【藤井香愛ロングインタビュー】〜豪華作家陣が手がけた等身大の応援歌〜「多くの人に届けたい」」

藤井香愛
アーティスト
演歌歌謡界の若手“超世代歌手”として人気の藤井香愛が2023年1月11日に新曲『夢告鳥』を発売。1月23日付オリコン週間シングル3位、週間USEN HIT演歌/歌謡曲ランキング1位を獲得し、好調なスタートを切っている。昨年末には「第64回輝く!日本レコード大賞 日本作曲家協会選奨」を受賞するなど、ますます注目を集める藤井香愛。そんな彼女をロングインタビュー(当メディアの前回の記事はこちら)。藤井が等身大で向き合う新曲『夢告鳥』のこと、プライベートのこと…沢山深掘りしました。

客席から見ていた夢のステージ、14年後に願いが叶った。

——第64回輝く!日本レコード大賞「日本作曲家協会選奨」の受賞おめでとうございます。あれから1ヶ月経ちましたが、受賞の知らせを初めに聞かれた時の気持ちは?
藤井さん
やはり、すごく嬉しくて心の中でガッツポーズ。涙が溢れました。ちょうど実家で父と、落語のYouTubeを見ている時に電話が。父に報告したら握手してくれ、ちょうど出かけていた母からは、“乾杯して踊りたい♪”とLINEが。ファンの皆さまは誰も想像していなかったみたいで、本当に喜んでくれました。私は本名で活動しているし、子どもの頃から歌手になりたいと話していたので、保育園や学童クラブでお世話になった先生方からも連絡をいただきました。
藤井が子どもの頃から抱いていた歌手という夢を掴んだ姿を見て、多くの人が共に喜んだ。
藤井さん
20歳の頃に“第50回輝く!日本レコード大賞”を客席から観覧していたんです。当時はまだライブハウスで活動している時。歌手になってもレコ大は夢のステージ。“いつかこのような大きなステージに立てたなら…″と、自分が憧れたステージに立って歌っていることが夢のよう。生きててよかった!と最高の気持ちで歌わせていただきました。

新曲『夢告鳥』は藤井香愛の等身大の歌

『夢告鳥』は、前作『一夜桃色』に続き、豪華作家陣が再タッグを組んで手掛けた作品。現代を生きる女性に寄り添った力強いロック歌謡曲となっている。
——今作も『残酷な天使のテーゼ』等を手がけた及川眠子先生の作詞とのこと、詞を初めて読まれた時の感想は?
藤井さん
恋人と別れて未練があったり、誰かを待つという健気な女性が描かれた歌が歌謡曲には多いですが、この作品は違った印象。好きな人をバッサリと切り捨てて、自分の夢に向かって大きく羽ばたいていく、といった自立した素敵な女性の姿が描かれていて、今の時代に合っている曲ですよね。私自身、“歌が恋人”と公言しているので(笑)、とても共感できるところがあり、今の自分にも合った歌詞、曲を頂きました。主人公になりきって歌っています。
——とてもかっこいいロック歌謡曲ですね!
藤井さん
最初、幸先生からいただいたデモを聴いた時は激しくて驚きました。そして編曲をしてくださった坂本昌之先生のアレンジにも感激。それぞれの先生方が今の私を見て、等身大の作品を作ってくださいました。幸先生は、曲作りの段階から、音のキーも細かく決めてくださって、それぞれの先生方が、一つずつ丁寧にヒット曲を作ってくださっていることを間近で見ることもできました。
——歌う時に意識されていることは?
藤井さん
スピード感を意識して歌っています。私は溜めて歌いがちなところがあるのですが、先生のレッスンでは勇気を持って早く歌いなさいと言われていました。なので、カラオケで歌う方がいらっしゃれば、リズムや速さを意識して歌ってもらえたら…。
——MVも、これまでとは違った魅力が。そしてジャケット写真も華やかで素敵。藤井さんのクールビューティーさが際立っていますね。
藤井さん
今回はビニール袋に包まれているシーンがあったりと、ストーリー性のあるMVでこれまでとはガラリと雰囲気が変わりました。ダンスは、竹中夏海先生に振り付けをしていただき、MV、ライブ、それぞれ振りつけは2パターンあるので、どちらも見て楽しんでいただけたら。ジャケット写真については、デビュー作やセカンドシングルでは、まだギャルっぽさが残っていたので、前作、前前作はナチュラルで清楚なイメージに。そして今回は、クールで、とっぽい感じで攻めました。メイクでは優しい雰囲気を出しています。全て幸先生からの提案。とてもありがたいですよね。

