開館が待ち遠しい!建築家 安藤忠雄さん設計の「こども本の森 中之島」を取材!

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子どもたちの素直な眼差しと感受性を大切にする「物語」の聖地~こども本の森 中之島~

「こども本の森 中之島」がまもなくオープンします。(2020年3月1日に開館予定だったが新型コロナウィルスの感染拡大措置で開館が延期になっている)

「こども本の森 中之島」は大阪市の中心部に流れる堂島川と土佐川に挟まれた中之島公園内にある。近くには100年以上前に開館した重要文化財の「中央公会堂」や「東洋陶磁美術館」また新たに美術館も建つ予定で、ここは古くから大阪の歴史・文化の中心地である。ここに「子どものための文化施設」が誕生した。

建物は建築家の安藤忠雄さんが設計、「この国のこれからを支えていく子どもたちに、豊かな感性を育んでほしい。手軽で瞬時に情報を入手できるインターネットとは違い、読書は心の栄養になる。子どもたちに想像力の翼を広げてほしい」ここには安藤忠雄さんのそんな想いが込められている。


すぐ隣にある「東洋陶磁美術館」と「中央公会堂」。目の前の道路は車も入れなくなりより安全に。公園内では子どもたちが本を持ち出すこともでき、日向ぼっこをしながら芝生に寝転んで本を読んだりとのびのびと読書ができる。

こども本の森 中之島の魅力は「建物、本、人」 ー大阪から世界へー

「ここの魅力は建物、本、人の3つがかけ合わさって1つの魅力、こども本の森 中之島の魅力を大阪から全国へ、いや世界へ広げていきたい」と館長の前川さん。

  • 建物_「自然との一体化」をテーマに創られた本の森。イタズラの好きな建築家・安藤忠雄さんのイタズラも沢山散りばめられている。
  • 本_独自に編まれた12のテーマのクリエイティブ・ディレクション
  • 人(スタッフ)_様々なアイディアを出し合い、楽しみながら、子どもたちと共に子ども本の森を作っていく人々

こども本の森 中之島の魅力① ~建物~

コンクリートの建物に入ると3フロア分の壁がすべて本棚となっていて、壁あますことなく本がぎっしり並べてある。また、いたずらの好きな建築家 安藤忠雄さんの小さなイタズラも館内に沢山ちりばめられてある。

内覧会では、このような階段の端といった小さなスペースが子どもたちに人気だったらしい。そうそう、子どもってこういう狭い場所が好き。ここが自分だけの空間になるから。↓

ここは乳幼児コーナー、ここで親子やスタッフと読み聞かせをしたり、小さなフカフカの座布団に座って絵本が読める。↓↑座布団の下にある小さな引き出しを開けると、、、なんと絵本が!!ここにも安藤忠雄さんの「素敵なイタズラ」が仕掛けられている。

館内は子ども目線に合わせた様々な工夫と子どもの好奇心をくすぐる仕掛けがある。

↑子どもの目線に合わせた窓。中之島公園が広がっていて春には美しい桜もみられる。

↓12番目のコーナーからは、天井から太陽の光が差し込む。 本棚の中に座って読むスペースが設けられている。子どもが大好きなスペース↑

 

ここは本の森の塔「休憩室」、コンクリートを打ちっぱなして作られており、高さが10メートル以上ある円筒、中に入るとひんやり冷たく、静寂で異空間な場所。ここでは子どもたちが興味を持つような物語が上映される


こども本の森 中之島の魅力② ~本~

館内の本は寄付された本がその数約4000冊、また寄付金によって約1万4000冊の本が新たに購入され、世界中から様々な本と寄付金がここに集まった。ここは図書館ではなく文化施設である。貸し出しや返却、レファレンスのカウンターもない。子どもたちが読みたい本を自ら見つけ、探し出すことができる。それにより考える力、行動する力、自主性が育まれる。本の貸し出しは行っておらず、館内または中之島公園内であれば自由に持ち出しして読むことが可能。ここの大きな特徴として様々なジャンルの本を12のテーマに分けて並べてある。

