三井住友フィナンシャルグループ、大阪・豊中に子どもの居場所拠点「アトリエ・バンライ-TOYONAKA-」始動、板橋での実績を関西へ

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株式会社三井住友フィナンシャルグループおよび株式会社三井住友銀行は7月22日、大阪府豊中市の三井住友銀行豊中駅前ビル内に、こどもの学びと体験の場「アトリエ・バンライ-TOYONAKA-」を2027年4月に開設すると発表した。
同日、大阪・梅田の蔦屋書店SHARE LOUNGEでローンチイベントが開催され、施設のロゴと内装イメージが初めて公開された。

アトリエ・バンライ-TOYONAKA-

「体験格差」の解消を目指して 松永氏が語る原点

イベントの冒頭、株式会社三井住友フィナンシャルグループ社会的価値創造推進部長の松永圭司氏が登壇し、アトリエ・バンライの原点について語った。同社が重視するテーマの一つが教育と体験格差の解消だといい、子どもの頃の体験は好奇心や想像力、自分で考えて挑戦する力、価値観の異なる人々と関わる力を育む、人生における大切な資産になると強調。一方で家庭や地域を取り巻く環境の変化により、子どもたちの居場所や体験の機会そのものが減っている現状があるとし、アトリエ・バンライはそうした中で多様な体験や出会いを通じて子どもが自分らしく過ごせる居場所づくりを目指すものだと説明した。

板橋拠点は、旧三井住友銀行の遊休地を改装し2025年度に開設。「行きたい、居たい、やってみたい」を実現する場所というコンセプトのもと、安心・安全かつ自由に過ごせる環境と、約4,000冊の蔵書を備えた図書スペースを用意し、金融、職域、サイエンス、プログラミング、音楽など企業・団体と連携した多様な体験プログラムを実施してきた。
地域団体によるこども食堂も開催され、大人から子どもまでが集うコミュニケーションの場としても機能しているという。こうした取り組みの結果、延べ6,500名を超える利用があり、体験プログラムには40を超える企業・団体が参画。松永氏は、金融機関単独では実現できなかった連携が生まれつつあると振り返った。

豊中拠点については、板橋で培った経験を生かしながら、屋上菜園を活用した自然体験や、関西ならではの企業と連携した体験プログラムなど、新たな機会を提供していく方針を明らかにした。「今後、豊中市様や企業・団体の皆様と連携させていただくことで、その地域ならではの居場所づくりに携わっていきたい」と語り、本日のイベントが「アトリエ・バンライ豊中を皆様と共につくっていく第一歩」になればと締めくくった。

株式会社三井住友フィナンシャルグループ 社会的価値創造推進部長 松永 圭司

豊中市長「家庭でも学校でもない、地域の第三の居場所」

続いて来賓として登壇した豊中市長・長内繁樹氏は、まず今回の開設への感謝を述べた。
豊中市はこれまで「子育てしやすさNo.1」を掲げ、令和5年度から5年間で従来の子育て施策に加えて累計100億円規模の新規予算を投じてきたと説明。少子化が進む一方、共働き世帯が10年前と比べて大きく増加している現状に触れ、子育て環境は厳しさを増していると指摘した。

そのうえで、家庭でも学校でもない「地域の第三の居場所」が生まれることの意義を強調。子育てという観点では親に目が向きがちだが、子ども自身が育つという子ども目線を軸足に、大人になっても夢を持てるまちを目指したいと語った。板橋で成果を上げてきた官民連携の取り組みが大阪でさらに発展することへの期待を述べ、あいさつを結んだ。

豊中市長 長内繁樹 様

待機児童より深刻な「学童待機」 データが語る体験格差の実態

板橋拠点の詳しい紹介と成果報告に立ったのは、同社社会的価値創造推進部ダイレクターの大萱亮子氏。まず子育てを取り巻く環境データとして、近年注目されてきた保育園の待機児童問題以上に、学童保育の待機が深刻化している実態を示した。学童は学校施設を活用するケースが多くスペースに限りがあること、支援スタッフの確保が難しいことなどが背景にあるという。

そのうえで大萱氏は、アトリエ・バンライが直接的に取り組むのは学童待機そのものというより、中期経営計画に位置づける「体験格差」の解消であると説明。
多様な体験は人格形成や子どもの成長に大きな役割を果たす一方、日本では世帯年収がおおよそ300万円を境に、経済的な事情で体験の機会そのものが制約されてしまう実態があるとし、データをもとにその構造を示した。

株式会社三井住友フィナンシャルグループ 社会的価値創造推進部 ダイレクター 大萱 亮子

関西企業との新たな連携に期待

板橋での知見をもとに、豊中拠点では屋上菜園を活用した自然体験や、関西企業と連携した新たな体験プログラム、地域のこども食堂の開催などを予定。
約4,000冊の蔵書を備えた図書スペースも設けられる。開設は2027年4月、所在地は豊中駅前ビル内で、開館時間は原則平日の放課後。詳細は2027年3月頃、公式サイトで案内される見込みだ。

会場では、絵の具やカメラ、本、楽器などがカラフルに散りばめられたロゴと、木の温もりを生かした内装イメージも初公開され、板橋で積み重ねてきた取り組みが、関西の地でどのような広がりを見せるのか、今後の展開に注目が集まる。

フリーアナウンサー の川田裕美さんが司会を務めた(写真左)

アトリエ・バンライ-TOYONAKA-

文:ごとうまき