【OverToneインタビュー】4人の新たな一歩「友達からビジネスパートナーへ」

アーティスト

メジャーデビュー4年目を迎えた大阪発の4人組、OverTone(読み:オーバートーン、メンバー:GUCCHI、アマノ、八上和希、NOWAR The 匠)が、DIGITAL EPアルバム『ライト』をリリースした。聴きやすさとポップさを追求した今作は、彼らの新たな挑戦の結晶だ。全曲メジャーキーで彩られた明るい楽曲群と日常に寄り添う歌詞が特徴で、ツアーへの意気込みや個性が光る制作秘話、未来への展望を語ってもらった。卒業シーズンにちなんで“卒業したいこと”まで飛び出した、飾らない4人のインタビューをお届けします。

楽曲について

── 今回のアルバムのテーマは?

GUCCHI
一番のテーマは「聴きやすさ」です。気軽に楽しんでもらえる曲を揃えたので、タイトルも『ライト』にしました。全部メジャーキーで統一し、比喩表現も最初に思いついたものを採用して、分かりやすさを意識しました。今回は良い意味でバラエティに富みすぎないリストになっていますね。

── 確かに。全曲がポップ調で聴きやすいですね。『週末レイジー』は冒頭から耳に馴染みがよく、一度聴くと頭から離れません。この曲はアマノさんが手がけたんですよね?

アマノ
GUCCHIの歌詞は詩的で、意味を考えながら聴きたくなるものが多いんですが、僕はそういう言葉選びが得意じゃなくて、語彙力もあまりないんです。だからこそ今回のコンセプトに合っていたのかなと思います。誰でも共感できるような日常の思いや考えを曲に落とし込みました。

── MVもポップで楽しい雰囲気ですが、撮影時の印象的なエピソードがあれば教えてください。

八上和希(以下、八上)
監督が若い女性の方で、NHKのアニメ番組を思わせる懐かしさがありつつ、トレンドも取り入れた仕上がりになっています。何度見ても飽きませんね。撮影自体も新鮮で本当に楽しかったし、これまでになかったモチベーションで取り組めました。しかも僕の大好きなピザを用意してくださっていて、MVでもそのピザを食べているシーンがあるんですよ。

NOWAR The 匠(以下、匠)
僕は新聞紙が散らばった場所を掃除機でキレイにして、みんなの部屋を片付けていくという設定でした。メンバーの性格やキャラクターが反映されていて面白いですよ。

──『ウェディングソング』も4人のハーモニーがとても綺麗ですね。歌う上で意識していることはありますか?

アマノ
「結婚式当日に流してほしい曲」をテーマにした曲なので、喜びや感動をイメージした声色を意識しています。

GUCCHI
リズムが跳ねる感じの曲なので、跳ねるように笑顔で歌うことを心がけていますね。

GUCCHIが笑顔で跳ねてる姿、想像できないなぁ(笑)。アニメーションのMVは監督とたくさん話し合って作りました。最初は何か分からないものが少しずつ成長していって、最後にどうなるのか、見る人を引きつける構成になっています。ちゃんと最後まで見てもらえるよう、物語の主人公もあえて人じゃないものにしました。

── この5曲の中で印象的な曲や共感できる曲はありますか?

八上
『ノラ猫体質』ですね。GUCCHIがデモを送ってきてくれた時点で、これは絶対リリースしたいと思いました。

『シャンディガフ』は、僕がお酒をそんなに飲めるタイプじゃないので歌詞に共感します。「とりあえず生!」って言いたいけど、苦いから実は飲みたくなくて、せめてシャンディガフにしようかなって思う気持ちがリアルにあったんですよ。

アマノ
僕も『シャンディガフ』です。匠くんと一緒でお酒が飲めないタイプで、GUCCHIが曲を作るまでシャンディガフの存在すら知らなかったんです。最後の大サビ後の全員で歌う部分は、居酒屋で片思いの友達を囲んでワイワイ楽しんでいる情景が浮かんで、少し感動します。ライブでも盛り上がりそうです!

── 音楽制作において、GUCCHIさんが影響を受けたアーティストや、曲作りで大切にしていることはありますか?

GUCCHI
影響を受けたアーティストはたくさんいますが、歌詞に関してはクリープハイプさんが大きいですね。文学的で、何度も聴くうちに理解が深まるようなところが好きで、憧れています。僕もそんな歌詞を書きたいです。曲作りではまずテーマを決めて、そこから浮かんだアイデアをすぐ書くようにしています。

ツアーへの思い

── アルバムを引っ提げたツアーが始まっていますが、皆さんがライブで大切にしていることを教えてください!

