10月13日(木)「KOBE流行歌ライブ〜 すぎもとまさとスペシャルVer.〜」 が神戸ハーバーホールで開催された。今回は、すぎもとまさと、 服部浩子、Kenjiro、伊達悠太の4人が出演。服部、 Kenjiro、伊達はテイチクエンタテイメントに所属、 彼らの最新曲を、すぎもとまさと(作曲の際は杉本眞人で表記) が手がけていることから4人が集結した。
トップバッターを飾ったのは、北海道伊達市出身の伊達悠太。『 今日は顔と名前だけでも覚えて帰ってくださいね』 と元気よく挨拶。筋トレで鍛え上げた効果もあり、 以前よりさらにシュッとした印象に。「さすらい港」、 千昌夫氏プロデュース曲「望郷赤とんぼ」、カバー曲「夕焼け雲」 を披露。さらに朝比奈京仔 作詞、杉本眞人 作曲の最新曲「涙のララバイ」のカップリング曲「冬のいたずら」 をしっとりと歌い上げ、最後は「涙のララバイ」 でかっこよく決めた。 伊達のパワフルで伸びやかな歌声が会場に響きわたった。
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伊達悠太
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次に登場したのは8月に続いて出演のKenjiro。 いつもの会場 神戸アートビレッジセンターが半年間改装工事に入ったため、 今月から開催場所が神戸ハーバーホールに変更。当日、 うっかり以前の会場に行ってしまったと話し、 客席に笑いが起こる。「大阪レイン」に続き、 Kenjiroのデビュー曲「冬恋かなし」、作詞を田久保真見、 作曲を杉本眞人が手がけた「口下手」のカップリング曲「 冬かもめ」を展開。 ブルース調のメロディーに合わせて色とりどりのペンライトが客席 を舞う。
大阪出身のKenjiroは、MCでのトークもコミカルで軽快。 12年前に発売された「口約束」、 そして2022年8月17日に発売された「口下手」を“口” シリーズと名付け、杉本氏に第三弾は“口ぐるま” を作ってほしいと要望するも、『 Kenjiroはよく喋るからタイトルは“口封じ” だと言われた』と話し、会場を沸かせた。
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Kenjiro
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歌手33年目にしてKOBE流行歌ライブは初登場という服部浩子 は、美しい紫色の着物で登場。 ライブの前日は京都に滞在していた服部、 仕事終わりに護王神社にいったことや、 関西での滞在を満喫した様子を語った。30周年記念曲「風花港」 、メドレーで「旅路の花」「はまゆう哀歌」「さくらさくら」 を披露。 実力演歌歌手と言われる服部の円熟味を増した艶やかな歌声が会場 を包み込んだ。デビュー5作目で40万枚を超えたヒット曲「 海峡わかれ町」 に続いて歌われたのが2022年9月28日に発売された「 夜雨抄」。服部はこの曲について『小説のような歌詞で、 これまでで一番早く歌詞を覚えました。 楽曲にも杉本眞人エッセンスがたっぷり散りばめられた作品です。 』と話す。
そして再度三人がステージに集結。伊達は「お久しぶりね( オリジナル:小柳ルミ子)」、Kenjiroは「男宿」を、 服部浩子は「かもめの街」を。 杉本眞人氏が手がけたカバー曲をそれぞれ披露した。
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服部浩子
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そしていよいよ、ギター片手に、すぎもとまさとが登場。 ステージに登場するや否や、伊達に『 ちょっと歌い方がオネエっぽいよ(笑)。』と歌い方を指摘し、 客席を賑わす。『9月21日、3年ぶりにライブをしました。 やっぱライブは楽しいですね。歌ってほしい曲は?』 と客席にリクエストを求めるとあちらこちらから手が挙がる。
関西らしい曲とのことで最初に歌われたのは「御堂筋線で・・・」 そしてカラオケの人気ソング「空に刺さった三日月」、 リクエストで声が挙がった「別れの日に」 をしっとりと歌い上げた。
次に歌われたのは「吾亦紅」。ちあき哲也が作詞し、 第49回日本レコード大賞・作詞賞を受賞、2007年「 第58回NHK紅白歌合戦」に歌手として出場した時のこの曲は、 母が亡くなり、1年間何もできなかったほど落胆していた杉本に、 ちあきが詞を書いた曲。『母はこの曲を知りませんが、 いつも母を思って歌っています。 皆さんの大切な人を思い浮かべながら聴いてください。』と、 母とのエピソードも織り交ぜながら歌われた。
『次は「冬隣」』と杉本がいうと、客席から歓声が上がる。粋で、 ダンディなすぎもとの歌声と美しいギターの音色に観客それぞれが 酔いしれていた。最後に締めくくられた曲は「薄荷抄」。サビの” バッキャロー”が耳に心地よく残る。
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すぎもとまさと
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多くのライブやコンサートが行われるようになり、 コロナ禍前の日常に戻りつつあるが、 まだ大きな声での応援などは難しい。 そんな中でも手拍子やペンライトを使った“新たな応援” が定着してきている。
この日も会場は万雷の拍手に包まれ、 10月のKOBE流行歌ライブは盛況のうちに幕を閉じた。
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取材・文/ごとうまき