【山西アカリ インタビュー】セカンドシングルは故郷・和歌山に想いを馳せた望郷演歌「3年目は挑戦の年。もっと進化していく」

インタビュー

斬新なスタイルで魅了したグループ 水雲-MIZMO- のメインボーカルで、2022年6月に「拝啓 みかんの里」でソロデビューした山西アカリ。彼女のセカンドシングル「紀ノ川よ」が2023年10月25日にリリースされた。作詞をさくらちさと、作曲を山西の師匠・水森英夫、編曲を伊戸のりおが手がけた今作は、山西の故郷・和歌山を舞台に母と子の親子愛を描いている。また、ダンサブルなカップリング曲「曽根崎マリヤ」は、新しい山西の魅力も感じられる一作に。さらに今作を機に有田郡町村会観光大使にも就任するなど、活躍の場を広げている。

関西プレスには2回目の登場となる彼女は、今回も明るく元気いっぱい!新曲についてやプライベートのことなど沢山語っていただきました。

自身の気持ちが歌に投影

── 今作は山西さんの故郷・和歌山に想いを馳せて描かれています。イントロの三味線の音もカッコいいですね。一番の歌詞の“紀州の女の 負けん気は 山椒のように ぴりりと辛い”が印象的です。

山西
前作はみかんが入っているものの、和歌山という地名は敢えて入っていませんでした。ですが今作は、出だしからしっかりと“紀州”という言葉が入っています。この歌には「美(う)っつい」などの和歌山の方言が入っていますが、これは和歌山出身の作家・有吉佐和子さんの著書『紀の川』から引用した言葉なんです。さくら先生が私の気持ちを汲み取りながら書いてくださったのですが、初めてこの詞を読んだ時、泣いてしまって……。二番の歌詞が特にグッときますね。この歌詞を聴いた人から“山西さんも負けん気が強いのですか?”と聞かれますが……、はい、結構負けず嫌いなんです(笑)。

── 母と子の愛情や絆を描いた歌詞ですが、ご自身とも重なりますか?

山西
はい。歌の道を選ぶ時も、母が背中を押してくれました。カラオケ大会で優勝を逃した時に悔し泣きをしていたら、「泣くぐらいなら、もっと練習しなさい!」と叱られたこともあります。上京してから心折れそうになった時に電話をしたら「自分で選んだ道なんだから負けたらあかん。」と、厳しくも優しく励ましてくれました。私の気持ちがこの歌に投影されている感じなんです。

──曲についてはいかがですか?

山西
今回は先に歌詞を書いていただいたので、水森先生がどのような曲を書いてくださるのか楽しみにしていました。出来上がった曲を聴くと、まさに私好みな曲で。自分の個性も活かせそうな曲だと思いました。元々、チャキチャキした元気が出るようなアップテンポな曲が好きで、いつか歌いたいと思っていました。まさか2曲目で歌わせていただけるなんて、嬉しいです!

── 歌う際のポイントは?

山西
一番の“紀ノ川よ”の“よ”の部分で、母音をしっかり押すように意識しています。この部分の節回しが上手くいかなくて、レコーディングでも一番時間がかかりました。今ではここがバチっと決まると気持ちがいいですし、この曲で表現の幅が広がるといいなと思っています。お客さまからコールをもらうことに憧れがあって、今回は“母さん だれにも”のときに“アカリ!”というコールをお客様にしていただいています。キャンペーンでも“アカリちゃんに合った曲だね”と、言ってもらえることが多くて、アカリコールで盛り上げてもらえると嬉しいです!

MVは「あまちゃん」をイメージ

── 今回の衣裳もポップでカッコいいです!MVはどんなイメージで撮られたのでしょうか?

