まるでアレサ・フランクリンが憑依したようなジェニファーの熱演に胸が高鳴る
11月5日から公開され絶賛上映中のソウルの女王アレサ・フランクリンの半生を演じた伝記ドラマ『リスペクト』 少女の頃から、天賦の歌唱力で人々を魅了し続けてきたアレサは、ショービズ界でスターとしての成功を収める。しかし、彼女の成功の裏には、尊敬する父の裏の顔や、あまりにも若すぎる年齢での妊娠・出産、そして夫からの強烈な束縛や裏切りがあった。全てを投げ売り0からの出発をしたアレサの魂の叫びを込めた圧倒的な歌声に世界中が愛した。1972年1月13日、14日、ロサンゼルスのニュー・テンプル・ミッショナリー・バプティスト教会で行われたライブ『アメイジング・グレイス』の様子を撮影した映画が今年5月に劇場公開、11月5日にはDVDリリースとデジタル配信も開始、本作と併せて観てみるとより楽しめる内容になっている。アレサ本人から生前に指名されたハドソンがアレサ役を演じ、フォレスト・ウィテカー、マーロン・ウェイアンズ、メアリー・J・ブライジらが顔をそろえる。
前述した通り、当時公開されなかったロサンゼルスのニュー・テンプル・ ミッショナリー・ バプティスト教会でおこなわれたアレサのライブ映像が映画として 公開されたのが「アメイジング・グレイス アレサ・フランクリン」(2021)
緊急事態宣言下で観た人がそう多くないはずだけど、この作品と本作のラストが繋がっている。
え? と耳を疑うような衝撃的な人生を送ったアレサ
物語は1950年代から1972年のロサンゼルスのニュー・テンプル・ ミッショナリー・ バプティスト教会でおこなわれたアレサのライブまでが描かれている。1950年代といえば黒人女性が社会進出するのに困難な時代であり、公民権運動が盛んになる前だ。彼女の華々しい活躍の裏には人種差別や男尊女卑、性的虐待やDV、公民権運動への関わりやアルコール依存症、そして宗教をめぐる自身の葛藤があったのだ。自身が黒人であることに差別を受ける一方で、アレサは自身の歌に合う白人たちのミュージシャンのバンドを真っ先に受け入れ、人種の壁を越えたのだ。
個人的な感想としては途中で中だるみしてしまったり、 長く感じたりした為、伝記ドラマとしての評価はまぁまぁと言ったと ころでしょうか。しかしながらジェニファー・ハドソンの歌声には痺れます(やはりアレサには負けます。アレサのライブ映像程の胸の高鳴りは感じなかったですが)!素晴らしい歌唱力!これは絶対に劇場の大きなスクリーンで観るべき作品です。
リスペクト
監督:リーズル・トミー
キャスト:ジェニファー・ハドソン、フォレスト・ウィテカー、マーロン・ウェイアンズ、メアリー・J・ブライジ
脚本:トレイシー・スコット・ウィルソン
製作:2021年製作/146分/G/アメリカ
配給:ギャガ
原題:Respect
オフィシャルサイト:映画『リスペクト』公式サイト (gaga.ne.jp)
文/ごとうまき