中村ゆりかロングインタビュー「歌手活動が芝居にも大きなプラスに」

1st EP『Moon light』初回限定盤 ジャケット写真
アーティスト

2022年11月16日に『浮ついたHeart』で歌手デビューを果たした、スターダストプロモーション所属の中村ゆりかが2023年3月1日(水)に1st EP『Moon light』をリリース。初回限定盤( シングルCD +DVD +フォトブック)と 通常盤(シングルCD)の2パターンがあり、異なるジャケット写真に。シンガーソングライター・CHIHIROが作詞作曲を手がけ、恋に悩む女性が前向きになれるような楽曲が詰まった一枚になっている。俳優と歌手の仕事を並行しながら活動を行う中村ゆりかにロングインタビュー。アーティスト中村ゆりかとしての素顔を沢山見せてもらった。

1st EP『Moon light』通常盤 ジャケット写真

アルバム曲について

1st EP『Moon light』を発売するにあたっての思いを教えてください。

中村
私の歌声を皆さまに届けられることがとにかく嬉しくて、聴いてくださった方がどんな反応をしてくださるのか、ドキドキしつつも楽しみにしています。今回は恋愛ソングを中心に4曲収録されていますが、恋する人たちの背中を後押ししたり、引っ張っていけるような応援ソングになれば嬉しいですね。

——タイトルのムーンライトにはどのような意味が込められていますか?

中村
24歳の時に出したファースト写真集『Over the moon』にも月の名前が入っていますが、私、月が大好きなんです。今回のアルバムも月のモチーフを入れて、聴いてくださる方に優しく温かな光を照らしたいという思いを込めています。

——『Lovely Baby』は、デビューシングルの『浮ついたHeart』とはまた違った魅力がある曲ですね。

中村
『浮ついたハート』は失恋ソングでありながらも、女性が力強く自立していくというバラード曲。『Lovely Baby』はポップでキュートな曲なので、また違った魅力がありますが、レコーディングするまでは私にとって、新たな挑戦でもありました。レコーディング後、この作品を世に届けたい!と強く思うように。大切な人や好きな人に、自分の気持ちをストレートに伝えることって恥ずかしいけれど、この曲を通して、自分の気持ちに正直になり、好きな人に向き合ってもらえたら…。

黒柳勝喜監督が手がけたMVもポップでキュート。ハードボイルドな映像と『Lovely Baby』のポップな楽曲との化学反応が何度でも見たくなる作品に。

——それぞれの曲を歌う上で意識されていることは?

中村
『浮ついたHeart』は悲しい表現を入れてみたり、重みのある声の出し方を意識したりと、ドラマティックに表現することを心がけました。一方で『Lovely Baby』は、カジュアルな感じでフラットな声の出し方を意識したりと、『浮ついたHeart』とのギャップを感じてもらえると思います。『分かっていても』は、敵わぬ恋を切なく描いた曲。ただ、叶わないと分かっていても、どこか希望が感じられるような歌詞や曲調です。そして、一番歌っていて苦戦した曲でもありますね。細かい部分もプロデューサーと話し合って試行錯誤しながら作り上げました。『Positive』は、自分のことを信じていればいつか夢は叶う!という前向きなメッセージが込められています。そしてこの曲を聴き、自分自身をも奮い立たせています。どの曲にもそれぞれ違った良さや思いが込められているので沢山聴いてもらいたいですね。

音楽がもたらした相乗効果

——アーティスト中村ゆりかとしての活動と、俳優・中村ゆりかの活動、互いにどのような影響をもたらしていますか?

中村
音楽が与えてくれた時間は、お芝居にも確実にプラスになっていると実感しています。私にとってお芝居は基礎であり大切なもの。これまでもお芝居に対して意欲的に責任感を持って臨んできました。そこに音楽という新しい風が入ることによって、新鮮さを感じると共に気が引き締まる思いです。これまでのお芝居の経験ももちろん、歌手活動に活かされています。プロデューサーのCHIHIROさんにも、私から様々な表現を引き出したいと言ってもらいました。

──プロデューサーのCHIHIROさんとはプライベートでも親交があるとか。

中村
出会いは、2019年にCHIHIROさんの曲『失恋のあと』のMVに出演したのがきっかけ。普段は“ちーちゃん”と呼ばせてもらっているほど、沢山交流させてもらい、心から尊敬しています。そんなCHIHIROさんに初めてお会いした時は、沢山歌の話を聞かせてもらいました。いつしか私もCHIHIROさんにお芝居の話をするようになりました。互いに持っていないものに惹かれ合ったのかな。子どもの頃から憧れていたアーティスト活動ができたのは、CHIHIROさんや周りの方が背中を押してくださったおかげ。本当に感謝しています。CHIHIROさんが書く歌詞は、現代女性の多くが共感を得る歌詞ばかり。女性たちがリアルに経験したことのあるエピソードも散りばめられています。私も歌詞に込められた一つ一つのメッセージを大切にしながら表現していきたいですね。

——子どもの頃から歌手への憧れが強かったのですね?

中村
毎日、新聞で番組表を見て、音楽番組は隈なくチェックして見ているほど、子供の頃から様々な歌番組を見て、聴いて育ちました。歌の上手な人を心から尊敬していて、MISIAさんの『everything』や名探偵コナンの主題歌、モーニング娘。さんの曲も沢山聴きましたね。私自身、沢山の音楽によって救われ励まされてきたので、今度は私がお返しできたら。音楽活動の時間は私にとっても希望なんです。

——どのような子ども時代を過ごしましたか?

中村
この業界に入るまでは、日焼け止めを塗らずに外で走り回るような活発な子。今でも活発ですが(笑)。かと言って室内遊びも大好きでしたね。折り鶴を延々と折っていた時もありました。まずはやってみよう!!という好奇心旺盛なところは子どもの頃から変わっていません。最近、自分ってどう見られているのか、むしろ周りに積極的に聞くようにしています。友達には“意外と周りをよく見ているよね″と言ってもらえます(笑)。

音楽と芝居、共通するのはとにかく周りに楽しんでもらいたい、ということ。

——表現者として大切にしていることは?

中村
プライベートと仕事、どの現場に行っても同じテンションだと思っています。そのほうが、仕事や現場に入った時のスイッチの切り替えが楽。変に作り込むと混乱してしまうんです。一時期は事前に発する言葉を考えたり、しっかりしないと!って肩肘張ったりして…。でもそうすると本当の気持ちが伝わらないし、ロボットみたいになってしまう。だったら、ありのままの自分を見てもらおうと意識するようになりました。やっぱり“周りの人を楽しませたい”という思いが根底にあるのでしょうね。以前に比べて、仕事に入った時はスムーズに切り替えられるようになりました。

アーティスト・中村ゆりかとしての展望

——今後どのような歌手活動を望んでいますか?

中村
私が目標としているのが常に臨機応変に、柔軟に対応できる表現者でありたいということ。夢を大きく描いていきたい!私の歌で元気になってもらったり、癒されたり、はたまた私についていきたい!って思ってもらえるような、そんな存在になれたら嬉しいです。そして皆さんの心に寄り添えるようなアーティストでありたいし、そんな歌を歌いたい!!そして芯のある女性、自分の軸を持っている人に私自身が強い憧れを抱いています。私もそんな人になれるように突き進んでいきます!

インタビュー・文/ごとうまき