山西
私はドレスよりパンツスタイルのスーツが多いので、衣裳でも個性を出していこうと思っています。

山西
MVはNHK連続テレビ小説『あまちゃん』から着想を得られたんです。ディレクターさんが『あまちゃん』の再放送を観て、“アカリちゃんも跳ばせてみよう!跳んでいる時にいい表情が出るかもしれない……”と思いつかれたそうで、沢山跳びました!(笑)。ジャケット写真も実際にトランポリンで跳んでいるんですよ!楽しかったです。

── 発売日当日、和歌山城ホールの展示室でキャンペーンイベントを行ったとのことですが。

山西
発売日当日に、故郷の和歌山で歌わせていただくことが夢の一つでしたので、願いが叶って感無量でした。同級生が子どもを連れて見にきてくれて、みんなの姿を見て泣きそうになりました。デビューしてもなお、こうして応援してくれている人がいる。和歌山は私の原点です。

歌は“自由”だと改めて気づく

── カップリング曲「曽根崎マリヤ」は踊り子さんが主人公とのこと。ダンサブルかつ懐かしさが感じられる曲です。「紀ノ川よ」とは違った魅力がありますね。

山西
略して“曽根マリ”と呼んでいます(笑)。この曲のレコーディングでは“遊んでいいよ”と言って頂いたので、マリヤになり切って、思う存分遊びました!歌うというより、マリヤが「東京には疲れちゃったな……」と独り言を言っているように歌いました。自由に遊びながら歌うことで、こういう歌い方をしてもいいんだと、新たな引き出しが増えました。

── 踊り子さんの歌とのことで振付も気になります。

山西
振付をもっとカッコよくしたいなと思っていて、宝塚の方や、ラテンダンスの動画を見てヒントをもらっています。毎回キャンペーン先で違った振りになっていて、その場その場の踊り子としてステージに立つのでこちらも見どころです。

大好きな故郷の魅力も発信していく

── 有田郡町村会観光大使にも就任されましたね。

山西
委嘱式を地元の有田で10月24日にしていただきました。250名以上の人が集まってくださって、小さい頃から可愛がってくださったおじいちゃん、おばあちゃんも来てくださいました。有田郡は三つの町からできているのですが、どの町にも思い入れが強くあります。そんな私の大好きな故郷の魅力をまだ知らない方々に伝えていきたいです。

──プライベートについても教えて下さい。最近ハマっていることやリフレッシュ方法は?

山西
キックボクシングジムと柿の種集めです!趣味がランニングなので、もう少し心拍数が上がることをやってみたいと思い、キックボクシングを夏から始めました。普段使わない筋肉を使うし、終わった後の爽快感が最高で、生きてる〜!って感じがします。柿の種集めは、遠征で行く先のご当地限定の柿の種を買って、お酒のおつまみにして楽しんでいます。北海道のスープカレー味、ファンの方から頂いた新潟限定のエビ塩柿の種など、美味しい柿の種が沢山。いつか自分と和歌山限定のコラボで限定柿の種を出すのが夢です!

心を込めて歌を届ける

── ソロデビューから1年以上経ちましたが、内面や歌に対する姿勢など変化はありましたか?

山西
ソロデビューしたばかりの頃は水雲-MIZMO-を知ってくださっている方がほとんどで、これから応援するよ!と盛り上げてくださっていましたが、1年を過ぎた頃から山西アカリとして知ってくださる方も増えました。“みかんの子ね”と言ってもらえることも……。水雲-MIZMO-の頃から応援してくださっている方も、山西アカリとして応援してくださる方も、私にとってかけがえのない存在です。

山西
歌で大切にしていることは、魂を込めて歌うこと。上手く歌うことが前提ですが、それだけじゃ思いは伝わらないんですよね。心を込めて、自分の思いを歌に乗せて届けたいですし、これからの課題でもあります。

── 2023年、いろいろあったと思いますが、中でも印象的なエピソードはありますか?

山西
NHKホールで開催された「演歌フェス2023」に出演させていただいたことです。大御所の先輩方がたくさん出演されており、なんと同郷の坂本冬美さんが“和歌山出身なのよね?!”と声をかけてくださり、和歌山話で盛り上がりました。私自身、子どもの頃から冬美さんのコンサートを観に行かせてもらったり、冬美さんの名曲をいくつも歌って育ってきたので、そんな大スターと一緒のステージに立てて光栄でしたし、私が和歌山生まれであることを冬美さんが認知してくださったことが嬉しかったです。

── 2024年の目標を教えてください。

山西
念願の有田郡町村会観光大使にもなれたので、PR活動も積極的に頑張っていきたいです。和歌山にも積極的に足を運んで、歌で地元の人たちを笑顔にできたら嬉しいです。3年目の山西アカリは演技などにも挑戦してみたいと思っています。山西アカリをもっと知ってもらえるように頑張っていきますので、これからも応援よろしくお願いいたします!

インタビュー・文・撮影:ごとうまき