【a flood of circle 佐々木亮介インタビュー】 10年ぶりの日比谷野外大音楽堂ライブ!「ファンの皆と人生の答え合わせをしたい」

アーティスト

 2024年3月13日に発売されたa flood of circle の15周年記念ミニアルバム「CANDLE SONGS」。今作はASIAN KUNG -FU GENERATIONの後藤正文さんがプロデュースした「キャンドルソング」を含む全5曲が収録されている。そして2024年に8月12日にはa flood of circle デビュー15周年記念公演“LIVE AT 日比谷野外大音楽堂”が開催される。関西プレスに2回目の登場となる佐々木亮介さんに「CANDLE SONGS」 の楽曲や記念公演にかける思いを語ってもらいました。

尊敬する人と制作

── 今回のアルバムのテーマは?

佐々木
「キャンドルソング」を全面に出したくて。昨年リリースしたアルバム「花降る空に不滅の歌を」では、自分を出し切って空っぽになった状態だったので、今回は誰かと、それも自分が尊敬するバンドマンと制作したかったんです。

── その一つが昨年の秋にリリースしたホリエアツシさんプロデュースの「ゴールド・ディガーズ」ですね。ASIAN KUNG -FU GENERATIONの後藤さんのプロデュースはどのように実現したのでしょう?

佐々木
昨年の夏、ROTH BART BARONの日比谷野音でゴッチさん(後藤)と再会して話が盛り上がって、プロデュースをお願いしました。ゴッチさんのことは音作りも素晴らしくて、バンドマンとしてもエンジニアとしても尊敬していますね。ゴッチさんのことを最初に知ったのは高校一年生の時。当時、通っていた高校の近くのミニストップのイートインコーナーで、遅刻した時とかチョコチップスティックを食べながら心を落ち着かせていたんです。その時に流れていたのがASIAN KUNG -FU GENERATIONの「未来の破片」。もう、めちゃくちゃカッコ良くて衝撃を受けて……。そこからASIAN KUNG -FU GENERATIONが大好きになりました。

── 「キャンドルソング」はどのようにして生まれましたか?

佐々木
先に曲を作りました。サビの「ゆらゆら」の部分は違う部分のパートに使ってたんですけど、この部分をサビにしたほうがグッとくるよ、とゴッチさんがアレンジしてくれて。歌詞に関してはレコーディングの当日ギリギリまで悩んで書きました。人生に悩んでいることがあって、ある時言葉になる。何かのきっかけで楽になった時にポンって出てくるんですけど、ゴッチさんもその気持ちをわかってくれて嬉しかったです。

── 後藤さんと今回ご一緒していかがでしたか?

佐々木
夢のような時間でしたね。ゴッチさんは洋楽にも造詣が深く、研究されていて。“フラッドで洋楽のこんな感じをできたらカッコイイね!”とか、あんなこともこんなこともやってみたいって言ってくれて、俺もワクワクしっぱなしでした。ゴッチさんには10曲ぐらいのデモを送って、そこから一番良い曲を選んでもらったのですけど洋楽っぽい曲ではなく、日本的でシンプルでエモーショナルなコードの曲だったのが意外でしたね。

── MVもとてもカッコよくて素敵ですよね。どこの雪山ですか?

佐々木
福島の磐梯山で撮影しました。自分のルーツが宮城なので、東北らしい植物がいっぱいあって東北の雪山で撮ったのはしっくりきたし、自分らしいMVになりましたね。

天国に旅立ったファンに向けて

──「おやすみシュガー」にはどんな意味が込められているのでしょうか。

佐々木
11月にBRAHMAN(ブラフマン)と福島でライブをした帰りの電車の中で、ファンからもらった手紙を読んで、手紙をくれた人と一緒に応援してくれていたファンが天国に旅立ったという内容で、15年やっているとそういうこともあるんだなと……。いろいろ考えさせられ、その想いを詞にしました。“シュガー”は家で料理している時に砂糖壺をひっくり返してしまってそこから生まれたものです。

── 料理がお好きなんですね!

佐々木
料理って言い訳になるから。自分に必要なものだって言い聞かせられる。だけど音楽に対してはたまに“意味あるのかな?”って思ってしまう時もあるから……。掃除や料理が好きなのはそういった理由があるからかもしれません。ちなみに得意な料理はカレーや煮付けです。

── 「Happy Yappy Blood Hunt」や「ギター(羽あり)」はライブでも盛り上がりそうです。

佐々木
「Happy Yappy Blood Hunt」は演奏メインで考えて作りました。「ギター(羽あり)」はギターのテツ(アオキテツ)に思いっきりギターを弾いてほしくて書きました。というのも昨年、原因不明の症状で入院していて……。テツには悪いけどその時は、もしかして3人でやることになるんじゃないか、解散もあるんじゃないかって思ってしまって。無事戻ってきてくれたので、テツの快気祝いの曲となりました!

