおりの基礎を作ってくれた場所です。なのでよく、“水森かおりは大阪生まれ”だと話しています。親身になって声をかけてくださる温かい人が多く、いつも励みになります。そして何より人々のぬくもり感じる、関西の皆さまの前で歌うことが楽しみです。

九十九里浜タイプC・タイプDについて

2月15日発売の「九十九里浜」が19年連続でオリコンウィークリーランキングTOP10入りで総合8位、さらに演歌・歌謡チャートでは20作連続1位となった“ご当地ソングの女王” 水森かおり。現在も女性演歌歌手として歴代最多記録を更新中!「九十九里浜」のタイプAのカップリング曲「房総半島 吹く風まかせ」、タイプBの「犬吠埼」 に続く、タイプC、タイプDが、カップリング曲、ジャケット写真を変えて発売された。

タイプCには「若狭夕焼け日本海」、タイプDには「バージン・ロード」と全く違ったジャンルのカップリング曲が収録されている。

ーー千葉県のご当地ソングとしては初となる「九十九里浜」の印象や楽曲について

水森
幼少期、初めて海水浴をした場所が九十九里浜なんです。砂浜が広くてどこまでも続いている。楽しい思い出ばかりです。そんな舞台を歌わせて頂けるのは感慨深い。ヴァースという手法が入っているので、ドラマチックです。転調部分は優しい春の風を感じ、サビでは冷たい冬の風景が感じられる。歌の中で九十九里浜の色んな表情を感じてもらえたら。66キロのどこまでも続く砂浜海岸の美しさと広大さも詩に刻まれている。私自身も楽しみながら歌っています。

ーータイプC,Dとそれぞれ違ったジャンル、歌う際に気をつけていることや歌への思いは?

水森
感情を込め、抑揚をつけて表現する演歌と違って、Jポップの「バージンロード」や、さらに昨年リリースした「笑顔のままで」では“感情を乗せずに淡々と”を意識して歌っています。感情込めるとちょっとリズムに遅れてしまったりと、演歌っぽくなっちゃうので…(笑)。

無機質ならではの歌の良さを感じてもらえたら。「若狭夕焼け日本海」についてもいつも通りの世界観で、感情を込めて歌ったという。

主役は自分ではない‟伝い手”を意識

水森
ご当地ソングに関して気をつけていることは、第三者目線で、聴いているみなさんのお邪魔にならないように世界を俯瞰して歌うことを心がけています。聴いてくださる方に感情移入し主人公になっていただきたい。

こういった強い思いがあるからこそ、事前に舞台となる場所を調査、映像や写真を見て勉強していると話す。

水森がこれまで歌い上げた「ご当地ソング」は、1都1道2府40県で楽曲は136曲にも及ぶ。全国制覇まであと3県、水森の元には各自治体からの依頼が今も殺到しているという。

水森
ファンレターにもご当地ソングの依頼のお手紙やパンフレットを入れてくださったり、待ちきれずに自分で作った人も(笑)。“曲は〇〇先生でお願いします”とメッセージが添えられていたり…。そういった思いが嬉しいですよね。全て目を通させていただいています。

とはいえ、ご当地ソングの選考には水森は関係していないという。

水森
毎年新曲の制作時期になるとソワソワする。私も次はどこの歌かな?って楽しみにしているんです。以前ディレクターさんの机の上に富山の「るるぶ」が置いてあって、“次は富山か!”と期待したところ、単純にディレクターさんの旅行用で(笑)。

ーーこれまでに行ったご当地イベント、印象的な場所は?

水森
2011年に出した19枚目のシングル「庄内平野 風の中」でのイベントで山形に行った時、同じ県の中での言葉や文化の違いに驚きました。言葉を覚えて行ったのですが、その言葉を知らない地域も。有名な芋煮も醤油派と味噌派に分かれたりと…。歴史や文化の違いに驚愕するとともに毎回勉強になっています。

水森の美容と健康法は‟食べたい時に食べる、とにかく睡眠をとって、我慢しないこと”

歌は“不要不急”じゃない

2年前、エンタメ界に突きつけられた“不要不急”、水森も自分が取り残されたような気持ちになり、歌や自分が必要とされているのか?といった不安がよぎり苦悶し続けたという。

水森
コンサートが軒並み中止になったときは焦りました。デビューして4~5年経って仕事が無くなった時の不安や焦燥感とは全然違っていた。27年やってくると色んな責任が伴います。コンサートツアースタッフやその家族のみなさん、応援してくださる皆さまは元気かな?とか、周りの人たちのことが心配でした。もう会えなくなるんじゃないかって…。

ファンの言葉が自身を奮い立たせてくれた

2011年の東日本大震災以降、被災地を何度も訪れた水森(2010年「松島紀行」で宮城県を歌っている)は、足を運ぶたびに被災地のみなさんの表情や言葉の変化を目の当たりにしたという。

水森
最初の頃は歌を聴ける状況じゃなかったけれど、少しずつかおりちゃんの歌を聴ける余裕が出てきた、と言ってもらえました。

聴いてくださるお客さまのために、スタッフの皆さんのために、そして自分のために…歌を歌い続ける。少しずつ戻ってきた日常、水森かおりの歌を必要としてもらえるように、より邁進したいと話す。

水森
昨年、ファンクラブのイベントがあったんですが、ファンの方々から“かおりちゃんの歌を聴いて乗り越えた”とか“支えてもらったよ”という言葉が心に沁みて…。皆さまの言葉によって不安がかき消された。歩みは止めてはいけない、歌って不要不急じゃないんだ!って強く感じました。

いつも応援してくださる皆さまへのメッセージ

水森
今も客席からの掛け声が難しいのですが、みなさんの拍手と存在があってこその水森かおりです。“いつも支えてくださってありがとうございます”といった感謝の気持ちを歌声に乗せて届けられたら、こんなに嬉しいことはないです。少しずつ日常生活が戻りつつあるとはいえ、まだまだ緊張感があります。そんな中、私のステージで皆さまに心が晴れたと感じてもらい、明日への活力につながっていくように頑張ります。

筆者が感じた水森かおりという存在は、まるで“太陽のような人”。そこにいるだけで“パァーッ”と場を、人の心を照らしてくれる。彼女の発する言葉一つ一つに、他者に寄り添う優しさと情熱、温かい愛が感じられ、水森かおりの“人間力”に魅せられた取材だった。長年にわたって愛され続ける“ご当地ソングの女王”水森かおり。今後も、人々の心に希望の光を灯す歌を歌い続けることだろう。

チケット・概要

水森かおりコンサート~歌謡紀行~
公演日時 2022年7月9日(土) 13:30/17:30開演
料金 (税込)
1階席 10,000円
2階席 6,000円
3階席 3,500円
特別席 11,000円

チケット水森かおりコンサート ~歌謡紀行~ ○一般発売 | 新歌舞伎座ネットチケット[音楽 演歌・邦楽のチケット購入・予約] (pia.jp)

電話:06-7730-2222(午前10時~午後4時)

インタビュー・文/ごとうまき