大阪を活動拠点に『新世界の夜明け』『恋するミナミ』等を制作してきたリム・カーワイ監督の最新作が大阪で公開される。
アジアからヨーロッパまで大陸を旅し、各国の政治、暮らし、文化を見つめ続けたリム監督。
2年前、スロベニアとそこで出逢ったゲストハウスの経営者フェルディ・ルッビジ夫妻と仲間たちに魅せられた監督は、最小限のスタッフと共に再び彼らを訪ね、現地に住む人々と一緒に即興で1本の映画を完成させた。
究極のドリフト・ムービー『どこでもない、ここしかない』についてリム監督にインタビューさせていただいた。
大阪を愛し、大阪で暮らす映画監督”リム・カーワイ”
リム・カーワイ Lim Kah Wai
映画監督。1973年マレーシア生まれ。大阪大学基礎工学部電気工学科卒業。大学卒業後は通信業界で働くが、その後北京電影学院監督コースに入学。卒業後、2010年北京で「アフター・オール・ディーズ・イヤーズ」を自主制作し、長編デビュー。その後、香港で「マジック&ロス」(2010年)、大阪で「新世界の夜明け」(2011年)、「恋するミナミ」(2013年)を監督。2016年に中国全土で一般公開された商業映画「愛在深秋」(「Love in Late Autumn」)(2016年)を監督する。作品は世界各国の映画祭をはじめ、東京や大阪、ニューヨークのアート系をはじめとする劇場で特集上映された他、日本でも各地で劇場公開される。本作「どこでもない、ここしかない / No Where, Now Here」はバルカン半島で撮影を敢行した初の作品であったが、2018年夏に、再度バルカン半島へ渡り、セルビア、クロアチア、モンテネグロで長編映画7作目「Somewhen, Somewhere」を監督するなど、国籍や国境にとらわれない作品制作を続ける。現在は、大阪3部作の3作目「Come and Go」を準備中。
公式HPより引用
俳優はスロベニアに住む一般住民!
『どこでもない、ここしかない』
この映画にプロの俳優は出演していない。
なんと地元に住む人たちの生活を、そのまま切り取って映画にしたのだ!
脚本もあえて使わずに、監督の頭の中にあるイメージを現地の人たちに伝え即興で創り上げた。
ストーリー
スロベニアの首都リュブリャナでゲストハウスとアパートメントの経営をしているフェデルは、近年の観光と不動産ブームに乗り経済的に成功する。しかし、彼はイスラム教徒でありながら、所有するゲストハウスに宿泊した女性や知人の彼女にも手を出すような男であった。ある日、妻のヌーダンは、フェデルの女癖の悪さに耐え切れず家を出てしまう。やっと妻の大切さに気付いた彼は、マケドニアの田舎町へ彼女を取り戻しにいくのだが― 妻に逃げられた男の物語を軸にバルカン半島に生きるトルコ系マイノリティ社会にまで迫った傑作。
公式HPより引用
主人公の夫フェデルと妻のヌーダンは、実際の夫婦であり、夫は劇中で演じているそのままの人物らしい。
妻は、夫の女癖を知りつつも見て見ないふりをしていたそうだ。
そこで、リム監督は妻が家を出ていったらフェデルは、どうするのか?
妻の大切さに気づくのか??を撮ったのである。
後日談として、映画クランクアップ後に、フェデルとヌーダンの間に子供ができ今は家族で仲良く暮らしているというエピソードが最高にハッピーだった。
これを踏まえた上で映画を観てもらえると何倍も映画を楽しめるはずだ。
上映情報
《どこでもない ,ここしかない》
シネ・ヌーヴォ & シネ・ヌーヴォX
12月8日[土]〜 12月14日[金]: 上映18:40〜
12月15日[土]〜 12月21日[金]: 上映12:50〜
12月22日[土]〜 12月28日[金]: 上映15:40〜* (*シネ・ヌーヴォXでの上映)
【一般】1,800円【学生・シニア】1,100円 【会員】1,000円 【前売券】1,300円
劇場窓口にて好評発売中! ※日本語・英語字幕同時上映。
『どこでもない、ここしかない』イベント
12/8(土)18:40の回上映後トークショー
ゲスト:リム・カーワイ監督、戸田ひかる監督(『愛と法』、小田香監督(『鉱ARAGANE』)
12/14(金)18:40の回上映後ミニトーク
ゲスト:リム・カーワイ監督、毛利英昭さん(KANSAIPRESS 主宰)
12/28(金)15:40の回上映後ークショー
ゲスト:リム・カーワイ監督、田中泰延さん(青年失業家)
なんとKANSAIPRESSもイベントに参加します!
是非、劇場にお越しください!