三谷幸喜 幻の傑作ホラー・コメディー「VAMP SHOW」出演の平埜生成、戸塚純貴 笑いの聖地・大阪で「血ぃ吸うたろか〜」

平埜生成(左)戸塚純貴(右)
エンタメ
パルコ・プロデュース2022『VAMP SHOW ヴァンプショウ』が大阪にやってきた!東京、愛知公演を終えて9月10日(土)11日(日)に大阪・森ノ宮ピロティホールで開催される。なんとチケットはほぼ完売、大好評につき9月11日(日)13:00~大阪千秋楽公演のライブ配信も決定している。
本作は30年前に三谷幸喜が手がけた傑作ホラー・コメディー。初演は1992年、サードステージのプロデュース公演として上演された伝説の舞台だ。西村雅彦、古田新太、池田成志(1992年)、佐々木蔵之介、堺雅人、河原雅彦、橋本じゅん、伊藤俊人(2001年)と当時の若手演技派俳優が出演してきた幻の作品。演出には2001年版で出演した河原雅彦がバトンを引き継いだ。
本公演に出演の平埜生成、戸塚純貴が9月9日に行われた囲み会見に出席、大阪公演での意気込みや、作品への思いなどを訊いた。
ーー東京・愛知の公演を終えての心境、自身の役柄について教えてください。
平埜
稽古場で作り上げてきたものを劇場で披露した時のお客さまのリアクションには感激で、その喜びを噛み締めて大阪にやってきました。僕の役柄は5人の中でリーダー的な立ち位置、といっても“オレについてこい!”というより、優しさや甘えが出てしまうリーダーです。2001年版では佐々木蔵之介さんが演じていた役で、佐々木さんの演技をそのままやろうと思っているのですが近づけない(笑)。先輩たちの背中は大きいです。
戸塚
本作は、ホラー・コメディーというジャンルですが、僕の演じる役はコメディ部分を担っていて、初演では古田新太さん、再演では橋本じゅんさんが演じてこられました。僕の中では大きな壁が立ちはだかっていて…。だけど公演を通して、作品をお客さまと共に作っているという一体感が大きく、お客さまの声が何よりも嬉しいです。

30年経っても色褪せない作品に新たな息吹きが吹き込まれる。

ーー本作の魅力は?
戸塚
30年前に書かれた脚本ですが、そんなふうに感じないくらいです。東京公演に三谷さんが観に来てくださったときに「30年前に好きな人たちだけで作った台本を皆がしっかり演じてくれて嬉しい。」とのお声をいただきました。遊び心や当時の勢いが詰まった楽しい作品。古き良きエネルギー、演劇らしさが感じられる作品です。
平埜
コメディーに加え、ゾクゾクするような、世にも奇怪なホラー要素が詰まっています。三谷さんが脚本・総合演出をされ、20年前に放送された「HR」というドラマが大好きで、上演が決まってから再度観ました。三谷さんの手がける作品は極限状態に追い込まれた人たちの会話のすれ違いや行動、人間の業や面白さが描かれることが多く、そこが魅力的です。本作にも三谷さんのユニークさが詰まっていて、5人の吸血鬼の関係が少しずつ歪んでいくところも見どころの一つです。

笑いの聖地、大阪でのコメディーに期待

大阪では繁昌亭に行って落語をみたいという平埜、大阪でコメディー作品を演じることにプレッシャーも感じるという。
平埜
笑いの聖地・大阪でコメディーをやるというハードルの高さがあるのですが、同時に大阪の笑いに対する姿勢や空気感が大好きなんです。そんな場所で演劇をすることが楽しみ。怖い反面、受け入れてもらえるだろうという安心感もありますね。本作のコメディーとホラーを大阪の皆さんと共有できたら…。

コメディーとホラーは紙一重

ーー三谷さんの作品はコメディー要素が多いのですが、本作でのホラー要素はどんなところですか?
平埜
善人も悪人もいないんです、本当に普通の人、だけどある極限状態に陥った時に踏み外してしまう人間の危うさ、怖さがあって、そういった場面に出くわした時に、その人の持つ本質が出てしまう。例えばそこで人を殺してしまうとか…。人それぞれ違う怖さがでる。面白さと怖さって、紙一重なんですよね。
戸塚
本作では怖いのか、はたまた面白いのか…わからないところがあるんです。自分では怖いと思っている場面が、客席からは笑いが起こったりしています。さっきまで笑っていたけど、気づくと深いところに入っているというスリルもあるんですよね。演出の河原さんもおっしゃってましたが、本当に怖い時って笑ってしまう時があるんですよ。僕自身も演じていて不思議な感覚です。

