【不朽の名作がリバイバル公開中】アメリカの現代史と共に描かれる映画の真骨頂『フォレスト・ガンプ 一期一会』

(C)1994 by Paramount Pictures.All Rights Reserved.
映画

温かく美しき魔法のような映画。

1994年に公開された『フォレスト・ガンプ 一期一会』が2022年3月に4Kリマスター版でリバイバル公開中。知能指数が低くいじめられっ子のフォレスト・ガンプ、幼馴染ジェミーの言葉をきっかけに俊足を発揮し次々に奇跡を起こしていく。アメリカの現代史とともに描かれるガンフーの数奇な人生と数々の出会いが、見る人の心に深く刻み込まれる。ゆっくりと、じんわりと生きる喜びを噛み締めるようなヒューマンドラマ、Netflixなどでも見られるけれど、やっぱり大スクリーンで、この素晴らしき名作を堪能したい。監督は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のロバート・ゼメキス。主演をトム・ハンクスが務める。

知能指数が規定の数値のり低いフォレスト・ガンプは彼の母親の方針により地元の公立小学校へ通いはじめた。ガンプは足が速く、その才能が大学のアメフトのスカウトの目に留まり、彼はアメフト部のスター選手として活躍。卒業後は軍隊に入りベトナム戦争を経験、仲間の命を救ったことにより勲章を与えられた。除隊後は親友ババと交わした約束を守るためにエビ漁を始め大成功するなど、強運に恵まれる。しかし彼がずっと想いを寄せる幼馴染のジェイミーとの恋は煮え切らないまま。
生きること、愛することの素晴らしさを教えてくれる。

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「人生はチョコレート箱のよう。開けて見ないとわからない」

本作の心に響く名言だ。本作もボックスの中に色鮮やかに包まれた様々な形や味のチョコレートが詰まっていた。それは、母の偉大な愛、エビを愛する親友のことや、ベトナム戦争で不運にも“生き延びてしまった”ダン小隊長、愛する幼馴染ジェニー…。命の尊さ、誰かを愛する喜び…。
そんな人生の悲喜こもごもが全部詰まったチョコレート箱。いやジュエリーボックスのようでもあった。

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本作の見どころの一つ、ガンプの人生と共に描かれるアメリカの現代史(南北戦争から)も勉強になる(保守的な共和党寄りではあるが)。そして本作そのものがアメリカという国を表しているのかもしれない。また本作に散りばめられた懐かしい名曲の数々にも陶酔、さらには歴代の大統領、ジョン・レノン、今や世界を牛耳る巨大企業となった‟果物の会社”など実在する(していた)人物や企業が出てくることにもふっと口元が緩む。

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「gump」とは愚か者を意味する。
頭の弱いガンプ、だけど自分を貫きしっかりと人生を歩んだ。一方でガンプが想い続けるジェニーはしっかりしているが意思が弱く社会に飲み込まれて堕ちていった。
私たち人間は“運命を受け入れること”、“運命を切り開くこと”どちらも必要であると教えてくれている。

フォレスト・ガンプ 一期一会

監督:ロバート・ゼメキス
製作:ウェンディ・フィネルマン スティーブ・ティッシュ スティーブ・スターキー
原作:ウィンストン・グルーム
脚本:エリック・ロス
キャスト:トム・ハンクス、サリー・フィールド、ロビン・ライト、ゲイリー・シニ―ズ
原題:Forrest Gump
製作:1994年製作/142分/PG12/アメリカ
配給:シンカ

文/ごとうまき