GUCCHI
僕は“一人一人に歌を届ける”ことを意識しています。だからできるだけお客さん全員の目を見て歌うようにしています。

アマノ
自分が楽しめていないと見ている人も楽しめないと思うので、自分が一番楽しんでいる姿を見せることを常に意識しています。

八上
僕もアマノと全く同じです。自分が楽しんでいる姿が伝染すると信じているので、来てくれた人に楽しんでほしいし、「来てよかった」と思ってもらえるようにしています。目の前の人に届けるのはもちろんですが、例えば200人規模のライブハウスでも、大阪城ホールぐらいの気持ちで歌っています。この会場を超えて外の人まで届けるつもりで叫ぶイメージですね。

──今回のツアーに期待していることや魅力を教えてください。

八上
今までと同じことをやっていても仕方ないと思っています。僕たちはバンドじゃないのでアドリブで曲をつなぐのは難しいですが、次の曲への流れを試行錯誤しながら工夫していきたいです。

GUCCHI
細かい演出はもちろん、楽しさと感動が僕らの2大テーマです。『ライト』にちなんで、ポップさも出せたらいいなと思っています。

今回の『ライト』EPのツアーなので、楽曲の明るさと僕らの明るさをステージでしっかり出していきたいですね。

── 八上さんはものまね王座決定戦に出演されてから、ご自身の思いや歌への向き合い方に変化はありましたか?

八上
ちょっと悪い言い方になりますが、出る前は「僕はプロの歌手だから、モノマネなんてプロがやるものじゃない」と思っていました。でも実際にやってみたら、モノマネされているアーティストの皆さんの歌へのストイックさがすごくて。プロの歌手でありながらモノマネのプロでもあるんだと気付きました。知らなかった世界を見られたし、経験する前に拒否するのはやめようと痛感しましたね。今もモノマネの練習を続けていますが、全ての人に敬意を払い、謙虚に取り組む気持ちが以前より強くなりました。

オバトンのこれから

──3月と言えば卒業シーズンですが、2025年に皆さんが卒業したいことを教えてください!

八上
僕は甘いものを卒業します!大好きな甘いものかお酒、どちらかをやめようと思っていて。砂糖って依存性が高いから、やめてしまえば楽になるかなと。8月31日の心斎橋BIGCATでのライブまでにはやめます!

ソファーで寝落ちするのを卒業したいです。ちゃんとベッドで寝た方が疲れが取れると分かっているのに、動けなくなって結局ソファーで寝ちゃうんですよね。

アマノ
収集癖と散財癖を卒業したいです。高いものでも「これいるかも」と思うと、あまり考えずに買っちゃうんです。収入と支出を計算せず、「分割ならいけるかな」と買ってしまう(笑)。最悪のパターンで、どんどん生活が苦しくなってます。最近はMacBookの高級なパソコンを買ったけど、その前にMac miniのデスクトップも持ってるんです。あとカメラも、レンズが安いと思ったらつい買っちゃうので、今は見ないようにしています。

GUCCHI
僕はダラダラ癖を克服したいです。めっちゃ出不精なんですよ。体が資本だからウォーキングを始めようとして3日で終わってしまいましたが、食生活も見直したいと思っています。

── メジャーデビュー4年目、今後の展望や目標を教えてください。

八上
8月31日に心斎橋BIGCATでワンマンライブが決まっています。これまで全国ツアーをしたり大きな会場でもやってきましたが、まだチケットをSOLDOUTさせたことがなくて、それが自信につながらない部分があります。今はとにかく心斎橋BIGCATのSOLDOUTを目指して頑張っています。

その前に3月15日からのツアーをSOLDOUTさせて、いいスタートを切りたいですね。

アマノ
僕たちは大阪出身で大阪を拠点に活動しているので、ゆくゆくは大阪城ホールでワンマンライブをするのが大きな目標です。去年、イベントのオープニングアクトで1曲だけ大阪城ホールで歌った時、大きい会場が映えるグループだと客観的に感じました。

GUCCHI
結成8年目ですが、最初は調子が良かったと思います。400〜500人くらいお客さんが入っていたけど、コロナで一度ゼロになって、やる気も落ちたりいろんなことがありました。でもやっとここまで戻ってきて、「もっと上を目指そうぜ!」と言えるようになった。無駄なことは何もなかったと思います。

──  4人の関係性は結成当初からどう変化しましたか?

GUCCHI
いい意味で、ただの友達じゃなくなり、ビジネスパートナーになっていったと思います。特にコロナ禍あたりからですね。

アマノ
それぞれできることが増えて、自然と役割分担ができてきました。曲作りはGUCCHI、僕は映像やSNS、匠くんはTikTokの「全員次男」などの編集やアイデア、八上はモノマネとか露出の部分を担っています。昔はみんな平均的にやってたことが、今はそれぞれ特化できるようになったのは進歩ですよね。

── 最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします!

この記事を読んで、少しでも「一緒にOverToneを応援しよう」って思ってもらえたら嬉しいです!ファンの皆さんと一緒に2025年を突っ走りたいので、よろしくお願いします。

インタビュー・文・撮影:ごとうまき