【一度は考えた芸能界引退『犬夜叉』が転機に】佐藤アツヒロ 鍛えた身体で大きな剣振りながらバトル展開!!

インタビュー

2024年2月29日(木)~3月3日(日)に大阪・サンケイホールブリーゼにて、『SaGa THE STAGE~再生の絆~が上演される。本作は2018年12月に配信をスタートしてから全世界で累計3,000万ダウンロードを記録し、2023年12月にはリリースから5周年を迎えたスマートフォン向けRPG(ロールプレイングゲーム)『ロマンシング サガ リ・ユニバース』を舞台化。ゲーム本編では描かれなかったポルカ編の“その後”を描いている。

第一弾の『ロマンシング サガ THE STAGE〜ロアーヌが燃える日〜』(ʼ17)、第二弾の『SaGa THE STAGE〜七英雄の帰還〜』(ʼ18)を上演してきた「サガ」シリーズの舞台化作品第三弾となる本作。第一弾から出演し、第二弾では演出兼主演を務め、第三弾では第二弾に続くノエル役を演じる佐藤アツヒロにインタビュー。本作の魅力や役への向き合い方、劇団︎☆新感線『犬夜叉』出演から繋がる歩みと舞台への想い。50歳を迎えた佐藤アツヒロの“いま”をお届けします。

今作はバトルシーンに注目!!

── 第二弾では主演、演出をされましたが前回を振り返っていかがですか?

佐藤
前回は初演出&主演で大変でしたが、チームの皆に支えられながらやり遂げることができました。第三弾のお話をいただいた時、今回は演出をするのではなく外から見てみたい、だけど僕も支えながらやっていこうとチーム一丸となって作ってきました。

── 本作の魅力や醍醐味について教えてください。

佐藤
RPGを舞台化する醍醐味は、魔法や術などの技を使いながらファンタジーな世界観に誘うことができること。時代劇とはまた違った魅力があります。ゲーム要素に加えて今回はバトルシーンが盛り沢山。ゲーム好きのファンにとっても夢のような世界観が展開されます。

── 佐藤さん演じる役について教えてください。

佐藤
ゲームと七英雄の続編となるので、今回もノエル役を演じます。まさか別の舞台で同じ役をやるなんて考えたこともありませんでした。6年ぶりにノエル役ができることに面白さや新鮮さを感じています。

筋トレが心のケアに

── 前回から6年の時を経て、作品や役に対する思いや向き合い方も変化したのではないでしょうか。お稽古はどんな感じでしたか?

佐藤
稽古中は皆さんと一緒に思いっきり動いて汗をかいて、まるで部活のような感じです。ものすごい汗をかくので着替えは常に6〜7枚必要で。特にこの作品は体力勝負なところもあります。僕は47歳ぐらいから50代に向けて筋トレを始めていたので、鍛えていた分きちんと動けていると自負しています。もちろん、疲れも感じますが(笑)。

── 筋トレはストイックにされているのですか?

佐藤
もともと筋トレは苦手だったんですが、コロナ禍に自重トレーニングを始めて、そこからパーソナルジムに通っています。ラッキーなことに事務所に無料のジムがあるので先生にメニューを組んでもらえるんです。僕は考えすぎてしまうタイプなのでそんな自分が嫌いでしたが、体を鍛え始めてから小さな悩みも減りました。筋トレが心のケアにもなっているのかも。

── ノエル役の面白さ、どんなところにこだわって役作りをされていますか?

佐藤
七英雄の時は、演出をしながらだったので、ノエルに捧げる時間があまりありませんでした。前回のノエルは正義感しかありませんでしたが、今回は正義感に加えて、優しいお兄さんのような側面も見せるようにしています。

── 注目ポイントや見どころは?

佐藤
前作は心情を描いた物語性が強かったのですが、今回はゲーム要素がより強くなっています。そしてバトルシーンも多いので、僕は登場するや否やすぐに戦って技を言っています。歌もダンスも見どころがたっぷり。中でも土屋アンナさんの歌声には圧倒されます。本当にカッコいい!僕は一役ですが、二役やっている方も多いので、普通の舞台に比べてキャラクターが倍いるから、ゲームファンとしては堪らないと思います。

── 佐藤さんといえば20年以上前に「ウルルン滞在記」でムエタイに挑戦されていました。その時の経験も今回のバトルシーンに生きているのですね。

佐藤
生きていると思います。あの番組が放送された夜、東山さん(東山紀之)から連絡が来て大絶賛してくれたのを覚えてます。

犬夜叉への出演が転機に

── 佐藤さんは様々な舞台に出演されていますが、他の舞台との違いは?

佐藤
2.5次元舞台という言葉が生まれる前、劇団☆︎新感線の「犬夜叉」の初演で主演をさせていただきました。「犬夜叉」は次の年にアニメ化されることが決まっていたので、声優の山口勝平さんも観に来てくださいました。犬夜叉の時も技を言いながらやっていましたし、立ち回りも活きている。今も2.5次元の舞台を違和感なく楽しくできているのは、犬夜叉があったからだと思います。

── 第二弾の『SaGa THE STAGE〜七英雄の帰還〜』では演出兼主演を務められましたが、演出をすることになったきっかけは?

佐藤
少年隊のニッキさん(錦織一清)の存在が大きいです。第一弾の時から演出に興味を持って見ていたので、その姿を見てくださった方から第二弾の演出をやってみないか、と声をかけていただきました。そこでニッキさんに相談したら、“アツヒロならできるよ”と背中を押してくださったんです。

── 佐藤さんにとって舞台とは?

佐藤
解散してソロでシングル2枚、ミニアルバム3枚出しましたが、結局時代の流れに打ち勝てず終わることになり……芸能界引退も頭をよぎりました。だけど舞台だけはまだやっていなかった。そんな時に鴻上尚史さんに声をかけていただいて、舞台に挑戦しました。思いのほか面白くて。1ヶ月間稽古に集中できることが新鮮で、一つのモノを一生懸命作り上げることは僕の性に合っていたのでしょう。そこから犬夜叉の舞台に声をかけていただきました。

佐藤
錦織さんは東宝ミュージカルなどに出演され、岡本健一さんはTPTなどの演劇に出演されていたので、ちょうど小劇場系の枠がうちの事務所では空いていた。そこに僕がうまくハマって、いろんな舞台に出演できました。

── 佐藤さんがこれからの人生で思い描いていることは?

佐藤
これまであったものが無くなって、この先何が起こるか分からない世の中だから……。自分の中で何か起こせたらいいなと思っています。元リーダー(光GENJI)の内海光司とU&Sを結成し、ローラースケートのパフォーマンスができたことも大きいです。これは自らやりたいと言ったのですが、今後も自発的に表現活動をしていきたいです。それと、これからもファンの方が喜んでくださることをやっていきたい。皆さんと元気で楽しくできたらいいなと思っています。

舞台「SaGa THE STAGE~再生の絆~」公式サイト | SQUARE ENIX (sagastage.jp)

取材・文・撮影:ごとうまき