【高杉ロミオは真っ直ぐで情熱的!!】高杉真宙、純粋なロミオに寄り添いたい。

インタビュー
 世界で最も有名な劇作家シェイクスピアによる不朽の名作『ロミオとジュリエット』が、9月29日(金)〜10月1日(日)大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演される。演出に故 蜷川幸雄氏の演出助手・演出補として、氏の手掛けるシェイクスピア劇を一番間近で体感してきた井上尊晶を迎え、主演のロミオ役をドラマ・映画・舞台で活躍中の高杉真宙が、ジュリエット役を若手実力派の藤野涼子が演じる。今回、公演に先立ち高杉真宙が取材会に出席。作品や役について、自身の恋愛観などについても語ってもらった。高杉が役に対して、常に真摯に取り組む姿勢が伝わる取材となった。

歌っているかのような台詞が魅力的

── 世界中で知られる不朽の名作『ロミオとジュリエット』のロミオ役のオファーをいただいた時の心境は?
高杉
多くの人に長年愛され、いろんな方が演じてきた作品だからこそとても緊張し、どのように演じれば良いか、最初は想像がつきませんでした。以前からシェイクスピアの作品には出たいと思っていて、中でも『ロミオとジュリエット』は若い人たちの物語。ロミオと年齢が近い自分が演じられること、とても楽しみにしています。また、今回演じるにあたって、敢えてこれまで演じてこられた『ロミオとジュリエット』の作品は見ないようにしています。
── シェイクスピア作品の魅力はどんなところにありますか?
高杉
台詞が詩で、まるで歌っているかのよう。伝えたいこと一つにしても、何十行に膨らませてやっと“好き”を伝えています。だからこそ、たまに分かりづらいなと思う時もありますが(笑)。舞台や映像作品、音楽にしても、常に見る側の協力が必要だと思っています。見る人、受け取る側の人たちによって作られたものがやっと完成するのだとそういった人々の感情を後押ししてくれるような台詞が魅力的ですね。
── まだお稽古前とのことですが、現段階で演出の井上尊晶さんとお話をされて印象に残っていることは?
 
高杉
井上さんは「まだ何も決めていない。」とおっしゃっていて、でもそれで良かったと僕は思っています。役者にはそれぞれの意思、やりたい気持ちがあって、そこを丁寧に見て、尊重してくださる方なのだと思います。
── スマートフォン一つで簡単に繋がれる現代において、“純愛”はとても珍しいのではないかと。“純愛”について高杉さんはどう感じますか?
 
高杉
どの時代でも不便だなぁ、と思います。どうなったら幸せなのでしょうね。上手く連絡を取り合える環境にいても、距離感やコミュニケーションに悩む人も多いから。物理的に繋がっているように感じても、心の距離感は遠いままだったり。逆に今のように、簡単に連絡を取れない、不便な時代は、相手の知らない部分や時間が多くなり、心の距離が近くなるのかもしれませんね。

“高杉ロミオ”はアホな子!?

──いまの段階で、ロミオはどんな人で、どんな風にロミオを演じようと考えられておられますか?
高杉
ロミオってアホな子だなぁ〜って、台本を読んで思っているんです(笑)。でもそれって悪いことではなくて、それくらい夢中になって、情熱を注げるほど純粋な心を持っているということ。無我夢中になると客観視できませんから。特に10代だと尚更。そんな純粋なロミオに僕はどれだけ寄り添えるか……僕のロミオはアホな子です(笑)。
──そんなロミオに共感しますか?または人や動物でもいいので、我を忘れるほどに一目惚れするようなことは過去にありましたか?
 
高杉
一目惚れに関しては、これまでに一度もないんですよね〜。共感するかと言われると、その時点で自分を客観視していることになるので、純粋で真っ直ぐなロミオを演じるためにもなるべく客観視しないようにしています。
── ロミオという役を演じる上で、他に意識されていることはありますか?
高杉
役を深めるというより、ロミオという人物を真っ直ぐに受け止め、真っ直ぐに放つ!ということを意識しようと。そして台詞の意味をしっかりと理解し、周りとの信頼関係を築きながら、そこから生まれていくものを大事にしたいと思っています。もう一つ、世界観を小さくしないようにと思っています。世界観を大きくするほど悲劇は大きくなるんじゃないかと。
── 高杉さんから見て、ジュリエット役の藤野涼子さんはどのようなジュリエットに写っていますか?
 
高杉
藤野さんとは写真撮影や本読みでしかご一緒しておらず、まだ藤野さんのことを多く知ることができていないのですが、すごく大きな愛を感じます。だからこそロミオとジュリエットは惹かれ合うのかなと。自分の中で、人見知りやめようキャンペーンをしているので(笑)頑張って年上ヅラして藤野さんと沢山お話ができればと思います。

僕を通じていろんな作品や役に出会ってもらえたら

── 映像とは違った舞台の魅力とは?
高杉
それぞれ良いところがありますが、舞台は自分の立ち位置を客観視できる。映像と違って全身を見られ、台詞がない時も見られているので、舞台に立っている間は全てがお芝居だと。
── 今いろんなドラマにご出演されていますが、高杉さんをドラマで見た方がわ舞台を観に来る場合もあると思います。映像と舞台、それぞれへの取り組み方の違いや、ここを見てほしい!という部分があれば教えてください。
高杉
僕なんか観に来なくていいですよ(笑)。もちろん僕目当てで来てくださることもとっても嬉しいですが、僕を通じていろんな作品や役に出会ってもらい、作品ごと愛してもらえたらこんなに嬉しいことはないです。
── 映像作品、舞台作品それぞれを行うことで、自身のスキルなどが高まっているという実感はありますか?
高杉
ないですね。毎回新たな作品に取り組むたびに、“経験を積んだから大丈夫”という気持ちにはならないし、緊張感があります。少しずつ、下の世代とも絡むことが多くなってきた中で思うのが、役者の先輩たちは、どのようにして先輩たちになったのだろうと……。僕が見てきた先輩達のようになることが今の課題です。
──大阪で楽しみにしていること、公演を楽しみにしている方へのメッセージをお願いします。
高杉
関西の方達はとても温かい人が多いですよね。大阪では特に食事が楽しみで、大阪に来る度に“美味しいなぁ〜”としみじみ。いつも新大阪駅でたこ焼きを20個ぐらい買って、ホテルで一人で食べてます(笑)。『ロミオとジュリエット』は長年愛され、多くの人が知っている物語ですが、読み手、演じ手の受け取り方によっても、作品が変わります。これまでに作品をご覧になっていない方はもちろんのこと、何度もご覧になった方も楽しんでいただける作品となっていますので、是非劇場にお越しください。
取材・文・撮影/ごとうまき