【今年公開邦画実写映画No.1】最高の胸アツ作品!テンポの良さで展開されるウルトラマンのリブート作 『シン・ウルトラマン』

(C)2021「シン・ウルトラマン」製作委員会 (C)円谷プロ
映画

エヴァンゲリオンシリーズの庵野秀明× 数多くの戦闘シーンを創造してきた樋口真嗣(庵野が企画・脚本、樋口が監督を務めた)がタッグを組み、往年の特撮番組を現代版にリブートする“シン・シリーズ”、2016年の「シン・ゴジラ」から6年、その第2弾としてリブートされたのは“シュワッチ!”で光の国からやってきた我らがウルトラマン。リーブート作「シン・ウルトラマン」が5月13日から公開、土日2日間で動員45万人、興収7億300万円をあげ、堂々の初登場1位に。公開初日から3日間の累計では動員64万人、興収9億9300万円を突破し、今年公開の邦画実写映画ではNo.1のスタートとなった。

 

1966年の「ウルトラQ」から始まり日本の代表的なコンテンツとして存在するSF特撮ヒーロー「ウルトラマン」シリーズも「シン・ゴジラ」同様、世界観を現代社会に置き換えて再構築しているが、今作も作品へのリスペクトと、同シリーズに特徴としてみられた約束事や設定、ひいては実相寺昭雄ら旧メインディレクターたちの演出スタイルをしっかりと踏襲している。
劇中に登場するウルトラマンのデザインは、「ウルトラQ」「ウルトラマン」などの美術監督として同シリーズの世界観構築に幾つもの功績を残した成田亨が1983年に描いた絵画「真実と正義と美の化身」がコンセプトとなっている。

(C)2021「シン・ウルトラマン」製作委員会 (C)円谷プロ

あらすじ

日常的に「禍威獣(カイジュウ)」と呼ばれる謎の巨大生物が次々と現れるようになった日本。通常兵器が通じない禍威獣に対応するため、政府がによってスペシャリストが集結「禍威獣特設対策室専従班」=通称「禍特対(カトクタイ)」を設立。班長の田村君男(西島秀俊)、作戦立案担当官の神永新二(斎藤工)ら、禍特対のメンバーが日々任務にあたっていた。そんなある時、大気圏外から銀色の巨人が突如出現。巨人対策のため禍特対には新たに分析官の浅見弘子が配属され、神永とバディを組むことになる。主人公・神永新二を斎藤工、その相棒となる浅見弘子を長澤まさみが演じ、西島秀俊、有岡大貴(Hey! Say! JUMP)、早見あかり、田中哲司らが共演。

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解説・レビュー

ウルトラマンファンでもなく、いや、むしろウルトラマンシリーズさえ未知な筆者が、とりあえず鑑賞したミーハーレビュー。ファンの方からすると薄っぺらい内容に感じられそうで申し訳ない気持ちだが、初めてウルトラマンを見た人の感想として読んでもらいたい。

(C)2021「シン・ウルトラマン」製作委員会 (C)円谷プロ

今作はシン・ゴジラ同様、舞台を現代に置き換えて作られており、政治家たちの動きにも注目、また今話題の“メタバース”や宇宙空間、人類とは何か?そもそも、ウルトラマンとは何なのかーー?といった愛と哲学が融合した壮大な物語として昇華している。
初代からの「ウルトラマンシリーズ」を見ている世代やファンにとって、登場怪獣のチョイスにも心が躍るだろう。本作は「君の名は(2016年)」のように、とにかくスピード感が良く、ストーリーが目まぐるしく駆けていく。さらに役者たちが饒舌で、まるで1.5倍速で観ているかのような感覚に。早送りでの動画鑑賞に慣れている若い世代も退屈することなく楽しめるだろう。上映時間も120分以内なのでちょうど良い(いまはTikTokなどの台頭によって長尺の作品は避けられがちだ)。一方でセリフが早口で聞き慣れない言葉のオンパレードとなるため、ウルトラマンシリーズを知らない人にとっては厳しいところも(特に始まってすぐの字幕がついていけない)。
独特なカメラのアングル、長澤まさみの美しさを拝めるシーンも多数(ファンはたまらないでしょう)!ラストはあっさり終わるため後ろ髪を引かれる思いに。是非大きなスクリーンで、製作陣のウルトラマン愛に包まれた世界観を堪能してほしい。

(C)2021「シン・ウルトラマン」製作委員会 (C)円谷プロ

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シン・ウルトラマン

監督:樋口真嗣
企画・脚本:庵准野秀明
准監督:尾上克郎
キャスト斎藤工、長澤まさみ、有岡大貴、早見あかり、田中哲司、西島秀俊、山本耕史、岩松了、嶋田久作、竹野内豊
製作:2022年製作/112分/G/日本
配給:東宝

文/ごとうまき