【インタビュー】Offo tokyoが描くこれからの展望

J-pop

下北沢発、3人+猫1匹のNew Urban J-popユニット「Offo tokyo(オッフォトーキョー)」。シティポップをベースに、ソウル、ロック、ヒップホップをクロスオーバーさせたサウンドと、アンニュイで独特な歌声で、音楽シーンの早耳リスナーたちを虜にしている。

昨年11月からの5ヶ月連続配信リリースを経て、彼らがついに放った待望の1stデジタルアルバム『Deja-vu(デジャヴ)』。ドラマタイアップ曲「Your Song」やTOYOTA WEB CMソング「TYT」を含む、インディーズ時代からの軌跡を詰め込んだ全24曲の大作だ。「MUSIC AWARD JAPAN 2026」ノミネートなど、今まさに勢いに乗る彼らの現在地を探るべく、メンバーのShota Kaya(Gt&Sax)とSeiya Ozaki(Keys)の二人に、アルバムの制作秘話から意外なプライベートまで話を聞きました。

互いの印象と音楽的ルーツ

――Offo tokyoは「下北沢発」ということで、下北の飲食店などでの出会いが結成のきっかけですよね。

Seiya
実は僕ら二人に関して言うと、最初の出会いは下北沢じゃないんですよ。お互いに大学を卒業した後に通っていた、音楽学校で出会ったんです。大学は別々だったんですけど、その学校の作曲コースでクラスが一緒になって。

Shota
そうそう。年齢も同い年でね。僕は元々下北沢で“Offo”というクリエイター集団をやっていて、学校で出会った Seiyaををそこに引き入れたという形なんです。だから、学生時代からの地続きの関係なんですよね。

――お互いの第一印象はいかがでしたか?

Seiya
正直、最初は「なんか嫌な感じの奴だな」って思いました(笑)。醸し出している雰囲気も含めて。

Shota
(苦笑)。僕は当時、Seiyaのことは何とも思ってなかったよ。あんまり興味もなかったですけど。

――(笑)。最初はかなり温度差があったのですね。

Seiya
僕ら、聴いてきた音楽のルーツがすごく似ていたんですよ。70年代や80年代の洋楽を中心に聴いていて、しかも二人とも作曲コースにいたから、「こいつは一体どんな曲を作るんだろう」って、勝手にライバル視していただけなんですけどね。

――お二人の音楽的なルーツについても詳しく伺いたいです。Seiyaさんは、物心ついた時から音楽が身近にある環境だったのでしょうか?

Seiya
そうですね。家で親が好きな音楽が流れているような環境でした。色々なジャンルの中でも、特に70年代の洋楽が多かった。能動的に聴きにいかなくても、自然と入ってきていた感じです。自宅にピアノがあったので幼稚園から小学校に上がるくらいのタイミングで、クラシックピアノを習い始めました。ただ、当時の先生がものすごく厳しくて。レッスン自体は割とすぐ辞めちゃったんですよ。でも、ピアノ自体は好きだったので、辞めた後も自分で好きなように弾き続けてきました。身近に流れていたポップスなどをコピーして弾いていましたが、J-POPだと、断トツで松任谷由実さんです。この前もShotaと二人でコンサートに行きました。

――Shotaさんの音楽的ルーツは?

Shota
僕は、2000年代(ゼロ年代)のいわゆるJ-POPを自然にテレビなどで聴いて育ちました。当時はまだCDがミリオンセラーを連発して売れていた時代で、歌番組も盛んでしたから。そういったヒットチャートを自然に聴いているうちに、だんだん音楽そのものに興味が湧いてきて、自分で過去の音楽を掘り下げていくようになりました。最初はみんなが聴いているような王道のものからスタートしたんです。最も影響を受けたアーティストはスティーリー・ダン(Steely Dan)ですね。彼らのサウンドにはとてつもない衝撃を受けました。

デタラメな英語から生まれた「Deja-vu」と、24曲特大のプレイリスト

――「Deja-vu」をタイトルに決めた理由を教えてください。

Shota
だいたい歌詞を書く前に、デタラメな英語でメロディーを口ずさみながら曲のプロトタイプを作るんです。その時に、サビの部分で「デジャヴ……」って、自然と口をついて出てきたんですよ。

――直感的なひらめきだったのですね。

Shota
そうなんです。最初から深い意味を持たせていたわけではなくて。ただ、「デジャヴ」という言葉の響きがすごく良いなと思ったので、この曲のタイトルを「Deja-vu」にして、そこからインスピレーションを広げてストーリーを構築していこう、と。

――今回のアルバムは、新曲たちに加えて、インディーズ時代の楽曲やタイアップ曲などを含めた「全24曲」という大ボリュームになっています。曲からご自身のキャリアを振り返っていかがですか?

