本作はイタリアで大ヒットを記録したコメディ映画。監督脚本にはローマ法王になる日までのダニエレ・ルケッティが監督・脚本を、主演は「マフィアは夏にしか殺(や)らない」など監督としても活躍するピエルフランチェスコ・ディリベルト。
あらすじ
舞台はシチリア島パレルモ。妻と娘息子の四人家族のパオロはいつも通る交差点で事故に遭い命を落としてしまった。死ぬ瞬間に頭をよぎったのは愛した家族や美しい思い出なんかでなく、昔の彼女が言った意味深い言葉やタクシーの順番待ちなど他愛のない事だった。日本で言う「黄泉の国」に行く前の役所のような場所である出発カウンターでパオロは自分の人生の短さとその呆気ない終わり方に不満を漏らす。
驚くことにパウロの寿命に計算ミスがあったというのだが、彼の毎朝飲んでいたスムージージュース(本当に健康的なのか?という皮肉な感情が込められている)分から計算すると延ばしてもらった寿命の時間はたったの1時間32分。
パオロは地上へトンボ帰りすることになるのだが残り短い時間で家族との絆を取り戻し悔いなく天国へ戻れることができるのだろうか?
良くも悪くもイタリアらしい
あなたのことは想っているわ。でも時々ねーー。
イタリア人の男が会えば社交辞令で口説いてくるのは有名な話。主人公パオロも出るわ出るわの不倫歴。娘と同じ学校に通わすお母さんに、同僚やらカフェの店員‥そんな夫に妻のアガタも負けてないけどね。
個人的にはここも楽しめるが、ここは表向きは貞操観念に煩い日本!主人公に対して嫌悪感を示す人もいるのでは!?
今を生きよう、人生楽しもう。
コメディ作品でありながらも哲学的なセリフは意味あるものばかり。
人はいつか必ず死ぬ。分かっているけど、今やるべき事や家族との大切な時間を先延ばしにしたり、そのうちそのうちと言いながらも確実に時間は進んでいく。
そんな本作からは『今を生きよう』『人生楽しもう』という前向きなメッセージ性と日々の忙しさにかまけて、本当に大切な人のことや時間を無駄にしていませんか?という問いかけが込められている。全国で好評上映中!