  1. 自然と遊ぼう
  2. 体を動かす
  3. 動物が好きな人へ
  4. まいにち
  5. 食べる
  6. 大阪→日本→世界
  7. きれいなもの
  8. ものがたりと言葉
  9. 未来はどうなる?
  10. 将来について考える
  11. 生きること/死ぬこと
  12. 子どもの近くにいる人へ

↑入ってすぐの「自然とあそぼう」のコーナー。本の中の言葉を抜き出した言葉の彫刻も印象的だ

クリエイティブ・ディレクションはブックディレクター幅允孝(BASH)さんが手掛けている。なんといっても選書の幅がとっても広い。また本棚も大きくデザイン性もあり、まさに本の迷宮。一日中この場所に居られる、毎日でも通いたくなる、そんな空間だ。

↓「未来はどうなる?」のコーナー。図書館にはあまり置いていない仕掛け絵本も充実している。

↓絵本は面出ししているがピアノ線で固定されていて、耐震対策もしっかりしている。


こども本の森 中之島の魅力③ ~人~

先に述べたように、ここは図書館と違いカウンターがない。だったら人に聞くしかない。そうなると子どもたちは近くにいるスタッフに聞く。自然とスタッフと子どもはコミュニケーションをとるようになっていく。2月29日に行われた内覧会でも小学生の子がスタッフに一生懸命本について説明をしていたそうだ。本を通して人と人が心を通わすことができる。なんて素敵なことだろう。

こども本の森 中之島では今後様々なイベントが予定されている。スタッフ同士が楽しみながら様々なアイディアを出し合い楽しいイベントが企画されていく。例えば「お話会 」は毎日行われる予定だ。館内のツアーや子どもたちに語り掛けてもらったり、セッションしたり・・・・劇団の人に来てもらい子どもも一緒に参加できるコンサートも行われる予定だ。

↓大きな木の根っこのような大階段、ここに子どもたちが座り、講演会の会場やコンサートホールにもなる。

子どもだけでなく大人も楽しめる。まるで絵本の森に迷い込んだかのように・・・童心に返れる場所

こども本の森 中之島は、乳幼児から中学生までをメインターゲットとしているが大人も利用可能、「こどもの近くにいる人へ」のコーナーでは妊娠~育児本などと様々な本が揃っている。

施設概要

開館時間 午前9時~午後5時まで
休館日 毎週月曜日 (月曜が祝日の場合は開館し、翌平日は休館

蔵書整理期間・年末年始

利用対象者 乳幼児から中学生までをメインターゲット
入館料 無料 入館方法はホームページ参照
構造 鉄筋コンクリート造 3階建
延床面積 約800平方メートル
設計 安藤忠雄
住所 〒530-0005 大阪市北区中之島1-1-28
TEL 06-6204-0808
FAX TEL06-6204-3322
E-mail ncbf@kodomohonnomori.osaka
HP https://kodomohonnomori.osaka/
facebook @NCBF2020
Twitter @NCBF2020
instagram @ncbf2020

*現在、新型コロナウイルスの感染拡大措置により開館延期中。
オープン日時が決定次第、事前予約の手順と合わせ改めてホームページ・SNS等にてお知らせとのこと。

kansaipress編集部から

今回取材にあたり館長の前川さんに案内、お話を伺いました。前川さんはじめスタッフの皆さんも開館に向けてワクワク、楽しそうな様子が伝わってきました。子どもたちの好奇心を引き出す工夫がいっぱいの館内、本の迷宮に子どもたちはきっと目をきらきらと輝かせてこの場所を訪れるに違いない。希望に満ち溢れたこの場所で、私も童心に返ったような気分になりました。自分が子どものころにこんな施設があったなら、きっと毎日通っていただろうな・・・新型コロナウィルス感染拡大措置により現在は会館延期中ですが、開館する日を子どもたちと共に楽しみにしています。

取材・文/後藤麻希