【フェミズム上等】性を食い物にする男達に鉄槌を下せ!『プロミシング・ヤング・ウーマン』

(C)Universal Pictures
エンタメ

男たちども、よくご覧なさい。究極のお仕置きムービーを。

気持ちいい〜!見終わった後の爽快感と昂揚感が止まらない!破天荒な痛快復讐劇、この夏観るべき作品の一本だ。物語は‟女性の代弁者”とも言うべきクレバーなキャシーが亡き親友ニーナのために愛と全てをかけて、下半身で物事を考える男どもに鉄槌を下す!!

あらすじ

美人で頭もよく医学部に通い、明るい未来を約束された若い女性(=プロミシング・ヤング・ウーマン)だと誰もが信じていた主人公キャシー。今や子ども部屋おばさんとなり、平凡な日々を送っている。実はキャシーにはある別の顔があって夜な夜なクラブに出かけては酔ったふりをして男を誘い、男たちに“ある制裁”を加えている。彼女の狂気に満ちた行動には過去にあった哀しき事件が関係していた。医学生時代、親友ニーナが学内の男どもに強姦された。告発するも大人たちは優秀な男子学生を信じ、泣き寝入り。10年後経ってもキャシーは今も亡き親友のニーナを想い、世の悪質な男たちに対し仇を打っていたのだ。

そんなある時彼女の前に医学生時代のライアンが現れ2人は互いに惹かれ合う。ライアンをきっかけにひょんなことからキャシーの最も復讐すべき相手である男が近くにいることが分かるのだが、ライアンの存在によって一旦薄れていた彼女の復讐心に再び火がつくことにーー。

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復讐すべき相手は4人、着々と進んでいくキャシーの復讐、ラストはラスボスに辿り着きスッキリ終わるかと思いきや、まさかのどんでん返し、からのまたまたドンデン返しによって、物語は予想外の展開を迎える。それにしてもこの巧みな脚本には思わず唸る。それもそのはず、本作は2021年・第93回アカデミー賞で作品、監督、主演女優など5部門にノミネートされ、脚本賞を受賞した。脚本・監督にエメラルド・フェネル、主人公キャシーを「17歳の肖像」「華麗なるギャツビー」のキャリー・マリガンが演じ、「スキャンダル」「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」や「スーサイド・スクワッド」で知られる女優マーゴット・ロビーが製作。

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今の日本にとってタイムリーな作品

“復讐”という言葉、筆者自身が執念深く、嫌なことはずっと根に持ち、相手を恨み続ける性格だからか(苦笑)、私はこの言葉が嫌いではない。本作の主人公の心情、根深い闇は気持ちいいほどわかりすぎて、だからこそ、“やれやれー!もっとやれー!”って興奮しちゃって。そう、キャシーは世の女性の代弁者なのである。だから物語の描写やセリフに女性はいちいち共感することが多いはず。(ただし本作のような過去に辛い経験をされた人は見ないほうがいい)。

有名大学生の集団強姦事件とオリンピック開会式の楽曲製作者の‟いじめ”が頭をよぎる

本作を見てある二つ事件を思い出す。そしてまさにタイムリーな作品だと。一つはかつて世間を賑わせたサークル「スーパーフリー(=スーフリ)」をはじめとする有名大学生による集団強姦事件だ。ニュースになっているのは氷山の一角、これまでに数多くの女性たちが被害に遭い、生涯消えることのない傷を抱えて生きている。そして罪深き加害者はそんなことなどすっかり忘れて、今もどこかでいけしゃあしゃあと生活している、ぁああ、実に憎々しい。

そしてもう一つ、ここ連日ニュースで見ない日はない、東京五輪開会式の楽曲制作担当小山田圭吾の筆舌に尽くし難い過去のいじめ(というか犯罪レベル)だ。強姦にしろ、いじめにしろ、加害者側は何事もなかったかのように忘れてしまい、なんの罪の意識を微塵も感じていない。感じていたとしても“ガキだった”と言い訳し保身に走る。だけど被害者と被害者の家族は哀しみと憤慨が細胞にまで染み込んでいて死ぬまで忘れない。

私は、因果応報を強く信じている(いや、信じないと人生やってらんないのだが)。30年以上も生きていると実感することがあって、人生ってほんと死ぬまでわかんなくて、どこかで必ず帳尻が合うようになっているんだってこと。だから本作からは“自分に正直に、誠実に生きましょうね”という、めちゃくちゃ普通のメッセージ性に辿り着く。

男だけでなく、事件に関わっていた女にも復讐する。 (C)Universal Pictures

全国で絶賛公開中。物語の中盤以降、大どんでん返しがあるから覚悟してご覧あれ!

個人的な感想として本作に対して欲を言うなら劇中でもっと世間に男どもの悪態を知らしめて欲しかった。あんなヌルイお仕置きじゃ全然足りんよ。

キャシーの深い愛と執念にアッパレ!フェミニスト達に幸あれ!

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プロミシング・ヤング・ウーマン

監督:エメラルド・フェネル
キャスト:キャリー・マリガン、ボー・バーナム、アリソン・ブリー
製作:2020年製作/113分/PG12/アメリカ
配給:パルコ
原題:Promising Young Woman

 

文/ごとうまき