Shota
24曲というのは、確かにアルバムとしてはかなり多い数字ですよね。でも、自分たちとしては出すペースが早かったのか遅かったのか、あまり実感が湧いていなくて。色々と苦労もありましたけど、「ついにここまで辿り着いた」という大層な感慨に浸る間もなく、あっという間に駆け抜けてきちゃった感覚です。

――アルバムの中盤には、インストゥルメンタル(歌のない楽曲)の「Believe In Billy」も収録されていて、これが良いアクセントになっています。

Shota
そう、それもアルバムならではの挑戦ですね。ジャズっぽくてプログレッシブな、グルーヴ感のあるインスト曲。こういう本格的なインストをちゃんと作ったのは今回が初めてだったかもしれません。たまにこういう曲が挟まることで、アルバム全体に深みが出るというか、良い「差し色」になってくれたなと思います。

――アルバムに収録されている新曲3曲は、それぞれメンバーが楽曲を持ち寄ったそうですね。Seiyaさんは「Saturday Night」で作詞・作曲を担当されていますが、作詞は今回が初めてだったとか。

Seiya
そうなんです。今まで作詞をしたことがなかったので、僕にとっては初めての経験でした。今回は、歌詞の中で唯一登場する一人称、二人称は「You & Me」だけ。「僕」とか「私」ではなく、リスナーの誰しもが主人公になれれば良いなという思いがあります。

――また、アルバムのジャケット写真が下北沢のバーで撮影されていたり「淡島通り」といった具体的な地名が歌詞に出てくるのも、非常に情景が浮かびやすくてエモいです。

Shota
ジャケット写真は、僕らがインディーズ時代からずっとお世話になっている下北沢の バー DUKE Capoをお借りして撮影したんです。以前「Beautiful Life」という曲のミュージックビデオでも使わせていただいた場所で。そういう意味でも、僕らにとっての「デジャヴ(既視感)」なんですよね。淡島通りも、僕らがいつもリアルに行き来している固有の名称を入れることで、聴く人にもリアルな絵が見えやすくなるのかなと思って書きました。

――メジャーデビューを経て、インディーズ時代と比べてお二人の心境に変化はありましたか?

Shota
心境の変化は、驚くほど「ない」ですね。ずっと変わらず、まっすぐ自分たちの音楽をやっています。よくインタビューで聞かれる質問なんですけど、本当にこのテイチクという会社、インペリアルというレーベルが僕たちのスタンスにすごく合っているんです。メジャーになったからといって「ああしろ、こうしろ」ってうるさく行動を制限されることも全くない。インディーズ時代からの地続きのまま、自然とフェーズだけが変わっていったという印象です。

Seiya
もちろん締め切りは厳格にありますけど(笑)、ものすごく良い環境で、自分なりの音楽を自由にやらせていただいています。本当にありがたいことです。

スピ活と仕事人間――丸裸のプライベート

――お二人の「プライベートの趣味」について伺いたいです。音楽以外で今ハマっていることや、休日の過ごし方は?

Seiya
僕は、ズバリ「スピ活」に勤しんでます! 今日も腕に数珠を着けているんですけど、これ、長野県の善光寺で買ったもので。休みができると、まず真っ先に「吉方位(運気が高まる方角)」を調べるんですよ。で、その日の吉方位が長野だったら「よし、善光寺に行こう!」って決めて、開運アクションを起こす。これが僕のプライベートです。

Shota
僕は……本当に何もないんですよね(苦笑)。ライブやメディア稼働がない日は自宅でずっとアレンジや制作作業をしているので、仕事とプライベートの垣根が曖昧なんです。「今からプライベートだからこれをする」という切り替えがなくて、音楽以外の趣味がない。だから、常に仕事が詰まっている現状には、むしろ助けられています。

Seiya
Shotaは本当にストイックで努力家なんですよ。締め切りは絶対に守るし、スケジュール通りにきっちり動く。たまに「この人、一体いつ寝てるんだろう?」って心配になるくらい、簡単に言うと「仕事人間」ですね。

――最後に、ファンの皆さん、そして音楽ファンの皆さんに向けて、Offo tokyoのこれからの展望やメッセージをお願いします。

Seiya
僕たちのライブは、本当に「氣が良い」空間だと思っています。ある種のパワースポットだと思って、神社仏閣を巡るような感覚で、ぜひ気軽に僕たちのライブに足を運んで、音の波動を体感して楽しんでほしいです。

