【キンキーブーツ熱狂再び】松下優也×東 啓介インタビュー「オレのダンスは京橋仕込みやで」

インタビュー

2025年5月26日から6月8日まで、大阪・オリックス劇場でブロードウェイミュージカル『キンキーブーツ』が上演される。本作は、経営不振に陥った老舗靴工場の跡取り息子・チャーリーが、ドラァグクィーンのローラと出会い、偏見に立ち向かいながらドラァグクイーン専門のブーツ工場として工場を再生していく物語だ。イギリス映画を原作としたこのミュージカルは、2016年の日本初演以降、2019年、2022年と再演を重ね、多くの観客を魅了してきた。そして今回、再び大舞台に帰ってくる!

靴工場の跡取り息子・チャーリー役を務める東啓介さんと、ドラァグクイーン・ローラ役を演じる松下優也さん(いずれもWキャスト)が取材会に出席し、それぞれの意気込みや役作りについて語ってくれた。

「新しい世代のエネルギーを感じたい」稽古への期待

3月4日から稽古がスタートした。松下さんは、「世界中で愛されているこの作品に参加できることがとても嬉しい。余裕を持って本番に臨めるよう、体作りをしっかりして、役にも深く向き合いたい」と語り、その目には熱い情熱が宿っていた。
今回、Wキャストでチャーリーとローラを務める4人の中で最年長となる松下さん。「最近は年下の方々と共演する機会が増えてきた。稽古場では新しい世代のソウルやパッションを感じられることが楽しみだ」と期待を込めて話した。
一方、チャーリー役を演じる東さんは、以前から松下さんの舞台を観客席から観ていたそうだ。「優也くんと同じ舞台に立てるなんて、本当に嬉しい!」と目を輝かせながら語り、共演への喜びを隠しきれない様子だった。
東さんが演じるチャーリーは、責任感が強く、人と協力して何かを成し遂げることが好きな性格。「任されたら自然に身体が動いてしまうタイプなので、チャーリーと似ている部分が多いですね」と、自身との共通点についても触れた。

「ヒールブーツもお手のもの?」ローラ役への挑戦

ローラ役に挑む松下さんは、ブーツへのこだわりが強いローラと、自身の靴好きな部分に共通点を見出したそうだ。「ヒールのブーツを履いてみたら意外と軸が安定していて驚いた。慣れてきたら歌も歌いやすそうだ」と笑顔で話し、その前向きな姿勢が印象的だった。
さらに、松下さんはオーディション時にビヨンセを参考にしたと明かした。「これから稽古を通じて、仕草や内面などローラというキャラクターをもっと深掘りしていきたい」と意欲を見せた。

大阪公演を心待ちにする観客へのメッセージとして、小学生時代から大阪・京橋のダンス教室に通っていたという松下さんは、「オレのダンスは京橋仕込みやで!」とユーモアたっぷりにコメント。
また、『キンキーブーツ』という作品について、「繊細さとダイナミックさ、その両方がこの作品の魅力だ。どの役にも学べる部分が多く、僕たちもこの作品にリスペクトを持って向き合っている」と話し、「お客様にパワフルで繊細な部分をしっかり届け、一緒に楽しんでもらいたい」と熱意を込めた。

取材・文・撮影=ごとうまき