【美のない人生は虚しい】『ローズメイカー 奇跡のバラ』
フランスでは男性が日常的に女性に花束を贈る。中でも薔薇は特別で“薔薇大国フランス”と言われるほど強く美しい多種多様な薔薇が咲き誇り、古今から人々を魅了してきた。 本作はフランス郊外のバラ園を舞台に人生崖っぷちの主人公と社…
フランスでは男性が日常的に女性に花束を贈る。中でも薔薇は特別で“薔薇大国フランス”と言われるほど強く美しい多種多様な薔薇が咲き誇り、古今から人々を魅了してきた。 本作はフランス郊外のバラ園を舞台に人生崖っぷちの主人公と社…
戦時下の教育により「玉砕こそが美徳」とされた価値観、時代に周囲の人々に「生きろ」と言い続けたある一人の男がいた。 太平洋戦争末期の沖縄県知事・島田叡(しまだあきら)である。 資料としては島田叡の写真数枚のみで、本人の音声…
魂震える映画体験を。「愛と哀しみの果て」のオスカー監督シドニー・ポラックが撮影したドキュメンタリー。彼女の歌声で月まで行っちゃう?いやいや、月どころか冥王星まで飛んでいくよ?魂に響く歌声と才能で人々の心揺さぶるソウルの女…
石井裕也監督の切なる思いと祈り、尾野真千子の生命力に溢れた演技、本作に関わる全ての人たちの情熱と想いを感じてほしい。 「舟を編む」「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」の石井裕也監督がコロナ禍において書き上げたオリジナ…
あなたにとっての本当に大切な人を思い出させてくれる作品 恋は脳の錯覚、子孫を残すためのもの。その恋の魔法の効果は半年、長くても三年、そこからうまく愛に移行できればいいが、多くの場合の恋が愛に移行できずに枯れてゆく。愛とは…
父が事業に失敗し母親が出て行った。父と私と弟、向かった先は祖父の家。祖父の家で過ごす夏の時、10代の少女の身の周りに起きた出来事を、瑞々しい少女の視点から、韓国の社会背景とも絡めながら描く。本作は、1990年生まれのユン…
誰しも平等にやってくるものが「老い」、遅かれ早かれ必ず訪れるのが「死」である。 しかしどのような老い方をしていくか、死んでいくかなんて誰にも分からない。 本作に“希望”というものはない。介護や認知症といった問題に正面に向…
旅先で出会ったもう二度と会うことのない人との何気ない会話、別れた恋人の香り、あの人が好きだった音楽、旧友が救ってくれた何気ない言葉。生きていれば何かしら、ふとした瞬間に過去のあれこれが鮮明に甦ることがある。過去は書き換え…
わたしには“全く響かなかった”、“理解できなかった”というのが予備知識などなく本作を観た一回目の感想。『戦場のメリークリスマス』は1983年に公開され、大島渚監督が第2次世界大戦中のジャワの日本軍捕虜収容所を舞台に、日本…
ラストに思わず涙する。予備知識なしでも楽しめる作品 『シカゴ7裁判』は、1968年シカゴで開かれた民主党全国大会での暴動によって裁判にかけられた7人(実際には8人)の被告たちと、あらゆる手を使って彼らを有罪にしようとする…