冒頭のダンスシーンも見どころの一つ

ーー冒頭のダンスシーンは圧巻!本番の一週間前からみんなで猛特訓して仕上げたダンスも見どころの一つと聞きました。
平埜
稽古が終わった後、夜にスタジオを借りてみんなで猛特訓しました。自分達はダンサーじゃないか、と思うくらい頑張りましたね(笑)。大好きな東京ゲゲゲイのMARIE(マリエ)さんの振り付けなので、その時間もとっても楽しかったです。
ーー演出の河原さんについて、また初演と再演、2022年版の違いは?
平埜
元々は役者さんに当て書きして作られた作品です。なので僕達はキャラや見た目も違うので、1992年版と違ったものになっているかと。河原さん自身、演じていた時よりも演出の方が難しいとおっしゃってました。過去の作品を見てくださった方にも懐かしんでもらえる要素も沢山ありますが、一からのスタートぐらいの感覚でいます。
戸塚
河原さんには「とにかく吸血鬼を意識しなさい」と言われました。人間が演じているようにしないこと。とにかく大きく、普通のことをするなと言われましたね。

カンパニーのみんなとの関係性も舞台によって深まる

出演には、平埜、戸塚に、岡山天音、塩野瑛久、尾上寛之、久保田紗友、菅原永二と今をときめく若手実力俳優たちが顔を揃える。本作では5人の関係性、グループ間を意識して作り上げてきたというが、カンパニーの様子についても訊ねた。
ーーカンパニーの雰囲気を教えてください。
平埜
演劇、映像など、それぞれバックボーンが違うものたちが集い絆を深めていきました楽屋でも過ごし方がそれぞれ違うけど終わったらみんなでサウナに行ったりと、みんな自立している。すごく居心地がいいです。
戸塚
同年代が多く、楽屋でも男子校のような感覚です。でも絶対に誰とも一緒に住めないですね(笑)。皆個性的で、いい意味で話が合わないんです。5人でそれぞれが演じる吸血鬼の生き様を話し合う時があったのですがその時も合わなかった(笑)。だけど自分と違う価値観だからこそ、お互いを尊重できる。
平埜
そう。会話というより対話できているんです!

平埜生成(左)戸塚純貴(右)

ーー大阪公演のチケットがほぼ完売!ライブ配信が追加されましたね!
戸塚
大阪公演チケット完売!と聞きほんとうに嬉しいし有難いです。今回劇場に来られない方もいらっしゃると思うので、是非ライブ配信で沢山の方に見ていただきたいです。
平埜
ライブ配信では誰が失敗するかなと気にしています(笑)。一番お客さまに見られている中で、自分含めて誰がミスするのだろうと、ドキドキしています(笑)。僕はまだ全然セリフを言えている自覚がなくって、いつも迷いながら話している(笑)。
もしかして、演出も大阪バージョンになり、少し変化が見られるかも!?

大阪公演に向けての意気込み

平埜
コメディはお客さまありきの劇です。お客さまの笑い声や反応、舞台上から見える景色が直接俳優に影響します。皆さまのエネルギーによって、きっと過去最高のものに、また新たな「VAMP SHOW」になると思っています。頑張りますので、どうぞよろしくお願いします!
戸塚
観てくださるお客さまが楽しんでくださることだけを考えて、みんなで命をかけて作り上げてきました。舞台上で死んでもいいくらいの気持ちで挑んでいます(笑)。皆さまに沢山笑って、泣いて欲しいです!
大阪では、吉本新喜劇や裏難波に遊びに行ってみたいと目を輝かせながら話す戸塚、吉本新喜劇といえば、間寛平の持ちネタ「血ぃ吸うたろかぁ〜」があると記者が言及すると、大阪公演でのアドリブにも意欲的な姿勢を見せてくれた。
2022年版の新たな『VAMP SHOW ヴァンプショウ』、若手演技派俳優たちの織りなす舞台に期待に胸が高鳴る。『VAMP SHOW ヴァンプショウ』は森ノ宮ピロティホールにて、9月10日(土)17:00〜、9月11日(日)13:00〜(9月10日、11日の大阪公演のチケットはほぼ完売、当日券を若干販売予定)
大好評によりライブ配信が決定!
【配信日時】9月11日(日)13:00〜※アーカイブ(見逃し)配信は9月17日(土)23:59まで。【発売期間】9月17日(土)21:00まで。
【主催】関西テレビ放送/サンライズプロモーション大阪
【企画・製作】株式会社パルコ
取材・文・撮影/ごとうまき