【シリーズ完結に向けての序曲】最上級のカーアクション『ワイルド・スピード ジェットブレイク』

(C)2021 Universal Studios. All Rights Reserved.
エンタメ

メガヒットカーアクション「ワイルド・スピード」シリーズの第9作目、『ワイルド・スピード ジェットブレイク』が8月6日から全国劇場で公開中、本作が最終章3部作の1本目、複数あるスピンオフ企画を除いてあと3本であることは発表されている。 20年続いたシリーズが、遂に終わりを迎えるとのことで、今回の「JET BREAK」は完結に向けた準備段階であることがストーリーからもひしひしと伝わってくる。ファンはもちろんのこと、本作から初めて観る人も入りやすく楽しめる内容となっている。

ドミニクと弟の地球規模の壮大な兄弟喧嘩

物語はドミニクの若き頃、父親のサーキット場からスタートする。ここでの「事件」をきっかけにドミニクと弟のジェイコブとの間に確執がうまれ、本作ではジェイコブは敵として現れる。

カスピ海、東京、ヨーダ、エディンバラ、トビリシ、ロンドンなどなど世界中を舞台とした壮大な兄弟喧嘩、キレキレのカーアクションとスリリングなシーンが満載だが、加えて一作目の設定から繋がる人間ドラマが描かれているところも見どころだ。本作は“家族愛”とドミニクとジェイコブの“兄弟愛”に加え、“亡き父への柵からの解放”の物語も描いている。

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超強力磁石を使ったカーアクション、500台以上のクルマが破壊?

本作での車が空を飛ぶのは予告編でも出ているが、このぶっ飛び具合が尋常ではない。4か月かけて作ったという巨大装甲車「アルマジロ」との戦い、さらに超強力磁石で街中のモノや車を引き寄せて破壊するは(ちなみに本作では500台以上の車が破壊、シリーズ9作品で合計1万2000台以上の車を使用し、そのうちの約2500台が破壊されている)、ローマンとテズの二人は遂に宇宙にまで飛んでいくはで、こちとら、この滅茶苦茶ぶりを理解するだけでも眩暈がしそうなのだが・・・・。そう、今作は「アイエス」という、世界を掌握できるデジタ装置の争奪戦、衛星を使う武器のため、なんと宇宙にまで行っちゃうのだ。

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個性的なメンバーたちが愛おしい

お帰り!ハン、そして愉快な3人組

第3作目「ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT」の主人公を含む、凄いジェットエンジンを作っている“車好きの愉快な3人組”が再登場、ジェット級の車の加速の可能性を探求しているのだが、ここがなかなか見もの。

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同じく第三作目での東京の事故で亡くなったと思われたハンも再登場し、エル(日本人キャストのアンナ・サワイ)という本作のキーパーソンも新たに登場する。前作「ワイルド・スピード ICE BREAK」から、シャーリーズ・セロン扮する悪役で“サイバー攻撃を仕掛ける頭脳派”サイファーも登場している。

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ハッキング担当ラムジー(ナタリー・エマニュエル)が魅せる破天荒かつ茶目っ気たっぷりなシーンにはハラハラしながらもその可愛さにキュンとくる!ハンとエルの血のつながらない家族愛にもグッとくる!

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世界中を駆け巡る争い、元犯罪者の心強い助っ人集団が世界中にいることも忘れてはならない。クイーニ―、このマダムが最強で最高にかっこいい!

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また日本に対するオマージュも所々見られたところも◎。日本人から見ると違和感ある設定に、海外から見た日本のイメージがよく映し出されている。

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本作はシリーズ第3作目から第6作目を手掛けたジャスティン・リン監督の復活作、再登場メンバーと新メンバーが集結し、最終章に向けてエンジン全開!本物のカーアクションにこだわり続ける「ワイルド・スピード」シリーズ、今作も筆者の想像をはるかに超えており、アドレナリン出まくりの大興奮だった。ぶっ飛び具合がもぉ〜堪らん!!これぞ超傑作、この臨場感は劇場でしか味わえない。可能であればIMAXで鑑賞してほしいな。

ワイルド・スピード ジェットブレイク

監督:ジャスティン・リン
キャスト:ビン・ディーゼル、ミシェル・ロドリゲス、タイリース・ギブソン、ジョン・シナ
原案:ダニエル・ケイシー ジャスティン・リン
脚本:ジャスティン・リン アルフレッド・ボテーロ ダン・ケイシー
製作:2021年製作/143分/G/アメリカ
配給:東宝東和
原題:Fast & Furious 9

文/ごとうまき