【ジャニス・イアン、一青窈も絶賛!】南アルプス生まれのホーリーボイス・花耶 ロングインタビュー

花耶
アーティスト

聴く人を瞬く間に虜にしてしまう魅惑の歌声をもつシンガー・花耶。一青窈とマシコタツロウが手がけたデビュー曲『白馬の王子と薔薇色の私』はYouTube102万回再生され、一青窈は、彼女の歌声を“ホーリーボイス”と名づけた。さらに世界的シンガーであるジャニス・イアンもその歌声に惚れ込み、楽曲を提供するなど、その天性の歌声に多くの人が傾倒している。

本記事では、これからの時代を担っていくであろうシンガー・花耶をインタビュー。2022年11月3日発売のアナログ盤『Kaya Sings Janis』と2022年12月7日発売の1st Album『Bouquet』にまつわるエピソードや、花耶さんの魅力を深掘りした。

『Kaya Sings Janis』について

——初めて曲を聴いた時の感想は?

花耶
アコースティックギターとジャニスさんの歌声のみのシンプルな構成で、昨年のクリスマスに私の手元に届きました。壮大な音楽で、四季ごとに分かれていて、楽曲も魅力的でした。私の声に合わせて音程も考えて作ってくださり嬉しかったです。最高のクリスマスギフトでした。

——『Kaya Sings Janis』レコード盤とのことですが、花耶さんはこれまでレコードを聴かれていましたか?

花耶
これまで聴いたことがなく、自分のレコードが出来上がり初めて聴きました。打ち込みではない生バンドによる演奏でのレコーディングにご一緒させていただきましたが、あの音がレコードにしっかり伝わって感動しました。レコードの素晴らしさを知りました。あの針を落とすときの“プスッ”という音や、“プツプツ”という音が好きです。

——ジャニス・イアンさんのメロディーに、前田たかひろさんがオリジナルの歌詞を書かれましたが、最初に歌詞を読まれたときの感想は?

花耶
デモでは英語の歌詞がついていたメロディーに、日本語を当てはめているので苦戦しました。『UNDER A DIFFERRENT SUN』は『ボクは途中』のオリジナルの英語バージョンで、5曲6トラックが収録されています。

1st Album 『Bouquet』ついて

——『グロス』の歌詞は、花耶さんが書いた手紙をもとに作られたんですね。

花耶
デビュー曲『白馬の王子と薔薇色の私』は、私の初恋のストーリーを、一青窈さんがファンタジックに書いてくださいました。初恋のキラキラしたピュアな思いが反映されています。対して『グロス』は現実的な歌。辛い思い出や、嫌だったことを初恋相手に向けて書いた呪いの手紙を、前田さんが歌詞に膨らませてくださいました。歌詞の中にある、グロスやリップ、キラーワード、悲劇などといった言葉をうまく用いて、私の気持ちを表してくださっています。『Kaya Sings Janis』に収録されている他の曲は優しい歌詞なんですが、『グロス』は結構ドロドロしているんです(笑)。

——『白馬の王子と薔薇色の私』『ヒヤシンス』は一青窈さんの作詞、‟ホーリーボイス”の名付け親でもありますが、花耶さんにとって一青窈さんはどんな存在ですか?

花耶
一青窈さんは大先輩であり、私にとって絶対的な味方です。一青窈さんには、私の過去の辛い出来事や悩みも打ち明けて相談していました。“過去の辛いことにも負けずに、前を向いて歌っていこう”と励ましてくださったり、いつも私を温かい愛で包み込んでくださいます。

初めてのレコーディング、武部さんのアドバイスが心に響く

——デビューして初めてのレコーディングで印象的なエピソードはありますか?

花耶
『白馬の王子と薔薇色の私』では私の歌に合わせて伴奏を録ったんですが、初めてのこともあって、戸惑いや不安な気持ちが歌に出てしまったんです。そんなときに編曲をしてくださった武部聡志さんが、“花耶ちゃんの歌が演奏を引っ張るんだよ”って何気なく言ってくださって。その言葉が私の心に響き、その後のレコーディングでも常に活かされています。『Your Song』は初めての演奏と同時録音で、壮大で美しいオーケストラの音を聴きながら、楽しんで歌うことができました。ブースから出ると皆さんが褒めてくださり、終始和やかで思い出深いレコーディングとなりました。

——『君の名前』のミュージックビデオもとっても美しいですね。撮影時のエピソードはありますか?

花耶
富士山の麓の朝霧高原で撮影したのですが、ススキがたくさんあって、富士山も近くてあまりの美しさに感動しました。だけどその日だけ気温が5度。もう寒くて寒くて、凍えながら撮影しました。だけど出来上がったMVを見て私も感激!風がススキをなびかせてとてもきれいな映像になり、寒い中頑張ってよかったなって思っています。

小学校1年の時にステージで歌ったことが歌手を目指すきっかけに

——5歳でピアノをはじめ、9歳で『カワイ歌のコンクール関東大会』で金賞を獲得、子どもの頃から歌うことが大好きだったんですね。

花耶
歌は物心ついた時から好きでした。ステージで歌を歌いたいと思ったきっかけは、小学校一年生の時にカワイ音楽教室のピアノのコンペティションに出場したのがきっかけです。歌の部門で出場している人に憧れて、数ヶ月後すぐにコンクールに出場。賞を頂いたり、沢山の方に褒めていただき、歌うことの楽しさに目覚めました。ステージを重ねるうちに歌うことがさらに楽しくなって、いつしか歌手になる夢が色濃くなったんです。

——故郷の山梨南アルプスの魅力は?

花耶
この間、デビューして初めて南アルプス市のイベントに参加、皆さんが温かく“お帰り”と言って迎えてくださり、帰る場所があるっていいなと改めて実感しました。南アルプス市は、自然に囲まれていて空気が綺麗。春は桜、秋は紅葉と近所の並木道もとっても美しく、観光スポットが沢山あるんです。私の故郷ってこんなに魅力的な場所だったんだって、もっと好きになりました。

——最後にメッセージを!!

花耶
『Kaya Sings Janis』 1st Album『Bouquet』はもちろんのこと、私の歌を多くの方に聴いてもらいたいです。この気持ちはデビュー時から強く持っています。これからも沢山の歌を発信していきたいですね。そして幅広いジャンルを歌えるところも、自分の強みにしていきたいです。“歌うことだけでメッセージになるシンガー”だと能地裕子さんに言っていただきましたが、歌が私の救いです。これからも歌に助けられながら、皆さんにメッセージを伝えていきたいです。

 

インタビュー・文・撮影/ごとうまき