【浅田あつこインタビュー】デビュー30周年イベントに向けて高校生達が衣装を製作!

アーティスト

関西を拠点に活動する歌手・浅田あつこが2024年6月4日にデビュー30周年記念曲「道行き」をリリースした。11月06日には「30周年記念アルバム~道行き~」も発売され、「海峡雪しぐれ」「紅い川」「雨やどり夢やどり」「大阪おばけ」など、全16曲が収録予定。「道行き」は、作詞をもず唱平氏、作曲を弦哲也氏が手がけ、男女の情愛と命の尊さをテーマにした今作は、これまでの浅田の作品とは趣を変えた曲となっている。またリリースとともに、現役高校生と一緒に行う衣装プロジェクトも企画され、来月にはその衣装がお披露目される。新曲についての思いやプロジェクトなどを中心にお話を伺いました。

30周年記念曲は遊女の恋を描いた前向きな歌

── 今作は遊女の恋がテーマですね。作品に対しての思いを教えてください。

浅田
厳しい遊女の世界で生きる主人公が好きな男性と恋に落ちます。相手に心中しようと言われるのですが、心中はしません。いま起こっている現実を受け止めて、一緒に乗り越え2人で生きていこうとする、前向きな愛の歌。“命を粗末にしてはいけない”というメッセージソングでもあります。曲をいただいたとき、30周年という記念すべき年に相応しい作品だと思いました。歌詞を噛み締めながら、歌詞を間違えないよう集中して歌っています!

── 今作は作詞をもず唱平先生、作曲を弦哲也先生が手がけておられますが、お二人の先生とはどのようなやり取りをされましたか?

浅田
もず唱平先生には、これまで周年毎に手がけていただきました。弦哲也先生とは、「演歌ルネッサンス」という大会でご縁をいただき、「雨宿り、夢宿り」「大阪おばけ」でお世話になりました。今回、弦先生とは久々にお会いしたのですが「小節がよく回るね〜」と、お褒めの言葉をいただき、幸せな雰囲気の中でレコーディングしました。先生に成長した姿を見ていただくことができて良かったです。

浅田
もず先生には、娘のように可愛がっていただいていて、何かあったらすぐにお電話をくださいます。30周年記念曲にもとても力を入れてくださり、「これからも頑張っていこうな」と、温かいお言葉をいただきました。

世界に一つだけの衣装を高校生が製作!

──大阪府立泉尾工業高等学校ファッション工学科の生徒に衣装を依頼されたとのこと。10月16日に国立文楽劇場小ホールで開催される〜芸能生活30周年 桂春蝶・浅田あつこ~「道行き」でお披露目されるのですね!

浅田
はい、そこで初披露し、生徒たちにも来てもらいます。かなり時間をかけて製作してもらい、生まれて初めて12カ所を採寸していただきました(笑)。生徒たちとは3月末に顔合わせをし、初めは緊張しながらディスカッションを進めていきました。彼女たちが思いを込めて、試行錯誤しながら製作してくれた9作品は、選ぶのにとても苦労しました。作品に対しての理解度も高く、私の好みを取り入れてくれている。彼女達の思いや表現方法が伝わり感動しました。

── どういったきっかけでこのような企画が生まれたのですか?

浅田
「道行き」の衣装は花魁にしようと思っていました。花魁の中にも位があって、この作品の遊女はまだ新人。それならば同じように頑張っている若者にお願いできないかと、大阪府立泉尾工業高等学校の皆さんにお願いしました。ファッション工学科がある高校は関西ではここだけなんですよ。

── MVやジャケット撮影もとっても素敵ですよね。印象的なエピソードはありますか?

浅田
茨城県にある「坂野家住宅」で撮影しました。花魁の衣裳が重くて、暑くて、一日中着ていたのでしんどかったのですが、以前から花魁の衣裳に興味があったので、嬉しかったです。

30周年は通過点

── カップリング曲「でっかい男の女房」は、2024年1月に亡くなられた前ボクシング連盟会長・山根明さんの奥さまの歌なのですね。

浅田
山根さんと交流があった もず先生が、ずっと温めておられた曲。作曲の三山敏先生も亡くなられているので遺作になりますが、この度カップリングに入れさせていただきました。この歌を歌うにあたって、山根さんの奥さまにお話を伺いました。山根さんは最後まで漢を貫いた男、だと……。そんな漢気ある山根さんのような男性をイメージして歌っています。「道行き」とは全く違ったタイプの歌なので、二曲楽しんでいただけると嬉しいです!

── 30周年を振り返っていかがですか?

浅田
振り返ると長いようであっという間でした。皆さんのお力のお陰で一年一年、楽しい思い出ばかり。私は嫌な思い出は記憶から消し去っていくタイプなんです(笑)。楽しいって言えるのはそれだけ充実した30年だったってこと。30年はあくまでも通過点。気持ちを新たにして今後も頑張っていきます!

── 歌手をされる前はタレント活動もしておられましたね。

浅田
15歳から芸能界にいて仕事をしていたので、アルバイトをした経験がないんですよ。実家が喫茶店を営んでいたので、ミックスジュース飲みたさに、おしぼりをクルクルと丸める仕事をしたくらい。マクドナルドとかで働いてみたかったなぁ(笑)。

── 今後の活動において、やってみたいことはありますか?

浅田
常にチャレンジしたいことはありますよ。その都度興味が湧いてきて、そうなると絶対にやってみたいってなる。好奇心が旺盛なんです。ただいまは「道行き」を大ヒットさせ、30周年に向けてのイベントに集中しようと思っています。フラッと韓国に行ったりドライブしたり、料理したりと息抜きもしながら、少しずつステップアップしていきますので、皆さんこれからもよろしくお願いします!

インタビュー・文・撮影:ごとうまき