■リリース情報

2026年6月17日(水)1st Digital Album「Deja-vu」(ヨミ:デジャヴ)
収録内容
1. Deja-vu (作詞・作曲:Shota Kaya  編曲:宮野弦士 / Shota Kaya)
2. TYT  (作詞・作曲:Shota Kaya  編曲:Shota Kaya / Shu Inui(ONEly Inc.))
3. シンデレラ (作詞・作曲:Shota Kaya  編曲:Shota Kaya / Shu Inui(ONEly
Inc.))
4. Rainy Day (作詞・作曲:Shota Kaya  編曲:PHI (Re:Brych) /Shota Kaya)
5. 哀とアイスブルー (作詞:Hiira / Shota Kaya 作曲:Shota Kaya 編曲:Shota
Kaya / Shu Inui(ONEly Inc.))
6. Day Drip (作詞:Hiira 作曲:Shota Kaya 編曲:PHI (Re:Brych) /Shota Kaya)
7. さよなら、一生。 (作詞・作曲:Shota Kaya  編曲:Shota Kaya / Shu
Inui(ONEly Inc.))
8. Saturday Night (作詞・作曲・編曲:Seiya Ozaki)
9. Your Song (作詞・作曲:Shota Kaya 編曲:PHI (Re:Brych) / Shota Kaya)
10. COCO TOKYO (作詞:Hiira 作曲:Shota Kaya 編曲:Shu Inui(ONEly Inc.) /
Shota Kaya)
11. Our Life (feat. Swagcky)  (作詞:Hiira / Swagcky 作曲:Hiira / Swagcky / Sho
“Oga” Takahashi 編曲:Swagcky / Sho “Oga” Takahashi / Kemlin)
12. 308 (作詞・作曲:Shota Kaya 編曲:Shota Kaya / Shu Inui(ONEly Inc.))
13. Beautiful Life (作詞・作曲:Shota Kaya 編曲:Shota Kaya / Shu Inui(ONEly
Inc.))
14. Believe In Billy (作曲・編曲:Shota Kaya)
15. Mermaid -Never Ending Summer- (作詞・作曲:Shota Kaya 編曲:Shota Kaya
/ Shu Inui(ONEly Inc.))
16. 世界は今宵を待っている (作詞・作曲:Shota Kaya 編曲:Shota Kaya / Shu
Inui(ONEly Inc.))
17. イカサマ (作詞・作曲:Shota Kaya 編曲:Shota Kaya / Shu Inui(ONEly Inc.))
18. Dreamland (作詞:Hiira 作曲:Shota Kaya 編曲:PHI (Re:Brych) / Shota
Kaya)
19. Lemon & Love Song (作詞・作曲:Shota Kaya 編曲:PHI (Re:Brych) / Shota
Kaya)
20. iiima (作詞:Hiira 作曲:Shota Kaya 編曲: Shota Kaya)
21. Modern Romance (作詞:Hiira, Shota Kaya 作曲:Shota Kaya 編曲:Shota
Kaya / Shu Inui(ONEly Inc.))
22. Weekend (作詞・作曲:Shota Kaya 編曲:Shota Kaya / Shu Inui(ONEly Inc.))
23. shiro (作詞・作曲:Shota Kaya 編曲:Shota Kaya / Shu Inui(ONEly Inc.))
24. Paradise (作詞・作曲・編曲:Shota Kaya)

2026年7月22日(水)配信シングル「倖せのカタチ」
作詞・作曲:Shota Kaya  編曲:Shota Kaya / Shu Inui(ONEly Inc.)
*MBS/TBSドラマイズム「幸せになりたいマサムネ君」エンディング主題歌

■ライブ情報
Offo tokyo Live Tour
Le Sillage · La Romance · Les Secrets

10/9(金) 東京・LIQUIDROOM

10/18(日) 札幌・SOUND CRUE

10/24(土) 福岡・ROOMS

10/25(日) 熊本・NAVARO

11/1(日) 愛知・ell FITS ALL

11/3(火・祝) 大阪・Music Club JANUS

11/7(土) 広島・CAVE-BE

11/14(土) 新潟・Live Hall GOLDEN PIGS BLACK STAGE

11/15(日) 石川・金沢GOLD CREEK

11/21(土) 宮城・ROCKATERIA

11/27(金) 愛媛・W studio RED

チケット情報:https://eplus.jp/offo-tokyo/

 

インタビュー・文・撮影:ごとうまき