カップリング曲『ラストノート』は『一夜桃色』の主人公のその後を描いた大人な曲

——カップリング曲の『ラストノート』は、大人の女心をストレートに歌った歌詞が素敵ですね。
藤井さん
最初、歌詞だけもらったのですが、大人な歌詞に驚きました(笑)。その後、幸先生が歌うデモテープを聴くと、アダルティーさがいい感じに緩和されて、好きな人を思う女心がいい感じに表現されています。懐かしさもあり、ポップスが好きな方にも受け入れてもらいやすい曲ではないでしょうか。また、歌詞の中にある“愛というラストノート″など、及川眠子先生の表現力の豊かさや、歌詞の深い部分も感じていただける作品です。本作は、『一夜桃色』の主人公のその後を書いた物語。片思いが実って2人の愛が始まる…。そしてラストノートとは、香水の一番最後に残る香りのことを意味します。この曲では、好きな人に語りかけるように意識をして歌っています。

お料理を作るのが好き!頂いた食材を使って、自炊を楽しんでいます。

——美しさにますます磨きがかかっている藤井さん、食生活にも気をつけておられるのですね。
藤井さん
ここのところ自炊ばかりで、ずっと外食をしていなくて。お料理は好きで、頂いた食材でいろいろ作っています。この間も里芋のグラタンや、イワシのつみれ汁を作りました。だけど、たまには外食したいですね。レコ大出場までは特にストイックにしていたので、レコ大出場後の翌日の大晦日は、1人でバーガーキングに行って、昼間からビールも飲んじゃいました(笑)。
——活動の幅がさらに広がっていますね。ファンの皆さまへメッセージを、そして2023年の抱負をお願いします。
藤井さん
新曲のキャンペーンなどでは、以前から応援してくださっているファンの方はもちろんのこと、新しいお客さまも来てくださったり、男性ファンの方が奥様や友人を連れてきてくださったりと、皆さまが盛り上げ、広げようとしてくださっているのが伝わってきて嬉しいです。私がいただいた作曲家協会選奨は、これからの活躍を期待される歌手に贈られる賞なので、結果を出していかないと!といった良いプレッシャーも感じています。私がこうして活動できるのも応援してくださるファンの皆さまのおかげ。皆さまが、ずっと楽しんでいただけるように、歌はもちろんのこと、衣装やビジュアル面などでも驚かせ、毎回楽しんでいただけるように私も頑張ります。
2月15日(水)は「大阪流行歌ライブ(心斎橋・BIG CAT) 」での出演、2月23日(木・祝)には藤井の地元・中野サンプラザにてランチショーが行われ、6月17日(土)には5周年コンサートが開催される。中野サンプラザは、藤井も幼い頃から家族とボウリングをしたり、成人式に出席したりと、思い出の場所でもある。その中野サンプラザが7月2日をもって50年の歴史に幕を閉じ、建て替えが行われる。2028年度に「中野サンプラザシティ」が完成する予定だが、ここでもコンサートを行うことが夢だと、藤井は目を輝かせながら話す。新曲「夢告鳥」主人公のように、藤井も大きく羽根を広げて、さらに飛躍していくことだろう。彼女の更なる活躍を期待したい。
インタビュー・文・撮影/ごとうまき