【快挙!】リム・カーワイ監督作品『Come and Go』が 東京国際映画祭にて上映決定!

カム・アンド・ゴー
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昨日、第33回東京国際映画祭 ラインナップ発表記者会見が行われ、Tokyoプレミア2020枠(昨年までのコンペ部門)にリム・カーワイ監督の「Come and Go」が選ばれました。

当メディアは「Come and Go」撮影前のオーディション、撮影、クランクアップの様子を取材しご紹介してきました。

オーディション告知記事

 監督独占インタビュー

come and goのオーディション記事 

クランプアップの記事

そして今回待ちに待った映画の全貌をご紹介します!同時に改めて監督の想いなども聞かせていただきました。なお、東京国際映画祭は2020年10月31日(土)~11月9日(月)まで場所は六本木ヒルズで開催されます。

※チケット 10/24(土)16:00より 映画祭公式サイトにて発売開始

作品公式サイト

~平成から令和へ~ 時代の変わり目、アジア9カ国・地域の人々は大阪の梅田周辺(キタ)で交差し、すれ違う。共生時代を探る、多国籍多言語マルチ視点の群像劇

 

この作品が作られた背景とは

2025年大阪万博が決まり、インバウンドが盛んになり、大阪に住んでいる外国人や観光に来る外国人は増える一方、しかし日本人と外国人の相互理解はなかなか進まず、彼らと私たちの関心事が必ずしも一致するとは言えない現状である。彼らが大阪のキタ周辺の街中で、交差やすれ違いを繰り返す中でいま現在、日本と世界で起きていることや日本と世界の関係、そして日本と世界の問題が垣間見えるようになっている。

この作品は平成最後の年、大阪を舞台にここで暮らしている海外からやってきた外国人と日本人との交流のズレを、そして日常の葛藤を炙り出し描いた多国籍ヒューマンドラマだ。

リム・カーワイ監督からのコメント

リム・カーワイ監督

ずっと自分の心の中で大阪の代表的な場所、”新世界”、”ミナミ”、そして梅田周辺の”キタ”と呼ばれるエリアを舞台にして、日本とアジアの関係をテーマにした「大阪三部作」を作ろうと思っていました。2010年に大阪の新世界を舞台にした日本と中国の関係を描く映画「新世界の夜明け」を制作しました。2013年には難波、心斎橋周辺、大阪では「ミナミ」と呼ばれたエリアを舞台にして日本と香港、韓国との関係を描く映画「恋するミナミ」も制作し、「Come and Go」はその三部作の最終作となります。しかし、前の二作に比べ、今回の映画で描いたアジア諸国・地域の外国人は三倍以上にも増えました。今の日本社会では多くの外国人、特にアジアからの外国人が観光やビジネスといった理由で日本に短期滞在したり、また、難民や外国人労働者や留学生として日本で長期滞在しています。

今の大阪は10年前と比べると、もはや”日本人の大阪”ではなく、”アジア人の大阪”となっているのではないかと感じています。そしてこの大きい変化に対し、日本人は決してうまく対応できているとは言い難いのではないかと。周りには沢山の外国人がいるにも関わらず、日本人がますます内向的になり、彼らの生活や抱えている問題などには無関心な人が多い。だからといって日本人の閉鎖性ばかりを責めるのも違っていて、日本に住んでいる外国人もまた、それぞれの目標に向かって一所懸命に生きようとしている。日本人のことや日本社会の変化にも実は無関心で、皆は同じ場所を行ったり来たりしながら、交差し、すれ違い、永遠に交わらないパラレルワールドに生きているんではないかと。この映画はそういう視点で語られた、同じ場所を彷徨っているアジア9カ国・地域の人々の三日間の物語です。

監督のプロフィール

リム・カーワイ・・・マレーシア生まれ。大阪大学卒業後、通信業界で働いた後、北京電影学院に進学。卒業後、北京にて「アフター・オール・ディーズ・イヤーズ」(2010年)を自主制作し、長編デビュー。

監督作品は「マジック&ロス」(香港)、「新世界の夜明け」(日本)、「恋するミナミ」(日本)、2016年には中国全土で一般公開された商業映画「愛在深秋」のメガホンをとり、最新作はバルカン半島で自主制作した「どこでもない、ここしかない」など、数多くの作品を手掛けている。過去の作品は東京、大阪、台湾、ニューヨークのアート系劇場で特集を組まれたり、日本でも全国一般劇場公開されている。

監督の過去の作品

「Come and Go」はリム・カーワイ監督が「新世界の夜明け」、「恋するミナミ」に続き、日本とアジアの関係を描く大阪三部作の最後一作と位置付けられる。

『Come and Go』あらすじ

春、まだ桜が咲いていない頃に大阪の中崎町にある古い木造のアパートで、白骨化した老婦人の死体が発見された。警察は実況見分で、アパートの周りの捜査や、関係者へ事情聴取を行っていた。
孤独死なのか、または財産絡みの謀殺なのか、いろいろと噂が飛び交うも、事件の真相が徐々に明らかになっていく。そんな中、中国、台湾、韓国からの観光客、マレーシアからのビジネスマン、ネパールの難民、ミャンマー人留学生、ベトナム人技術研修生などの外国人、そして日本人の物語がときに哀愁的に、ときに滑稽的に、ときに倒錯的に、大阪の中心、梅田周辺(キタ)で繰り広げられる。事件の調査が終わるとき、彼らはこの間に起きた自分の人生の中でターニングポイント的な事を経て、それぞれの人生が新たに始まっていく・・・