佐々木
「冬の終わり、マウンテンデュー、一瞬について」はテツの退院や、ファンの死、ゴッチさんとの制作など……他の曲は自分の中でテーマを決めて作っていたので、この曲だけはテーマを定めず、ただ、自分が感じていることを歌にしたくて書きました。

10年ぶりの日比谷野外大音楽堂、新しいフラッドも見せていきたい

── 現在、CANDLE SONGS -日比谷野外大音楽堂への道-のツアー真っ只中ですね。6月9日には大阪梅田TRAD、7月11日には大阪・梅田CLUB QUATTROでthe pillows との対バンライブも開催されますが、今回の見どころは?

佐々木
「CANDLE SONGS 」の5曲はもちろんのこと、15周年なのでこれまでの歌もセットリストに入れる予定です。8月12日に予定している“LIVE AT 日比谷野外大音楽堂”を特別なライブにしたいので、もう無理だ!っていうところまでやろうと決めています。

── 日比谷野外大音楽堂もやっと当選したとのこと、10年ぶりに立たれるんですね。

佐々木
はい、10年ぶりにフラッドの番が巡ってきた!って感じです。10年前に立ったあの時からメンバーも変わって、事務所を作って、いろんな事を乗り越えてきました。こういったものがツアーでも滲み出るでしょうし、野音でもこの15年を見せられるような最高のライブにします!それにファンのみんなにもそれぞれの人生があって、“この15年いろいろあったよね”って、人生の答え合わせができるんじゃないかな。「キャンドルソング 」もそのためにある。僕たちの“新しいもの”を見せていきたいです。

結成20周年の年は武道館に立つ!

── デビューした15年前、当時の佐々木さんはどんな感じで、どんな希望を抱いていましたか?

佐々木
ファーストアルバムの「僕を問う」とか聴くと、当時から歌っていることが全く変わっていないんですよね(笑)。その時から歌うべきことやテーマが決まっていたのかもかもしれないですね。ただ、今よりもっと自分に自信がなかった。当時いたメンバーの中では俺はリードされる側で、頼りにしていたメンバーの1人がデビュー1年目で失踪してしまったりということもあって。きっと俺は完成してからデビューしたわけでもなく、単にラッキーなだけだったのかもしれません。デビューしてから俺の人生がようやく始まったんだと思うんです。

佐々木
当時は武道館でのライブもすぐに叶うって思っていましたから。それにバンドって同じメンバーでずっといくものだって思っていたから、辞める人がいるなんて思ってなかった。今ならその意味もよく分かるんですけどね。

── 今後の目標はありますか?

佐々木
2年後、武道館に立ちたいと決めています。2年後はバンド結成20周年でもあるし、俺やドラムのなべちゃんは40歳という節目の歳を迎えます。売れてることや武道館に立つことがバンドの全てではないかもしれないけれど、俺は武道館に立ちたいし、大勢の人に観に来てもらいたいし成功させたい。もしかして、何千万という借金を抱えるだけになってしまうかもしれないけれど(笑)。それでも覚悟を決めて進んでいきます!

【リリース情報】

2024年3月13日(水)リリース
「CANDLE SONGS」

初回限定盤:CD(EP盤)+DVD
価格:¥¥5,500(税抜価格 ¥5,000)
品番:TECI-1821

通常版:CD(EP盤)
価格:¥2,750(税抜価格 ¥2,500)
品番:TECI-1822

<収録曲>
01. キャンドルソング
02.Happy Yappy Blood Hunt
03.おやすみシュガー
04.ギター(羽あり)
05.冬の終わり、マウンテンデュー、一瞬について

▼DVD収録内容(初回限定盤のみ)
2023.9.7 thu 新代田FEVER
Mini Album「a flood of circle」「泥水のメロディー」再現ライブ ~2023.09.07 Live at LIVE HOUSE FEVER~

【ライブ情報】

「CANDLE SONGS -日比谷野外大音楽堂への道-」
2024年6月05日(水) 香川・高松 DIME
2024年6月07日(金) 福岡・OP’s
2024年6月09日(日) 大阪・梅田 TRAD
2024年6月13日(木) 東京・恵比寿 LIQUIDROOM
2024年7月11日(木) 大阪・梅田 CLUB QUATTRO(ゲスト:the pillows)
2024年7月18日(木) 愛知・名古屋 BOTTOM LINE(ゲスト:cinema staff)
2024年7月21日(日) 神奈川・横浜 BAY HALL(ゲスト:9mm Parabellum Bullet)

「a flood of circleデビュー15周年記念公演 “LIVE AT 日比谷野外大音楽堂”」
2024年8月12日(月祝) 東京・日比谷野外大音楽堂
OPEN 16:00 / START 17:00

▼チケット料金
一般前売 ¥5,000<Tシャツ付き:一般前売 ¥8,500(送料込)>
U22割 ¥2,500<Tシャツ付き:U22割 ¥6,000(送料込)>

▼チケット一般発売中
チケットぴあ https://t.pia.jp/
ローチケ https://l-tike.com/
e+ https://eplus.jp/

a flood of circle オフィシャルサイト:http://www.afloodofcircle.com/
a flood of circle 公式X:https://x.com/afoc_official
テイチクエンタテインメント:https://www.teichiku.co.jp/

インタビュー・文・撮影・ごとうまき