a flood of circle 佐々木亮介が見せた覚悟「このバンド、メンバーが好き。20周年は武道館をやる道しかない!」

アーティスト

a flood of circleのフルアルバム『WILD BUNNY BLUES / 野うさぎのブルース』が現在発売中だ。2024年8月に開催された15周年記念公演・日比谷野外音楽堂ライブをソールドアウトさせた彼らが次に目指すのは、2026年の日本武道館ライブ!その背中には、メンバーとの絆と音楽への情熱が確かに刻まれている。今回3度目の登場となる関西プレスでは、ボーカル佐々木亮介がアルバム制作秘話や音楽への思い、そして武道館に向けた覚悟について語った。彼の言葉からは、ぶれることのない不屈の闘志と反骨精神が伝わってきた。

オリジナリティを生む「声」の力

── 前作『花降る空に不滅の歌を』では「全て出し切った」と語っていましたが、今作はさらに洗練されている印象です。

佐々木
それは嬉しいですね!今作は前作の延長線上にあると思っています。一度全部出し切ってゼロになった状態からスタートしました。そしてホリエさんや後藤さんとコラボ曲を作った後、自信を持ってアルバム制作に取り組むことができました。

── アルバムの曲はイントロなしで始まるものが多いですね。それは意識的なものですか?

佐々木
実は良いイントロが思いつかなかっただけなんです(笑)。ギターやベースのイントロって、どこかで聴いたことがあるようなものが多くて。でも“声”だけは唯一無二。自分の声はあまり好きじゃないけど、それでも一番オリジナリティを出せる部分だと思っています。

“さらけ出す”ことへの挑戦

── 今作のテーマや制作に込めた思いを教えてください。

佐々木
今回も“自分を出す”ことをテーマにしています。それは綺麗な部分だけじゃなく、なるべく全部をさらけ出すという意味で。そしてアルバムの曲目が進むほど、一人称ではなくなっていく構成になっています。例えば『虫けらの詩』は完全に自分一人の歌ですが、後半になるにつれて他者との関係性が描かれています。もちろん野音や武道館といった大きなステージを意識している部分もありますが、なるべく純粋な気持ちで書きました。

── 『虫けらの詩』では“月”というモチーフが印象的です。この“月”にはどんな意味が込められているのでしょうか?

佐々木
15周年記念ライブで新曲を披露することを決めていたので、『虫けらの詩』はそのテーマで制作しました。振り返ると、自分の希望やイメージも変化していて、以前は満月を描いていたけど、今では三日月のようなギリギリの希望に縋っている感覚があります

山小屋でのレコーディングで生まれた新たな挑戦

── 今回、高野勲さんを迎え、福島の山小屋でレコーディングした5曲(『虫けらの詩』『WILD BUNNY BLUES / 野うさぎのブルース』など)は特に印象的です。この経験はいかがでしたか?

佐々木
山小屋で録音するというのは初めてでした。何もない環境だからこそ、オリジナリティを引き出せると思ったんです。そして皆が尊敬している高野勲さんにお願いした以上、ダラダラするわけにはいかないというプレッシャーもありました。一発録りを目指して集中しましたね。

メンバーとの絆とバンドの醍醐味

── 『11(イレブン)』ではアオキテツさんとの共作が話題になっていますね。

佐々木
頼んでものいないのに、テツが突然『曲できたよ』って送ってきて(笑)。歌詞には彼の地元“山科”も登場しますし、彼自身が歌うほうが説得力があると思って半分ずつ歌うことにしました。このアルバムの最後の曲がこれだと本当に“一人じゃない”と感じられるからいいですよね。テツありがとう!って思っています。

── メンバーと“一つになる瞬間”を感じることはありますか?

佐々木
そういう瞬間は確かにあります。ただし普段から『僕たちは一つです!』なんて言葉で無理にまとめようとは思っていません。むしろ意見がぶつかり合う中で、ライブやレコーディング中に気持ちが重なる瞬間こそがバンドの醍醐味だと思っています。

武道館ライブへの決意

── 『ゴールド・ディガーズ』では“武道館に取んだ2年後”と歌われています。この目標への覚悟について教えてください。

佐々木
本気で言っていますよ(笑)。シングル版でもホリエさんに「本当に歌詞にしていいの?」と言われましたが、それ以上に面白いフレーズは思いつかなかったし、覚悟も決まっています。何人来ようと絶対にやるんだという気持ちです。

── 武道館以外にも目標はありますか?

佐々木
大きな目標としては「いまの仕事をしていたい」「身体が元気な限り続ける」この二つですね。そしてその先には、このバンドやメンバーが好きだという気持ちがあります。ナベちゃん(渡邊一丘)が40歳まで同じ調子なら考えたいと言っていてそれも武道館を目指す理由の一つです。武道館という勲章をゲットしたら、ナベちゃんの気持ちも変わるかもしれない……。それまで走り続けますよ。20周年という節目に武道館ライブを達成して、その後どうなるかはその時に考えます。

── ツアー「a flood of circle TOUR 2024-2025」では関西でも複数公演が予定されていますね。ライブで大切にしていることは何ですか?

佐々木
お客さんと一体感を作ること、そしてその瞬間を楽しむこと。それ以外の目的でライブをするなんて勿体ないと思っています。常に“今この瞬間が最高!”という気持ちで挑んでいます。

── 以前、佐々木さんは自身の音楽活動における原動力は戦争に対する怒りや反抗精神だとおっしゃっていました。その部分は今も変わりませんか?

佐々木
そうですね、変わりません。社会全体が積み上げてきたものがまだ戦争に繋がっていると感じるからこそ、自分なりの方法で違う価値観を模索しています。ただ、自分には奇抜なことはできないので、自分らしいやり方で挑戦し続けていきます。

—–告知情報—–
▼音源リリース情報
2024年11月6日アルバム「WILD BUNNY BLUES / 野うさぎのブルース」
https://www.teichiku.co.jp/artist/a-flood-of-circle/discography/TECI-1830.html▼映像リリース情報
2025年1月29日ブルーレイ
「a flood of circle デビュー15周年記念公演 “LIVE AT 日比谷野外大音楽堂”」
https://www.teichiku.co.jp/artist/a-flood-of-circle/discography/TEI-325.html

▼ライブ情報
「a flood of circle Tour 2024-2025 “WILD BUNNY BLUES”」
日程:2025年3月6日(木)
会場:神戸 太陽と虎
時間:open 18:30 / start 19:00

日程:2025年4月10日(木)
会場:奈良 NEVER LAND
時間:open 18:30 / start 19:00

日程:2025年6月6日(金)
会場:梅田 CLUB QUATTRO
時間:open 18:00 / start 19:00

チケット:adv. ¥4,400+D代 ※発売中
問合せ:清水音泉 https://www.shimizuonsen.com/

▼オフィシャルホームページ
http://www.afloodofcircle.com/
▼テイチクアーティストページ
https://www.teichiku.co.jp/artist/a-flood-of-circle/
▼SNS
X:https://x.com/afoc_official
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インタビュー・文・撮影:ごとうまき