メインキャスト紹介

李康生(リー・カンション)(台湾)台湾映画の巨匠チャイ・ミンリアン監督の全作品の主役を担当し、出演した全作品はカンヌ国際映画祭やヴェネチア国際映画祭にコンペティション部門に上映される。2013年台湾のアカデミー賞(金馬奨)最優秀男優賞受賞。

シオカン役:台北から定期的に大阪に来て、アダルト関連グッズを買い漁るAVオタク。

リー・カンション

Lien Binh Phat(リアン・ ビン・ファット)(ベトナム)去年ベトナムで大ヒットした映画「Song Lang」(『ソン・ランの響き』)の主役。2018年東京国際映画祭に出品。彼はこの映画で東京ジェムストーン賞受賞。その後、ベトナムアカデミー賞でも最優秀男優賞受賞。ベトナム映画を代表するスターになった。

ナム役:ベトナムからの技術研修生。

リアン・ビン・ファット

JC Chee(マレーシア)マレーシアで中華系映画歴代興行成績第一位を記録した映画「OLA BOLA」(2016年)で主役を演じた。マレーシア中華系スターのナンバーワンになった後、中国、台湾、香港にも進出している。

ウィリウム役:クアラルンプールの大手旅行代理店で勤めている。新しいツアーを企画するために、大阪に出張でやってくる。

JC Chee

Mousam Gurung(ネパール)ネパールの民謡歌手でネパールで絶対的な人気を誇る。今回が映画初出演である。

モウサン役:中崎町にあるカフェで働くイケイケのネパール難民。

Mousam Gurung

Nang Tracy(ミャンマー)ミャンマーで大ヒットした映画「Nya-Night」で主役を演じた後、森崎ウィンと共演した日本・ミャンマー合作のテレビドラマ「My Dream My Life」でも話題に。ミャンマーを代表するファッションモデルでもあり、数多くのファッションブランドのイメージキャラクターも務める。

ミミ役:ミャンマーの留学生。大阪のファッション専門学校に通いながら、スーパーでアルバイトをしている。

Nang Tracy

狗子(中国)リム・カーワイ監督のデビュー作「アフター・オール・ディーズ・イヤーズ」で主役を務める。北京で演劇を手掛けた舞台演出家と脚本家として知られている。

ラオフアン役:中国人観光客。高校の歴史の教員をしていたが退職し訪日ツアーに参加し、初めて日本にやってきた。

狗子

Lee Kwang Soo(韓国)主演作「Father is a dog」は釜山国際映画祭で話題を呼んだ。その後、韓国で数多くのCMに出演し韓国のお茶の間の人気者として広く知られている。

リー役:在日韓国人。釜山で風俗嬢をスカウトし大阪に連れてきている。日本の様々な風俗業界と繋がり女の子を手配するブローカー。

尚玄とLee Kwang SooとDavid Siu

David Siu(香港)香港映画やテレビドラマに欠かせないカメレオン俳優。

張良役:香港人。中国化された香港が一層住みにくくなり、日本人の妻と大阪に引っ越してきた。

千原せいじ(日本)

富岡役:捜査二課の刑事。中崎町で見つかった白骨化した遺体は、最近活動を活発化させている地面師詐欺グループの犯行ではないかと調査を進めることに。

千原せいじ

渡辺真起子(日本)

佳子役:富岡克彦の妻。退屈な生活に耐えられず、日本語学校で難民に日本語を教えるというボランティア活動をしている。

渡辺真起子

兎丸愛美(日本)

マユミ役:徳島の田舎から大都会の大阪に出てくるが、出会いカフェと漫画喫茶で寝泊まりするという生活を繰り返している。

兎丸愛美

桂雀々(日本)

飯田役:退職してから中崎町で一人で暮らし。孤独を紛らわすために「おっさんレンタル」に登録、若い女性から人気を得ている。

桂雀々

尚玄(日本)

竜司役:沖縄出身。中崎町でいつ倒産してもおかしくない冴えないAV制作会社を経営。

望月オーソン(アメリカ)

ケンジ役:日米のハーフ。広島の呉から大阪に出てくるが定職に就かず、様々な派遣の仕事を転々としている。

望月オーソン

メインスタッフなど

撮影:古屋幸一(「ミスター・ロン」、「ボルトの恋人たち」など)
録音/整音松野泉(「ハッピーアワー」、「おっさんのケーフェイ」など)
美術藤原達昭(「光」、「Vision」など)
音楽渡邊崇(「舟に編む」、「お湯を湧かすほどの熱い愛」など)
衣裳碓井章訓
メイク島田幸希、富田允貞
ラインプロデューサー友長勇介
プロダクションマネージャー濱本敏治
助監督神保慶政、鳥井雄人
プロデューサー・監督・脚本・編集リム・カーワイ
エグゼクティブ・プロデューサー毛利英昭、リム・カーワイ
制作会社:Cinema Drifters LLC
制作協力:KANSAIPRESS、株式会社リンクス、Amanto Films
製作/配給:Cinema Drifters LLC
2020年製作/158分/日本語、英語、韓国語、中国語、ベトナム語、ミャンマー語、ネパール語など/ビスタサイズ/5.1ch/DCP
文/ごとうまき